T1projectボーカルワークショップ指導。今日は10名の参加者のレッスンをしました。
その中で、Bank Bandの「to U」という、とてもスローな曲をレッスンしました。「ゆっくりな曲は優しく穏やかに…」というイメージがあるかもしれませんが、それだと音がスカスカして、とっても退屈な印象になってしまいます。
スローな曲ほど、声にある種の【ストレス】がかかっていないと面白くないのです。高いポジションの狭い通り道に声を通すことで、そのストレスを作っていきます(←あくまでイメージ)。
発声法としては、こんな説明で伝えましたが、伴奏してくださっていた作曲家の松本俊之さんからは「こんなにスローな曲なんだから、音の一つ一つに16分音符がいっぱい詰まっていなきゃ」というアドバイスをされていて、なるほど!と思いました。
僕と松本さんが伝えたものは中身は同じなのですが、考え方とアプローチが違って、面白かったです。そうか、【スローなテンポほど音が詰まっている】という発想は、クラシックの曲にも言えて、例えば「legato(レガート)」に歌うフレーズは、ソフトに柔らかく歌うイメージを持っている人がいますが、音と音が繋がっていくのがレガートですから、むしろ隙間なく濃厚に歌わなければならないのです。
僕自身、とても勉強になりました。