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アンサンブル・マイルストーンの第20回演奏会

ベートーヴェン作曲
交響曲第九番「歓喜の歌」

バスソリストを務めさせていただきました。

「第九」は第1楽章から第3楽章まで約35分間かけて様々な音楽を奏でた後に、それらを全て否定する第一声をバスソリストが担います。

盛り上げて~盛り上げておいて~
「ちがーう!!」
と発するこのプロセスが、ステージ上で座ってスタンバイしていても、とてもドキドキします。

もう何度も歌ってきていますが、未だに緊張しますね。

でも、それだけのパワーと緊張度を音楽が持っているということです。…やはりベートーヴェンは偉大だ。

「情熱」「闘争」「愛」
そういった人生の経験を全て否定し、「共に喜び合い、聖なる場所へたどり着こう!」というテーマが描かれています。

時代はフランス革命後の動乱真っただ中。

ベートーヴェンは革命に興奮しつつも
どこか冷めた目で情勢を見ていたのかもしれません。

彼自身も難聴を患い、孤独の中でこの曲を書き上げた心の叫びなのかもしれません。

ベートーヴェンはこの曲の結びに、最後の音が鳴り終わった後の休符にフェルマータを書いています。

それはまるで、このメッセージが永遠に広がっていきますように、という願いが込められているかのようです。

※写真はソリスト4人。
ソプラノ:木村愛子さん
アルト:小林麻利子さん
テノール:佐藤圭くん
バス:古澤利人