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Chamomile tea

図書館戦争の二次小説を書いています。基本堂郁です。
はじめての方は「はじめに」をご覧ください。(メッセージボードにINDEXのリンク貼ってます。)

twitterでのお礼SSです。

上手にかけたかわからないのですが・・・汗汗。

よろしければ読んでください<m(__)m>



上官部下期


***



夏も本場になったころ。

小牧が毬江ちゃんのお母さんから頂いたというバナナを大量に堂上の部屋に持ってきた。


「これ、あげるよ。一人じゃ食べきれないから。」


あげる、と言われてもその量はバナナが5房以上にのぼる。


「俺もこんなに食べきれん。」


「んじゃ、笠原さんとかにおすそ分けする?」


郁は食欲が旺盛で.2房くらいなら平気で平らげそうだな、と考え特殊部隊室に翌日持っていくことになった。明日は普段通り玄田も居るのでついでにおすそ分けするつもりだ。




「おはようございますっ!」


いつも通り5分前に勢いよく扉が開いた。相変わらず堂上が言いつけている10分前には間に合わないものの時間ピッタリぎりぎりにくる、ということはさすがになくなった。


「おはよう。 笠原、バナナが大量にあるのだがバナナは好きか。」


「はい、好きですよ!」


ニッコリ笑顔を浮かべる。これは本当に好きなのだろう。


「なら、好きなだけ持って行っていい。」


郁は一瞬考える様子を見せた。何を考えているのかわからないが少し険しいような顔をしている。

バナナが好きならバナナをもらうことに抵抗は無いし、むしろ嬉しいはずなのだ。小牧もどういったことかわからないようで笠原をじっと見つめる。


「何か問題があるのか。」


「あの・・・それって・・・あたしが山猿だからくれるってことですか。」


あまりに真面目に斜め上・・・

いや、斜め上の上の上のところを突いたものだから小牧が上戸に入ってしまった。この斜め上思考は日常茶飯事なので慣れてきたものだったがここまで上をついたのは久しぶりで隊内の空気が一瞬固まる。


「アホか!どうしてそうなるんだ!確かにお前が山猿なのは事実だが、これは毬江ちゃんのお母様が小牧におすそ分けとしてくれたんだ!」


「山猿なのは事実って・・・あたしは人間ですっ!勝手に種類変えないでくださいっ!」


「いや、堂上二生が言ってるのは事実だろ。お前は山猿以外の何物でもない。」


手塚がシレっと返す。 なによ、今まで入ってきてなかったくせにいきなり、と返すと無視された。

コイツが過去に自分に付き合ってくれ、と申しだしてきたことが幻覚のようになってくる。


「朝から面白いコントありがとう、熊殺しのご両人。」


さいごのトドメは小牧からだった。「初代熊殺し堂上」と「二代目熊殺し笠原」は有名な話であり当時を思い出すと二人とも苦い顔になるので何も返せないのだ。


そうこうしているうちに隊長室から笑顔で玄田が出てきた。


「堂上ー!このバナナ貰うぞー」


玄田が「貰ってもいいか」と聞くことはまずありえない。まず聞いてNOの返事を出しても持っていくのだが。


「どうぞ。」


バナナが5房もあったというのに玄田は4房も隊長室に持って行ってしまい、結果、残ったのはたった1房となってしまったので1房を4人で分けることになった。これは休憩時間に食べることになるので冷蔵庫に入れる。


「隊長、すごい持ってったね。」


「いつものことだ。」


隊長室からはバナナの皮であるだろう音がいろいろと聞こえてきた。。。





郁が隊長室に呼ばれたのはお昼前だった。何かやらかしたわけでもなければ事件があったわけでは無いはずなので心当たりはないが呼ばれたからにはいかなくてはならない。


「失礼します。」


「お、来たか、笠原。」


玄田はニヤニヤしてこちらを見ている。なにかをたくらんでいるのが見え見えだ。


「バナナの皮が沢山あるから堂上に仕掛けろ。」


「えっ・・・それってどういう・・・」


玄田が言うには最近堂上の面白い姿を見ていなくてつまらないからバナナで堂上を転ばせたい、ということだった。何とも子供らしい提案で・・・しかもバナナで転ばせる理由が「面白い姿を見ていないから」というのに驚いたが玄田がやる気になったからにはこれを消せるものは居ない。堂上でさえも無理であるのだから郁にはもちろん無理な話なのだ。


隊長室を出ると即座に堂上に何だったんだ、と聞かれた。


「バナナの皮を捨てるように頼まれました・・・」


ダダ漏れが特技と言っていいほど外に漏れてしまう郁だ。それもいつも一緒にいる堂上がそれが嘘であることを見抜かないわけがなかった。


「本当はなんだったんだ?」


しかし、ここで「堂上教官をバナナで転ばせろと言われました!」とは流石に言えないのでしらを切る。


「や、本当ですよ!沢山バナナがあって全部たべちゃったから捨てろって言われたんです!」


一生懸命あたふたして話すと堂上も信じてくれたようだ。少々疑いつつもそうか、と信じてもらうことができた。


ここからが郁の勝負どころだ。いかにして堂上を転ばせるか、ということなのだ。

考えまくった末に思いついたのは特殊部隊室を抜けてすぐのところにバナナの皮を置き、その先にももう一つ置くということだった。 失敗は許されない。 郁はバナナの皮を捨てに行くと言ってそっと抜けて準備した。





館内シフトの時間になり、堂上と郁がペアだったので部室を抜けることになった。郁は成功するか失敗するかドキドキしつつ先に堂上が出るようにうまく誘導する。


第一のハードル、開けてすぐ。


「うわっ。」


ここは堂上が転ぶ予定だったのだが自分で転んでしまった。こんな予定ではなかったのだが。


「大丈夫か」


堂上が心配そうに郁に近寄るが自分が心配してもらえるような立場ではない!

もともとは堂上を転ばせようと郁が自分で仕掛けたものなのだ。自業自得という奴だ。 玄田と言えば堂上が転ぶ予定のものを郁が転んでしまい、もっと爆笑していた。


堂上がふと立ち上がった瞬間。


少し離れた位置にあったバナナにすてーんと見事に宙返りをした。


「ど、堂上教官!!!すみません、あたしの仕業です!」


ぼて、と不気味な音を立てて郁の上にかぶさった。いくら鍛えている女子とはいえ、戦闘職種、筋肉モリモリの男が自分の上にかぶさってきたら重さで死にそうだ。

玄田の望みはかなったものの自分が転んだ後に堂上が転ぶというのは想定外だった。


堂上はすっと立ち上がると死にかけの郁に手を差し伸べた。


そして立ち上がろうとしたその時


「いって!なにするんですかっ!教官暴力反対!」


「アホか貴様!隊長のバカな計画にお前まで乗ってどうする!ったく・・・」


スミマセン、とうなだれる郁を見ると怒りも沈静化される。

が、それより、これを計画した玄田へいつか仕返ししようという絶対にかなわない考えが頭に浮かぶ。


まあしかし堂上にとっては少し嬉しかったりした。


倒れた時に郁の上にかぶされたことで何気なく近くなったのだ。正直ドキリとした。



不謹慎だな。



そのあと何事もなかったようにあった館内警備のシフトでそのことをずっと考えていたのは心の中にしまっておくとしよう。



***


夫婦時期 




堂上と郁の子供の名前を勝手に「ゆめ」と名付けさせて頂きました。

訂正0728






***






ゆめは今テレビアニメにハマっている。それは、プリンセスと王子様が恋をするお話だ。日曜日の朝8時になるとものすごい勢いで起き上がり、タタタタっと音がしたと思えばもう既にテレビの前で画面に見入っている。




「ゆめはホントにそのアニメすきだよね。」




「ああ。」




娘は堂上によく懐いた。堂上は子供に好かれるらしい。仏頂面なところが逆にいいのだろう。娘も同様に堂上にベッタリだった。郁と似て本当に元気な女の子だ。




「パパ!あたち、王子様と結婚したい!」




飲み掛けのお茶を噴き出した。それはもう、水鉄砲以上の速さで。何も事情を知らないゆめはと言えばキラキラした目でこちらを見つめてくる。




郁は顔を真っ赤にして台所へと逃走していた。




「そうだな、結婚できるといいな。」




ここはゆめに郁と堂上の『王子様物語』を知られたくない。動揺する自分を抑えてニッコリ笑った。




「ママとパパはどうして結婚したの?」




郁と同じでゆめは予想の斜め上をつく。第一の難所を突破したかと思えば第二の難所がすぐにやってくる。さすがにこれには台所に居た郁も驚いたのだろう。フライパンが落ちたような音とギャっという悲鳴があった。




「あのね、あたちね、柴崎おばちゃんにね・・・」




またあの悪女は。何をウチの娘に叩き込んだんだ!と眉間が深まった。




堂上と郁が結婚し、柴崎と手塚が結婚した今でも柴崎や手塚、小牧たちとはよくお互いの家に招きあったり外出したりする。子どもが生まれてからはゆめが小さい頃から柴崎に預けたり、遊んでもらったりすることが多かった。そしてゆめは柴崎のことを「柴崎おばちゃん」と非常に慕っている。




柴崎はゆめに「麻子お姉ちゃん」ってよんでね?と言っているのだが郁が柴崎のことを名前で呼ばないのと、どうしてもお姉ちゃんというのに慣れないらしく『柴崎おばちゃん』で定着してしまった。




勿論。柴崎をおばちゃん呼ばわりするなどとても怖くてゆめ以外の人は不可能だろう。




「ママは王子様に出会って、王子様と結婚したって聞いたよ。パパは王子様なの?ママはお姫様なんだって。」




「ち、ちょっとお!ゆめぇ。いつそんなこと柴崎から聞いたの!?」




とうとう我慢できなくなったらしく、郁がものすごい勢いで乱入してきた。




「なんだ、おれが王子様で悪かったか。」




「そんなこと言ってないよー。篤さんが王子様・・・って、なんで開き直ってるのよお・・・」




郁がちびちび呟いているとゆめが口を開いた。




「あたち、王子様と結婚するの!」




は?




堂上=王子様、というのはゆめの頭に刻まれている筈なのでゆめの頭の中では堂上と将来結婚したい、ということだ。




「ゆめ、それじゃあパパと結婚するのか。」




郁によく似た笑顔でブンブン首を縦に振った。




隣の郁は少しばかりか不機嫌な顔をしている。




「ゆめ、王子様はね、結婚できないの。」




「どうして?」




きょとん、とした顔で郁を見つめてた。




「王子様はね、ママと結婚したから他の人とは結婚できないの。」




先程までニッコリ笑顔だったゆめが急に寂しそうな顔になり、シュンとした。


子ども相手にここまで言うか!?と突っ込みたいところだが郁もゆめも真剣なので堂上が入り込む隙間はもう既に消えている。




「でもね、パパとは結婚できないけど世の中にはたーくさん、王子様がいるんだよ。ゆめちゃんがだあいすきになった王子様と結婚して幸せになるのよ。」




そういうと納得したのか「王子様と結婚する!」と言ってゆめは自分の部屋に走り去っていった。











「郁大人げないぞ。」




「だって、ゆめはゆめでもあたしのダンナさんは篤さんなんだもん。」




誰にも渡したくないんだもん、と少しうつむいて言った。 それはもう、この上ないほど可愛い。




「お前はそのままでいい。大人にならんくていい。」




もう大人ですよ、という郁をいつも以上に長く、温かく、抱きしめた。








***



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