レッスンをさせていただいて、よく聞かれる言葉。

例えば以前に教わった先生/いま習ってる合唱団の指導者から『「〜しちゃダメ」とか「〜しなきゃダメ」って言われた/言われてます』


その言葉自体がそもそも、その人の思考や身体の自由を妨げていたり、発声や歌においての弊害になっている場合がとても多いです。

…かく言う僕も実際にそうでしたから。



生徒の立場としても、教える立場としても、僕自身が経験してきました。

「こうしなきゃいけない」「こうなってはいけない」
そう教わったりしてきたし、僕自身も生徒さんにそう言ってしまっていた時期があります。



今はこの言葉を使わないようにしています。
(もしかしたら無意識に使ってしまっていることがあるかもしれないけど…)



今、自分の身体がどう動こうとしているのかを察知し、それを補助しながら、逆のアクションも起こしつつ、バランスを取る(もしくは負荷をかける)。



自分(意識下における脳)が出す命令よりも、身体(無意識領域内での反射的な動き)の方が絶対的に信頼できる。その理由と原因に耳を傾けることができれば、身体も思考も、もっともっと可動域(可能性)を拡げながら、自由に動けるはずだし、制御もできるようになる。


簡単に言うと…、
身体に主導権を渡した上で、
手なづける
ということです。


意識(理性・思考)と無意識(本能・反射)を繋ぎ、良い関係性を保ちながら、互いに最高のパフォーマンスをする上で、「〜してはいけない、〜しなければならない」という言葉は、呪いにも近い威力を持つことを肝に銘じ、開いた心と目と耳で、印象的でありながら注意深く生徒さんと対峙し、きちんとコミュニケーションを取りながらレッスンしていきたいと思います。


もう一つ気をつけたいのは、長期間継続的にレッスンしていると、ついついストーリーを作ってしまうこと。

つまり「前回できたことが何で今日はできないんだろう?」と思ってしまったりとか、勝手にステップアップ的な計画を立ててしまい、その通りに進ませようとしてしまったり…リアルタイムで今起きていることや、本人の実感を伴った上達を促すには、過去や未来は必要ない。そのことを忘れないようにしよう。



…という訳で、レッスンをする為の備忘録でした。



今日はお昼から5時間連続レッスンの後、T1projectのミュージカルプロジェクト24の歌唱指導。


まだまだ教え方は精進が必要だな…。
効率化も大事だけど、各々とのきちんとした対峙がもっと必要だったはず。