昨年のT1projectミュージカル「素敵な世界」で演じた田中聡のイラストを描いてくださったファンの方。
田中くんは僕の中の人格の1つになりました。
稲子さん、ありがとう。

こうやって自分が演じた舞台上の人格が、観に来てくださった方の心の中に息づいている、ということは、舞台人として本当に理想であり、最高に嬉しいことです。
僕は公演を終えると必ず「役抜き」という儀式みたいなことをやります。具体的には、役で必要だったヒゲを剃ったり、逆にヒゲを伸ばす必要がない役を終えたら伸ばし始めるとか、髪を切るとか、台本や楽譜を棚にしまう、なんてのも「役抜き」の作業の一つでもあります。
「またいつか会おうね」と約束して、自分の中から役を追い出す作業なんです。「さよなら」をしちゃうんですね。
そんな中、1年たった今、こうしてイラストを描いてもらったり、あの時の感想を伝えていただいたりすることは、僕にとっても、旅の途中で別れた友人から手紙が届いたような気持ちになるんです。
「あいつ、今でも(ファンの心の中で)生きてるんだなぁ」と思ったりします。
あらためて、稲子さんありがとうございます。