多田武彦「柳河風俗詩」の終曲「梅雨の晴れ間」は、川の流れが歌舞伎の回り舞台のよに華やかに(しかし真実はわびしく)表現されています。


ここで求められる歌唱法は西洋的なアカデミックではなく、むしろ『和』のテイストと『わびさび』です。

「柳河」の雅びと優美さ
「紺屋のおろく」の愚かさ
「かきつばた」のわびしさ
そして「梅雨の晴れ間」の妄想的なまでの華やかさ


これらを【和】の語法で描かれているのがこの組曲の魅力だと思います。


ベーレンタール男声合唱団は、ここを追求して演奏していきます。