堂郁少なめ。 結婚後
オリキャラ注意!
追記 ゆかさんご指摘ありがとうございますー!訂正しました汗
そしていろいろと飛んでるところがあったみたいで重ね重ね、すみません。
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今週の公休日、ちょっと外出してもいいですか?
郁から改まって申し出されたのは数日前である。何やら大学でも陸上部をやっていたそうで、その同窓会があるそうなのだ。 もちろん断る理由もないので快く承諾した。
そして今日はその同窓会の当日だ。
「篤さん、ごめんね。今日出かける予定あったのに・・・。」
「そんなに言われると離したくなくなる。」
郁はフフっと笑い、「もう篤さんのものですよ」と言った。
薄く化粧をし、時間ぎりぎりなのかどこか急ぎ足だ。飲みすぎるなよ、と念を押すのを忘れず、堂上は出かけていく郁を見送った。
★
一通の手紙が届いたのは今から2週間ほど前にさかのぼる。
見覚えのない住所から郁宛てに手紙が届いた。
笠原へ
前略
笠原、元気ですか。●■大学の上田です。
来週の土曜日に陸上部で同窓会があります。皆であつまるのでもし日程が合ったら是非来て下さい。
時間・場所は以下の通りです。 お待ちしています。
スペースマイン 正午
上田辰雄
中、高、大と学生時代はずっと陸上部に所属していた。持ち前の運動神経はいつもトップで何度も大会に優勝している。大学もスポーツで推薦を取り、入学した。
今陸上部の人たちの中で郁が図書隊の中でも最も危険な図書特殊部隊<ライブラリータスクフォース>に入隊たことを知っている者はいない。そして、郁が結婚したということを知る者もいないだろう。
久々に会うのは嬉しいがもう二度と会うことは無いだろうと思っていた人たちだったので正直行くのをためらった。
そして、郁が行くのをためらったにはもう一つの理由がある。
それは・・・ 以前郁が告白してフられたのが手紙を送ってきた、『上田辰雄』なのだ。断れた理由が「俺より背の高い女はちょっと、」だったのは多分死ぬ前まで忘れない。それこの男はそれに加えて「山猿が俺に告白とは大した度胸だな」とまで言ったのだ。
「俺より背の高い女はちょっと」なら何度も言われたことがあるのでそこまで気に留めることは無かったのだがそこまで言われては郁もカチンと来る。
そんな嫌な思い出がある彼とまた会うのは少々覚悟がいる。
だが、もう時も経ったことだ。 相手も結婚したりなんだりして変わっているだろう。
待ち合わせ場所であるスペースマインの入り口でそんなことをまた思い出し、郁はガッツポーズを決めて入店した___
「笠原。」
聞き覚えのある声。 最初に郁に声をかけたのはそう、問題の上田だ。
「久しぶりだね。元気だった?」
相変わらず顔は焦げていてちょっと焦げた食パンみたい・・・と思ったがさすがにそれを声には出せないので黙っておく。
「うん。皆も元気だった?」
周りにはもう殆どの陸上部の後輩先輩が来ていた。 面影の残る人、だいぶ薄れた人。
結婚指輪をはめている人・・・
ん?
あたしは結婚指輪・・・
ない!ない!ない!
「なーーーーーーーーーーーーーーーーーーーい!」
思わず驚いて叫んでしまった。
「ちょっと!うるさいわねえ。何よ。無いって。」
声をかけてきたのは同期の三村だ。彼女は大学時代郁と非常に親しかった。親友とまではいかないがよく二人で買い物に行ったり映画を観に行った仲で彼女は郁の勤務先を知っている。
図書隊に入隊した後も何度か食事に行ったことがあり、唯一大学時代から続いている友達の一人だった。
「指輪が・・・」
はぁ?とすっきょんとんな声をあげられた。
「笠原が指輪?ちょっと、お母さんに洗脳されちゃったの?」
三村は郁が結婚したことを知らないので完璧郁の人が変わってしまったものだと信じ込んでいるようだ。
「違う、違う。結婚指輪。」
一瞬で周りの視線が郁に凍りついたのを感じた。
「笠原、結婚してたの」
驚くように皆が一斉に声をそろえて言い放った。
「酷いねえ。あたしだって女だわ!いつまでも山猿じゃなーい!って、それより結婚指輪、指輪・・・」
自分で地雷を踏んだのに気付いたのはもう時すでに遅し。 問題の上田の顔を見ると少し不機嫌そうな顔をしていた。
気づくと、勝手に自分の足が動いていた。家に向かって。
篤さん・・・とつぶやきながら。
***
ごめんなさい、後篇に続きます!