世田谷区立中央図書館 | 図書館利用促進プロジェクト

図書館利用促進プロジェクト

永遠に残していかなければならない人類の知的所産「図書」。
さまざまな図書が集積する「図書館」のあり方が
近年、著しく変貌を遂げています。
図書館の魅力を再発見!
それが「図書館利用促進プロジェクト」の狙いです。

外観

クローバー概要


世田谷区では中央図書館と15の地域図書館、5のまちかど図書室によって地域の教育拠点としての役割を担ってきました。平成22年(2010年)3月には「世田谷区教育ビジョン第2期行動計画」に基づき「世田谷区立図書館ビジョン」を策定し、これからの図書館像を示すとともに、図書館ビジョンの具体的方策を示す「第1期行動計画」を推進。平成26年度からは「第3期行動計画」に基づき、知と学びと文化の情報拠点としての図書館の運営に取り組んでいます。また、「第2次世田谷区子ども読書活動推進計画」を関係機関と連携して推進し、「家庭読書の日」の周知などによる家庭での読書活動の普及啓発、学校への学習用図書の貸し出しに努め、家庭や地域、学校における子どもたちの読書環境づくりを進めています。
世田谷区立中央図書館は昭和63年(1988年7月26日)に開設。世田谷区教育会館内にあり、併設する施設(プラネタリウム、視聴覚ライブラリー、郷土学習室、教科書センター、せたがや平和資料室、科学実験室)との連携も注目されています。


◆施設概要

構造 鉄筋コンクリート地上3階地下2階。図書館は地上1階、地下1・2階の一部
床面積 5,807.7㎡
対面朗読室 1室
閲覧席 108席(パソコン利用可能席30席を含む)

◆蔵書数

図書資料 463,220冊(書架:273,377冊 保存庫:189,843冊)
音響資料 9,284点
障害福祉サービス資料 8,447冊
(団体貸出センター) 87,852冊
(まちかど図書館) 86,099冊

クローバー施設


1階 こどもフロア
こどもフロア

1階 ポピュラーフロア
ポピュラーフロア


1階① (左)貸出カウンター。(右)図書館スタッフの手作りオブジェを展示した入口のショーケース


1階② こどもフロア。中心に児童用ソファを配したレイアウト(左)と児童用閲覧席(右)


1階③ (左)こどもフロアの「おはなしのへや」。(右)こども用のテーマ展示「おもしろい本みつけた」


1階④ (左)文庫コーナー。(右)外国語資料コーナー


1階⑤

(左)新聞コーナーと閲覧席。(右)子育て支援コーナー

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地下1階 人文・社会科学フロア
人文・社会科学フロア

地下1階 自然科学フロア
自然科学フロア


B1① (左)レファレンスカウンター。(右)ITルーム


B1② 自然科学フロア。年鑑・統計コーナー(左)と研究資料コーナー(右)


B1③ 自然科学フロア。東京大学出版会コーナー(左)と大型絵本コーナー(右)


B1④ (左)週刊誌・雑誌コーナー。(右)パソコン等利用可能席


B1⑤ 社会人専用スペース。閲覧席(左)とソファ(右)


クローバーここもポイント!~漫画「サザエさん」に浸る


世田谷区立中央図書館のある桜新町は、漫画「サザエさん」の生みの親である長谷川町子が暮らしていたこともあり、世田谷区立中央図書館には2013年から「サザエさんコーナー」がお目見え。サザエさん全集や「磯野家の謎」のほか、長谷川町子本人が選んだ「よりぬきサザエさん全巻」などが並べられています。「よりぬきサザエさん全集」には、「町子手帳」という付録誌が付いていて、選んだ時の採点表や単行本にする時に描き直した部分がわかるので、作品の奥深さを感じられます。


サザエさんコーナー


クローバーここもポイント!~“世田谷・新発見″にうってつけの広報誌


世田谷区立中央図書館が発行している広報誌「ざ・ちゅうおう ぷれす」は、3月、7月、11月の年3回発行している広報誌です。「図書館貸出ベスト10」や図書館のイベント情報など、世田谷区内の図書館に関する情報だけではなく、地域の情報も盛り込まれているので、世田谷を知るには役立つアイテムです。世田谷区のホームページからダウンロード(PDF)できます。[ダウンロード ]
ちゅうおうぷれす


クローバーここもポイント!~知的好奇心を深めるのに絶好のロケーション


世田谷区立中央図書館のある世田谷教育会館にはさまざまな施設が併設されています。それぞれの施設で得た情報を図書館で深めたり、図書館で得た知識をそれぞれの施設で体感したりするのには絶好のロケーションです。


◉せたがやプラネタリウム
プラネタリウムでは、年間を通して、平日は、区立小学校・中学校等の教育の場として「学習投影」を行っており、土曜・日曜・祝日、都民の日、学校の長期休業期間は一般撮影を行っています。
一般投影(約1時間)の前半は星空解説です。当日の夜空に見られる月・惑星・星座をはじめ、各種の天体現象を紹介。後半はプラネタリウムやビデオプロジェクターの映像とダイナミックな音響がコンピューターにより自動演出されます。星や宇宙をテーマにした番組を上映します。
また「星座CDコンサート」「大人のための星空散歩」「天体観望会」などのイベントも開催しています。

一般投影観覧料:おとな(高校生以上)400円、こども(小・中学生)100円(土・日・祝日・休日は無料) 幼児(小学生未満)無料
電話番号:03-3429-0780
プラネタリウム


◉郷土学習室
「世田谷の自然とくらし」について、地勢・生物・文化・生活・交通・公共施設の六つのコーナーで資料を展示しています。また、ビデオの視聴や世田谷区全体のパノラマ模型もあり「郷土世田谷」を知ることができます。水曜午後、土曜・日曜・祝日、都民の日、学校の長期休業期間は、一般公開しています。

電話番号:03-3429-0811(教育センター)

郷土学習室

◉せたがや平和資料室
戦争の悲惨さを後世に伝えるとともに、平和に対する理解を深め、恒久平和の実現に寄与するため、平和に関する資料・情報の収集を行い、写真パネルなどを展示しています。2階平和ライブラリーでは書籍・資料の閲覧、映像資料の視聴もできます(日曜・祝日を除く)。
電話番号:03-3429-0811(教育センター)


◉教科書センター
世田谷区立小・中学校で現在使用されている教科書をはじめ、高等学校用教科書や特別支援学校用(小・中学部用)教科書の一部など、あわせて2,000冊以上もの教科書を常設展示しています(土曜・日曜除く)。江戸時代の寺子屋で使用されていた教科らに終戦直後の黒塗りの教科書など、過去に使用された貴重な教科書を数多く保管しています。
電話番号:03-3429-0811(教育センター)


クローバー図書館からのメッセージ


中央図書館 事業担当係長
渡辺尚子さん

渡辺さん

世田谷区立中央図書館では、こどもサービスの活動に力を入れております。年齢に合わせたブックリストや絵本リストは約65,000冊を世田谷区内で配布。私立・区立の保育園や幼稚園、病院、歯科医師会、乳幼児の3・4カ月検診などで活用していただけるよう努めています。用途に応じてセレクトすることと、こどもが読めるように作るのは大変ですが、中央館を含めた世田谷区内の図書館16館で、これからもこの活動を継続して取り組んでいきたいと思っています。
さらに、今後10年のビジョンを構築することが課題とされています。現在、運営体制の見直しや、こども推進計画を考案しているのですが、図書館運営の民間委託が進む中で、利用者の立場で図書館の運営を円滑に行うにはどのようにしていくのかが問われています。世田谷区は地域のボランティアの方の活動が活発ですから、市民参加型の図書館づくりができたらいいなと思っています。毎年、三軒茶屋で開催されている“読みきかせ”のイベントも今年の8月で11回目を迎えましたが、来場者は述べ1,000人にもなりました。中央館の来館者も平均約土日2,500人、平日約1,500人の方に利用されています。世田谷区内の図書館、ボランティア団体との連携をとりながら、まだ図書館を利用していない人にも図書館に興味を持ってもらえるようにしていきたいです。
図書館が街に出て行ってコミュニティの核となることも必要とされています。私たちだからこそできること、16館で連携することの強みをうまく活用していきたいと思います。ブックトークなどのこどもサービスのイベントも含め、まだまだやりたいことはたくさんありますね。


クローバーEDITORIAL NOTE① 今も受け継がれている昭和の息吹


世田谷区立中央図書館のある桜新町は、1658年から1660年に開拓された農地で、彦根藩領・武蔵国荏原郡世田ヶ谷村から世田ヶ谷新町村として独立した地域であった。明治維新以降、新町分譲地の造成に伴い、隣接エリアにソメイヨシノの桜並木が設けられ、今でも桜のスポットが多い街として親しまれている。
桜新町の象徴としてもうひとつ有名なのは、「サザエさん」。原作者・長谷川町子が居住していたこともあり、桜新町駅前には、サザエさん一家の銅像が並べられていたり、商店街のあちこちにサザエさんのイラストが施され、通行人の目を楽しませてくれる。サザエさん通りの突き当たりにあるのは、長谷川町子美術館。長谷川町子が姉の毬子とともに集めた美術品を広く社会に還元しようと開館した美術館で、「サザエさん」の原画や、磯野家の家系図、間取りのミニチュアなどが見学でき、ここでしか購入できないオリジナルグッズも揃えられている。毎年夏休みにはアニメサザエさん展を開催し、ワクワクするイベントも用意されている。
「サザエさん」といえば、幼い頃より家族で観ていたアニメ番組だったが、今もそのスタイルは変わりなく、日曜夜の娯楽アニメとして続いている。昭和の時代、多くの人々に親しまれてきた桜とサザエさんは、今もなお、懐かしさとともに私たちの心を和ませてくれている。(中嶌文庫)


サザエさん像


クローバーEDITORIAL NOTE① いつの日か「世田谷区立中央図書館ポスター展」を


図書館に所蔵されるものは本ばかりではない。CDやDVDなどは当たり前のようになっているが、中にはLPレコードを所蔵しているところもあり、アーカイブに類する仕事も図書館の重要な役割だと実感する。世田谷区立中央図書館にも貴重なアーカイブが存在する。パネルにした美術ポスターである。なんでも開館時の頃(1988年)、購入したものだそうだ。絵本の挿絵のような可愛らしいものからシュールなもの、読書の日の標語ポスターまで、実に多彩なラインナップが揃えられている。棚の中に収められているので、1枚1枚を取り出し、どんな絵柄かを確かめるのも楽しかった。
この美術ポスターは書籍としてカウントされ貸し出しも行っている。イベントなどにおいての利用価値は高いはずだ。88年といえばバブル期。購入したときのポスターはピカピカに輝いていたに違いない。20年以上が過ぎ、そのポスターはほどよく色褪せて、なかには骨董品的な価値を見出せるものもある。いつの日か「世田谷中央図書館ポスター展」が催されるのを楽しみにしたい。(上原由迩)


ポスターコーナー


ビル世田谷区立中央図書館


利用案内
開館時間:火~日曜10:00~19:00 月曜・祝休日・12月28及び1月4日10:00~17:00
休館日:毎月最終木曜、年末年始、特別整理期間


アクセス
住所:〒154-0016 東京都世田谷区弦巻3-16-8 地図
電話番号:03-3429-1811
ホームページ:https://libweb.city.setagaya.tokyo.jp/library/chuou_lib.html



取材協力/イラスト提供_世田谷区立中央図書館 取材_湘南文学舎