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Chamomile tea

図書館戦争の二次小説を書いています。基本堂郁です。
はじめての方は「はじめに」をご覧ください。(メッセージボードにINDEXのリンク貼ってます。)

どうしても書きたかったところ。

郁ちゃんの面接のときです。 面接官の人数原作に書いてあったか書いてなかったか覚えてないので勝手に6人ということにさせて頂きます。。。 いつもパラレルですが今回もかなりパラレルかもしれないので閲覧注意です!


あと、オチが殆ど・・・無いです!


***



はじめは誰もわからなかった。


あの時。五年前に、堂上が助けた少女だったということは。

ただ、女性で第一希望が防衛部というのは関東図書基地では初めてだった為異例の6人という数の面接官が駆り出された。


彼女は凛とした女性だった。入ってきた瞬間に彼女が図書隊に対して他の人よりもはるかに超える熱意を感じた。そして彼女の熱意を感じたと同時に、左から妙なオーラを感じた。


隣にいるのは堂上篤二等図書生。今年の新人隊員の教官を務めるということで彼も面接官となったのだ。他にも小牧などがいる。


彼の目は彼女が入ってきた瞬間に変わった。


今まで届かなかったもの、手放したものが今目の前にある。そのような目つきをしていた。

本人は冷静を装っているつもりなのだろうが完全に表に出ている。


昔の知り合いかなにかだろうか、と思ったがその考えが深くなる前に彼女が口を開いた。


「153.番、笠原郁です。」


ハキハキとした喋りだった。笑顔で自信にあふれた表情。入った時も思ったが彼女は姿勢がとてもきれいだ。そしてニコニコと笑顔。


印象の項目に★5をつける。


「女子で防衛部が第一希望ですね。何故、図書隊に入隊しようと思ったのですか。」


彼女がしゃべりだして間もなく、堂上は俯く。


それもそのはず。5年前、見計らいをして助けた『王子様説』を熱心に語られたのだから。


自分も流石に笑いをこらえきれなかった。玄田のツボにハマったようだ。ここで、特殊部隊候補一名と、決定された。表面上は『候補』となっているが殆ど確定と言ってもいいのだろう。


しかし、訓練とスポーツは違う。 幾ら中学のころからずっと陸上をやっていたとしても彼女がその違いに気づくかどうかは別だ。


「では、失礼いたします。」


自分がそんなことを考えている間に面接は終了した。



「いやー堂上、あんときの高校生だったとはな!こりゃ、特殊部隊入り決定だな?」


玄田が豪快に笑う。


「未だ実力もわかりません。」


あくまであの時の高校生については触れないことを貫こうとしたものなのだろうが堂上の顔はもう、これまで見たことのないほど真っ赤であり眉間の皺が深い。


「そう固いことを言うな~。人事は俺が決定するっ!」


「人事の決定権は基地司令じゃないですかっ!」


「だが、俺は基地司令の直接交渉兼を持っている。」


「職権乱用です!そんな勝ち誇っても無駄ですから!」


もうこうなったら玄田の気を変えられないということは誰よりも堂上が知っている。 堂上は諦めたのか一番速く面接室を抜け出した。



これから先が楽しみだ。 


恐らく堂上篤は笠原郁に恋している。 あの目は、絶対にそうだ。 確実に。



「おい、小牧。」


「はい。」


「楽しみだな。」


「勿論です。」



こうして、ジレる二人をあたたかく(?)見守る特殊部隊の日常が始まったのであった。



***

手塚ネタ妄想が凄い頭の中に広がってるので書かせて頂きます。

いくつか続けるつもりです。それぞれのネタはつながってないことが多々だと思うのですが・・・。

あ、でも堂郁です(え。)


***



それは通常業務の昼飯の時間だった。俺がトレーを置くとものすごい勢いでダダダダっと何かが来たかと思えばそれは笠原だ。特殊部隊の中でも上位に入る笠原の足の速さは時々面白い。しかしここは食堂だ。それに手にはトレー。落ちるのではないか、と不安がよぎる。


まさか自分目がけて走ってきたとは思いもしなかった。笠原は俺の前に勢いよくトレーを乗せると接近してきた。


「なんだ。お前ここで走る・・・」


走るな、危ない。と言いかけたところで笠原に遮られた。


「て、手塚ぁ!んなこったあとどうでもいい!ティラミス食べたのあんたでしょ!」


郁に迫られて頭をフル回転させる。


確かに、今日、俺はティラミスを食べた。




笠原が小牧二生と館内シフトで特殊部隊室から席を外していた時間、ちょうど室内には玄田隊長と堂上二生と自分しかいなかった。そして各自休憩の時間となったので俺は席を立とうとしたのだが、そこ玄田に止められたのだ。


「手塚ァ、堂上ォ、これ要るかー?」


隊長がそう言って持ってきたのは1ホールのティラミスケーキだった。見るからに高級そうなケーキだ。一つ一つ既に切られたもので、数は6つ。

しかし俺は甘いものがそれほど好きではないので断ろうと思った。


「いいえ。お気遣いに感謝致します。しかし自分は甘いものが苦手なので遠慮します。」


堂上二生は甘いものが好きなのか一つ貰っている。


「そうか?これどちらかと言えば苦いぞ。手塚も貰ったらどうだ。」


堂上から勧められ、頂くこととなった。





「やっぱりあんた、食べたんでしょ!冷蔵庫に大切に入れといたのに・・・なんで手塚が食べちゃったのよっ!返せあたしの大切なティラミスーーーー!」


どうりで少し怪しいと思った。あの時、玄田隊長が買ってきたものではないということは鈍い俺でも一目でわかったのだ。何故それについて深く考えなかったのかと強く後悔する。

食べ物の恨みは怖い。 それに甘いものに目が無いコイツなら尚更だ。


「悪い。知らなかった。今日ケーキ奢るから許してくれ。」


ここは反抗するよりも素直に折れた方が良しと判断した。


案の定、笠原は目がハートになってニコニコしている。


全く、どれだけ単純なんだこいつは。


「ほ、ほんと?じゃあ、あたしの好きなケーキ1つ・・・いや、お取り寄せティラミスは柴崎が取ってくれたから2つでもいいの?」


この時、もう一つの爆弾を自分で踏んでしまったことに気付いた。

今、確実に言ったな、「柴崎が取ってくれた」と。 笠原情報で柴崎に伝わることは間違いないだろう。

恐らくここで2つケーキを購入しても柴崎から飲み会1回分くらいは払わされそうだがこうなれば仕方がないので頷く。


「うわあああああ!手塚大好きー大好きー!」


笠原がそう叫んだ時、妙な視線を感じた。


斜め後ろを見ると堂上二生の皺がいつもの3割増しでこちらを厳しい表情で見つめている。そして堂上二生の後ろには小牧二生がククククと笑っていた。

どうやら笠原が「手塚大好き」なんて変なことを言うから堂上二生の気分を害したようだ。理由はよくわからないが視線がソレを物語っている。


「笠原、お願いだ。それ以上大きな声で叫ばないでくれ。」


『堂上二生の視線が・・・』とは流石に言えず、手塚は縮こまるしかなかった。



その後、ケーキ屋で。

手塚は『2ダース』だと思っていたケーキが『2ホール』だったことを知って落胆する。


そして部屋のみで堂上にぬるいビールを出されて首をかしげたこととなった。



***

実写図書館戦争のDVD発売決定ですね!すんごい嬉しいです泣泣




上官部下期


***


「堂上きょ、ひくっ、うかん!これっ、ひくっ、提出・・」


「なんだ、しゃっくりか。」


「そうなんで、ひくっ、す。」


「早く止めろよ」


「はい、ひくっ」


そんなやり取りをしてからもう30分以上経つ。問題のしゃっくりはと言えば止まる気配を全く見せない。もう自分でも鬱陶しいくらいだ。

しゃっくりは突如始まった。なにか笑い転げたとかそんなのではなく、唐突に。もともとしゃっくりが出やすいような人では無いので最初は面白がっていた。しかし、ここまで長くなると疲れてくる。もうこのまま止まらないのではないかと思うくらいだ。


「お前いい加減にしろよ!そのしゃっくり、どうにかすれ!」


手塚が郁がしゃっくりをし始めてからイライラしていたのはこちらにも伝わった。その怒りはもう限界に達していたのだろう。


「どうにかして、ひくっ、ていってもどうにもできないじゃん!どうにか、ひくっ、できるものなら・・・」


「もういい!喋るな!堂上二生、小牧二生、こいつのしゃっくりが煩すぎて業務に集中できません。どうにかしてください。」


「そうだね・・・流石にここまで長くなるとは思ってなかったし・・・どうにかするか。」


こうして手塚の切実な願いによる『笠原のしゃっくり止めよう大作戦』が練られることとなった。



「まず、しゃっくりって水を一気に飲むと止まるって言うよね。笠原さん水飲んだ?」


「はい・・・。さっき二杯くらい飲んだんですけど、ひくっ、全く効果ありませんでした・・・。」


「それなら他の方法を練るしかないよね。ちょっと笠原さん業務に戻ってもらっていい?」


小牧の呼びかけで一旦郁を外に出して作戦を考えることとなった。郁を外に出したのは郁を驚かせる作戦だからだろう。驚かせるのに郁がいてはバレてしまうので意味がないからだ。


「で、どうしよう。」


「笠原がいつも騒ぐ王子様ネタはどうでしょうか。」


手塚の何気ない一言で場の空気が固まったのが手に取れるよういわかった。しかも手塚は悪気も無いのに超ビッグな爆弾を落とす。堂上の眉間の皺がこの一言で2cm程深まったような気がする。小牧は上戸に入る一歩手前のような顔をしている。


「いかん!」


堂上はうつむいて答えた


「そんな、軍人みたいな口調で言わなくていいから・・・」


「しかしながら堂上二生、笠原が事を忘れて語りだすのって一番王子様ネタが効果的だと思いますが。」


手塚の言っていることは確かに正論だ。郁が一番物を忘れて語るのは王子様ネタが一番なのだ。ここまで念を押されるとこちらも返しようがない。驚かすよりもずっと、絶対、こちらの方が効果があるのだ。


「そうだな。それなら小牧が笠原にそのネタ振ってくれ」


あくまで自分の口から『王子様云々』に関しては話さない。手塚が出ていくと小牧が耳元で囁いた。


「わかったよ、王子様ね?」


嫌がらせするな!と言おうとしたが小牧はもう既にその場にいなかった。




「笠原さん」


「はい!ひくっ」


「どうして図書隊に入隊したんだっけ?」


「高校生の時に、ひくっ、出会った三生がきっかけなんですけど、あたしが買おうとしていた本が、ひくっ、検閲対象でその時に図書隊の人、ひくっ、が守ってくれたんです。それがもう、王子様、ひくっみたいで、あたしも理不尽に取り上げられる本を、ひくっ、あのときの図書生みたいに守りたいって思ったんです。」


郁が熱心に説明するもなかなかしゃっくりは止まらなかった。これには小牧も頭をかかえる。

どうしようか、と皆が思っていたその時。勢いよく隊長室の扉があいた。


「うわっ、びっくりした!」


「なんだ笠原、王子様の話しか~?俺にも聞かせてくれ」


玄田隊長が壁越しに聞いていたのだ。すかさず堂上が突っ込む。


「ちょ、入隊の時に隊長はきいたじゃないですか!わざわざまた言わせる必要はないでしょう!」


「それなら小牧だっていたじゃないか。俺ももう一度あの時の情熱を聞きたい」


堂上はここで郁に王子様云々を語らせれば自分の顔がゆでだこ状態になるのが容易に想像できたので郁に必要以上の業務を押し付けた。


「こ、こんなにやるんですか、あたし・・・。こんなのいくら残業しても流石に無理ですよ・・・」


「いいからさっさとやれ!」


丁度いいところに玄田宛てに電話がかかり、その場は一旦落ち着くこととなった。


「そういえば笠原さん、しゃっくりは?」


「あっ、止まったみたいです!いろいろ迷惑かけてすみませんでした。」


「いやいや、自然現象だから仕方ないよ。それより止まってよかった。 あ、さっきの王子様物語、続き聞かせて?」


「・・・・・・っ、今度はお前もか!班長命令だ!さっさと業務に戻れアホウ!」



結局堂上が無理くり撤回させて業務に戻ることになったがその日一日堂上の機嫌が悪かったのは言うまでもないだろう。



***