古澤利人です。
この4月から、いくつかの学校で非常勤講師を務めています。「音楽コース」だったり「声楽」の授業をやっているんですけども、その中で生徒さんにお話ししてるような内容ですね、ちょっとだけここでも紹介しようかなと思います。

歌の勉強をする前に、「歌の特徴」ってどういうところかなーっていう話をするんですけど、楽器と違って『道具を一切使わない』っていうことですね。自分の体が楽器で、自分の体ひとつあれば、他は何もいらないと。これが一番の特徴かなと思ってます。

楽器の場合は、形とか素材とか、まぁある程度ですけども、ほとんど決まっていますから、そうすると理想的な音色って…例えばフルートだったらこういうフルートの音色が出るようになっていくと思うんですけども…歌の場合は、もう本当に姿形も違うし、声帯の長さ厚みとかも一つとして同じものはないので、そうすると極めて行こうとすればするほど、音はどんどんどんどん個性的になってくんですね。だから人によって全然違う音になってく。


例えば合唱なんかをするときに、皆が同じような音色になるように、本当に均一化するように徹底して訓練する合唱もあれば、僕なんか逆にですね、「一人一人が、自分の体がフルに鳴るように歌って」っていう風にお願いするので、結果として全員違う音になっちゃうんですね。だからバラバラになって、このバラバラになった音色をうまく束ねた時に、想像もつかないようなハーモニーが生まれる…ってこれを僕は理想として指導してしまうので、良し悪しなんですね…コンクールとかだと点数つかないんですよ。だから良し悪しなんですけど…。


例えば他の例えだと、ダンスとかで、手を上に挙げた時に、全員の手の高さが同じようになるように『揃える』んですね。そんな場合、僕なんか手が長いから、ちょっとだけ手を縮めた状態にしたりするんですね…で、そうやって『揃えて』見せるっていうパフォーマンスもあれば…


逆にですね「全然揃えること気にしなくていいよ」って言われて、手と足を最大限、フルに伸ばして大きな身体表現をしていくっていう演技の仕方もあるんですね。

これ、どっちが良い悪いとかではなくて、いろんな表現の方法があるよっていうお話です。

で、これがですね、歌の場合も「こういう理想的な音色を目指そうね」とか「綺麗な声を出しましょうね」っていうことではなくて、『自分の体がもしフルな響き…最大限響いた時に、どんな音になるかワクワクしながら勉強してこうね」っていう話を授業でしています。

これからも頑張って、生徒さん達と勉強していきます。頑張ります!