年の瀬のとある総合病院の夜間救急、冬らしい寒さとなり、いろいろな感染症も流行している最中、予想通り急病人で混みあっていました。私は病人を連れて付き添いで訪れました。みなさん辛いのを我慢して静かに順番を待っています。そんな中に必ずいらっしゃるんですね、待たされ嫌いな人。なりふり構わず声を荒げて苦情を主張していらっしゃいます。  ある地方紙に掲載されていた医療職の過酷な労働環境に関する記事。救命救急の医師に限って言えば、一般的な職種に比べて残業時間の上限が緩いらしく、中には月に150時間以上の残業もあり、過労死ラインをはるかに超えて、まさに自らの命を削って他人の命を救っているという事実。  そんな過酷な環境に身を置いて、急病人の処置に当たってくれている医療現場の方々のご苦労を考えると待たされ嫌いな人に一言言わずにはいられないのです。「順番待ちに時間を奪われるのがどうしようなく嫌いなあなた、そんなあなたは本当に一分一秒を大切に生きているのですか?。」と。