ついに辿り着きました…大千秋楽。

ミュージカル「ひめゆり」



長くは昨年の夏から稽古が始まり、10月公演間近で稽古場でのクラスタ感染による公演中止。



悲しみと虚無感に押しつぶされそうになりました。

隔離ホテルの小さな窓から毎日、空を眺めていました




それから数ヶ月後、失意から回復できたのは今年3月に再演が決まった時でした。



稽古場の感染予防対策は、以前と比べ物にならないほどの厳戒態勢になり、少しずつ、少しずつその一つ一つのプロセスに慣れていきました。



出演者もごっそりと変更になり、舞台上人数制限に対応すべく演出は一から作り直し。大変でした。、



3月公演は無事終わり、その後またしばらくしてから7月に25周年公演が決まり、再び出演させていただくことになりました。



7月公演では出演人数も増え、キャスティングも一新。改めて演出も付け直し、気持ちも新たに。





稽古場・本番時の感染予防対策

①まず稽古参加2日前までに簡易PCR検査を受け、陰性が確認されたら報告。もし陽性が出てしまったら改めてPCR検査を受けます。簡易検査は実寸稽古に入る前(本番2週間前)にもう一度受けます。


毎朝(稽古のない日も)検温をして報告。体温に異常が出たら稽古には参加できません。



③稽古場の建物に入ったら2階のトイレへ直行し、手を洗います。そして改めて体温を計り報告



④その後、稽古場スタジオの階へ上がっていき、階段の踊り場で靴を履き替えます。この際に稽古履きの靴裏を消毒



⑤更衣室へ行き、服やカバンなど外気に触れてきたものは全てビニール袋に入れ、服は全て着替えます。



⑥稽古場に入室時は毎回手指を消毒。途中、トイレに行く場合も靴を履き替え、再びスタジオに入室する際には手指消毒します。



⑦スタジオ内では不織布マスクとフェイスシールドを必ず着用。稽古は最少人数でシーン毎、シーン内でも学徒と先生だけ、民衆だけ、兵士だけといった形で同時に大人数が集まることはありませんでした。



稽古場は稽古が始まる前に全て除菌。スタッフと劇団員がスタジオ内、トイレ、階段など全ての場所を消毒してくれています。小道具も一つ一つ消毒され、布類はジップロックに入れてあります。稽古が終わった後にも再びスタッフ、劇団員の皆さんが除菌作業をしてくださいます。



⑨稽古中は本番を想定して上手、下手に消毒液が置いてあり、演技してから袖に退場したら必ず手指消毒使い終わった小道具はその都度、消毒して元の場所へ



出番のないシーンは別室で待機。その際もマスク着用は義務付けられ、私語や飲食も原則禁止。別班の演技を見る時はパーテーションで仕切られた(実寸稽古時は2階の)エリアで。



(11)換気は徹底。演出付けや、軽く歌う際は全ての窓を開放。オケを入れての歌唱時のみ窓を閉めました。廊下に繋がるドアは開放したまま。サーキュレーターで常に室内の空気は交換されていました。




(12)全員参加の実寸稽古は大きなスタジオをレンタル。この時も上記の対策は徹底し、待機・見学時の椅子も定められていました。バスなどでの移動時も私語禁止会食などはプライベート時も含めて厳禁



(13)実寸稽古でもマスク着用のまま。場当たりはフェイスシールドも着用。音響さんが入り、マイクを付けているので、ブロック毎の通しなど、歌唱時のみフェイスシールドは外しました(マスクは付けたまま)



(14)劇場入りしてからは更に厳しく、舞台上以外ではマスク着用はもちろん。楽屋廊下から舞台袖に入る際も毎回靴底を消毒(本番中も徹底)。ロビーなどに行く際も同様。客席には一切立ち入らず。本番もマスク着脱と手指消毒は徹底。ブロック毎の通し稽古で初めてマスクを外しました(舞台袖に入ったらマスク着用)。


(15)本番中も基本的に私語は控え、楽屋もソーシャルディスタンス。衣装は脱いだらエタノールをスプレー。もちろん会食禁止。



(16)公演が終わった後も2週間は健康観察。毎朝の体温報告は続きます。打ち上げはなし。千秋楽が終わってからも自由解散でした…ちょっと寂しい。




これだけ徹底して、やっと公演が成り立つ形です。ミュージカル座さんの徹底した感染対策を経験しているので、他の現場の様子などが緩かったりすると、正直不安です。これらの感染対策をもっとメディアを通して世間に伝えて欲しいと思います。



公演を終えて

まずはこのような状況下(公演期間中に東京都は緊急事態宣言。戸田市は「蔓延防止…」も含めて対象外でしたが…)でも会場までお越しくださり、ご観劇くださった皆様に心より感謝いたします。



そして、共演者、スタッフ、関係者の皆様、本当にお世話になりました。

こういうのも大好き。「おむすびcafeころりん」さん、ファンになりました。



シングルキャストで全8公演。通し稽古やゲネプロも含めると何回「ひめゆり」を演じたのか数えられないほどです。



レジェンドキャストの方々や、今回が初舞台という若い方も、みんな一致団結して、この公演をやり遂げることができたこと。お客様に作品のメッセージや、戦争の愚かさ、そして「生きる希望」をお伝えする為に、全力で各シーンを生き抜きました。



このような機会を与えてくださったミュージカル座さんには心より御礼申し上げます。



まだチケット代精算や、2週間の体調管理など作業は続きますが、ひとまず公演終了をご報告いたします。



ありがとうございました。