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Chamomile tea

図書館戦争の二次小説を書いています。基本堂郁です。
はじめての方は「はじめに」をご覧ください。(メッセージボードにINDEXのリンク貼ってます。)

字が少し小さくて見づらいので大きくしました!

よくよく考えてみるとこのブログで書いているSSはギャグばっかりで甘いのが少ないですよね!今度から甘いの少し増やします(書ける自信は別として)

では!



恋人期間



***



今日は飲み会の日。いつも通り玄田の一声でいつもの居酒屋で開かれることになった。郁は業務部との飲み会があったので今はそれが終わり、特殊部隊の二次会会場へと足を運んでいる。



一応堂上教官に連絡入れといたほうがいいかな・・・



よくよく考えてみれば二次会と一次会の会場は別だ。堂上に聞かなくては会場の場所がわからないのだ。



発信履歴は「堂上教官」の文字でうめつくされている。だが、夜は堂上に呼び出されるのはメールのほうが多いのであまり電話はすることがない。最新の履歴でも1週間も前だった。



何度か呼び出し音が鳴った後に出た。



「教官!笠原です。」


「俺だ。」


電話に出たのは堂上ではなく、手塚の声だった。間違えて発信してしまったか!?と画面を見るが画面には堂上篤の文字が光るばかりで間違いなく掛け間違えたわけではない。


「な、なんで手塚が?」


「堂上二正が今お手洗いに行っているんだ。それで、電話番を頼まれた。」


「そうなんだ。あれ?でもこういうときって小牧教官がじゃないの?」


こういうことはまれにあった。堂上がなにかしらの理由で席をはずしたときに電話を預けたりするのはいつも小牧なのだ。


「小牧二生は堂上二生と離れたところにいるからだ。」


「ふーん。。。あ、二次会の会場教えてほしいんだけど。」


「トランザエルの斜め向かえの店だ。」


「そう。ありがとう。」


手塚に教えてもらった店に行くと店の店員に聞かなくともすぐにどこに特殊部隊の人達がいるのかわかった。なにせ、一箇所だけ異常に煩いのだ。


「こ、こんばんは・・・。笠原です・・・。」


目で堂上を探すと小牧と手塚のいるところに堂上がちょこん、と座っていた。

大急ぎで駆けつける。


「遅いぞ、郁。」


「へ?」


普段特殊部隊の連中がいる前ではからかわれるのがわかっているので絶対に名前呼びはしない。それなのに今、名前で・・・


「いーく。」


なんだ、このかわいい生き物は。


普段の眉間の皺の深い堂上からは到底感じさせられない。甘い声、とろけそうな目。


「ど、堂上教官・・・?酔ってますか?」


「酔ってない。」


いや、それ、酔っ払いの常套句だから。


と突っ込みを入れたのは半分上戸に入りつつある小牧だった。チラっとその隣を見ると手塚が引きつったような顔で朴念仁になっている。いや、もともと朴念仁なのが進化してスーパー朴念仁になった感じだ。


「ねえねえ、堂上。」


「なんだ」


「笠原さんって、堂上と付き合うようになってからすごくかわいくなったよね。」


「違う。」


あれ、やっぱり酔ってなかったか。とその場にいた誰もが思った。が、次の瞬間。思わぬ発言が堂上の口からこぼれ出た。


「郁はずっと前からかわいかった。高校生のときから。」


小牧の上戸は完全にツボに入ってしまい、手塚はミラクル朴念仁に化けてしまっている。


「きょ、教官!恥ずかしいですからそんなこといわないでくださいっ!」


「事実だ。言って何が悪い。お前は俺のだ。」


なんだこれは、なんの拷問だ!?

特殊部隊の面々の視線を感じつつのこの感じ。

郁にとってはこの上ないうれしいことなのだが・・・


郁をこんな状態にした本人といえば悪戯に口を微笑ませている。


「もうっ!教官、もう帰りますよ!」


「なんでだ」


「酔いすぎです!これ以上いたら茹蛸どころじゃありません!」


郁は小牧に軽く頭をさげ、堂上を無理やり外に連れ出した。堂上は酔っているにしてはしっかりとした足取りだ。


「教官?もうあんなに飲んじゃ、だめ、ですよ?」


酔っ払いに言っても無駄だというのはわかるのだがここまであんな甘い言葉を大衆の前で言われると黙っていられない。


「郁、俺は酔っていない。」


それ、酔っ払いの常套句だって小牧教官も言ってたじゃないですかと言い返す。


「だから、酔ってない。アレは周りの奴等が認めてくれないから言っただけだ。事実だし、いいんだ。」


・・・・・・。


いいんだって・・・・よくないー!

昔からかわいかったとか、禁物です、教官・・・。


「郁、外泊届けだしたか」


「えっ、今から行くんですか」


「そのために抜けてきたんじゃないのか?嫌か?」


堂上は郁をしたから覗き込んだ。距離にして10cmあるかないか。


「イヤじゃないです・・・。」


堂上は郁の手を取ると訓練速度以上の速さで夜の街へと向かった__。



***


実は、酔ってませんでしたパターンです。

あんまり甘くない!なぜかけない自分甘いパターン。

リクエストにお応えできていなくてごめんなさいTT

次回作も私なりに甘くいたします!!!

北海道では昨日七夕だったので!

上官部下期です(⌒▽⌒)

***

今日は七夕だ。
館内は七夕モード一色で多くの子供が笹の木に一つ一つ願いを込めて書いた短冊を下げる。この短冊は図書隊員必ず書くものであって当然ながら特殊部隊の隊員も書かなくてはならない。
郁は柴崎から渡された短冊をまじまじと眺めて「はぁ」とため息をついた。

「どうしようかなぁ…。」

何をそんなに悩んでいるんだ、と堂上が覗き込んできた。

「短冊です。何書こうかなって思って。堂上教官は何て書くんですか?」

まさか自分が何を書くかなんぞ気かれるとも思っていなかったので少々挙動不審になりそうだったが平然を装う。一番書きたいことはお前に想いを伝えることだ、とは口が裂けても言えない。

「いや、俺は決めていないんだが…」

「今二つの候補で悩んでいるんです。一つは王子様に会えますように、でもうひとつは…」

郁はそこまで言うとはにかんだような笑顔を見せ、言った。

「もうひとつは、堂上教官を越せますように、です。」

想定外の郁の答えに堂上は数秒固まった。今、堂上教官を越せますようにと言ったのか? 以前に俺を越すと叫ばれたことがあったがこうして改めて言われると気恥ずかしくなり眉間のシワをいつも以上に深めた。

「アホか!お前が会いたいというヤツについては知らんが俺を越す前に図書館業務だけでも完璧にすれ。それからだ。」

言いたいことだけ言うとバッと立ち上がってそのまま逃げ去った。
郁が教官酷い!と言うのを耳で聞きつつ、お前がかわいいこと言うからだと言い訳した。


堂上が立ち去ってしまった後も尚、短冊と睨めっこしていた。いっそのこと2つ書いちゃおうかと思ったが、いくらなんでもそれは欲張りすぎる。王子様に会いたいという気持ちももちろん大きい。何せ彼に憧れて図書隊に入隊したのだ。しかし今は堂上教官を越すという新たな夢ができ、それに向かって日々努力している。確かに先程堂上に言われたように業務を完璧にというのが一番なのだがそれより堂上教官を越すぞ!という方が自分のモチベーションが上がるのだ。入隊当初はあれほど鬼教官と嫌っていたが今は尊敬する憧れの上官だ。
手塚ほどではないが。。。
手塚程堂上に憧れていたらきっと自分までプチ堂上第2世になってしまう。そもそもあんや堅物になれやしないのだが。

郁があまりにひどい顔で短冊とにらめっこしていたからなのか目の前で作業していた小牧が吹いた。

「ブッ…。笠原さん顔すごいよ。一応言っておくけど短冊の提出締め切りまであと10分だから早めにね?」

小牧にそう言われて時計を見るともう既に12時まであと10分だった。

「うわっ!小牧教官ありがとうごいますっ。」

小牧に軽く頭を下げ、小走りで業務部へとむかった。この短冊の企画の担当は柴崎なのでもし遅れたらケーキ1つ位は奪われてしまいそうなのだ。

業務部に着いた途端大急ぎで願い事を書く。筆ペンで気合を入れて書いて柴崎に提出した。

「ふふ。堂上教官もさっき来たわよ」

「えっ?」

「 時間もギリギリだし、自分で短冊さげるように言っておいたからあんたも自分で下げて~」

「なんだそれ!業務部の仕事じゃん!」

「もう時間過ぎてるし?」

さっきは10分前だったもん!と言おうしたが業務部までは小走りできたとはいえ距離があるので時間を過ぎてしまったのはある。時計を見ると締め切りより少し遅れていた。

しぶしぶ笹の木向かうと堂上が脚立を使って上の方短冊を下げようとしているところだった。

「堂上教官、大丈夫ですか?」

郁の声に驚いたのか堂上が脚立から足を踏み外した。脊髄反射で堂上が落ちるであろう場所に郁が向かう。
それはスローモーションのようだった。ふわっと堂上が花のように…いや、そんなに可愛らしくはない。枝が折れたかのようにうつぶせの状態で落ちてきた。

「うわっ!」

郁が悲鳴を上げた瞬間に堂上が郁の上に覆い被さる。と、そのとき。あろうことか郁の胸に直撃してしまったのだ!あまりの衝撃に郁は頭の中が真っ白になり、ガバっと起き上がる。が、それが間違いだった。起き上がると必然的に堂上と顔が至近距離になってしまう。

「きょ・・・きょうかん・・・だ、大丈夫ですか?」

恥ずかしさのあまり郁は耳を真っ赤に染めながら堂上の顔を伺った。
頼むから、そんな可愛い顔をするな!と心の中で叫ぶももちろん郁には全く聞こえない。そして郁の胸に直撃したため心臓の音が大きく聞こえる。

「すまん。。。」

2人で固まっていると後ろからケラケラと笑い声が聞こえる。振り返るとそこには手塚と上戸の世界から復帰しない小牧、そして魔女の微笑みを浮かべる柴崎の姿があった。急いで離れる。

「バッ。。。あんたらいつからそこにいた!?」

いつまでも復帰しない小牧の代わりに手塚が律儀に答える。

「堂上二生と笠原が倒れこんでからこちらに…」

こう真面目に答えられては堂上も反論できず、そうかと受け流した。しばらく妙な沈黙が続き耐え切れなくなった郁が口を開く。

「あっ!教官。短冊にかけましょうよ。」

そうだな、と落ちた短冊を手にとった。
しかし・・・ そこに書いてある願い事は堂上が書いた願い事ではなかった。
堂上の家の中にある短冊には筆ペンで書いたのか大きく

「打倒!堂上教官!」

と書いてある。

「なんだ?これ・・・」

同じく堂上が短冊を拾ったと同時に郁も短冊を拾っていた。そこにはもちろん堂上の字がある。だが、それを郁が気づく前に堂上がすさまじい速さで郁から短冊を奪った。

「きょ、教官!?あたしの短冊返して下さい!」

打倒堂上教官なんて書いたのがばれたら挙骨じゃ済まない!やばい!

「それは俺の短冊だ!間違えて拾ったんだ。悪かった、許せ。」

命令口調で許せと言われても…しかし堂上は郁に短冊を押し付けると耳まで真っ赤にしてそっぽを向いた。

「す・・・すみませんっ!でも、打倒教官って、考えて考えた末に思いついたのが打倒教官なんです!業務を完璧にしようって思うよりも尊敬している上司を越そうと思う方がモチベーションが上がるんです。。」

サラッと今、俺のことを尊敬していると言ったか?いいだけ「ちびで性格の悪いクソ教官」と言われていたのでそれは以外で堂上にとってはとても嬉しかった。

「そうか…」

「はい!そうなんです!・・・・・で、教官はなんて書いたんですか?」

せっかくいいことを聞けたと思ったのに思わぬ爆弾が飛んできた。
郁にだけは絶対にだけは言えない内容だ。

「そっ・・・そんなのきにするな。人の見ても楽しいもんじゃない。休憩はもう終わるから早く掛けるぞ。」

不満そうにする郁を畳み掛け堂上は慎重に高いところに短冊をかけた。



翌日
短冊を片付ける係は業務部が行うことになっている。柴崎はニヤニヤしながら堂上と短冊を探した。2人の字は業務提出の書類なんかで何度も見たことがあるので覚えている。それにあんなに二人で揉め合って顔赤くしているんだからそれなりにわかりやすい内容なのだろう。柴崎が一生懸命に探していると向かえで作業していた別の業務部の同期が口を開いた。

「あれっ。。。これって。。」

彼女の手の中にある短冊の先には「打倒王子様」と見事に堂上の字でで書いてある。

「堂上教官ね」

「あの人、そんなに笠原のこと好きならはやくくっついちゃえばいいのにさあ」

そう言っているともう一つの短冊が柴崎の手に入った。


「打倒堂上教官」


ふふ、二人して同じようなことを。
柴崎はじれったい2人を思って微笑んだ。

その日中に堂上の短冊について特殊部隊中に噂が広まり堂上の短冊について郁の耳に入ることはなかったもの堂上が隊員全員から大いにからかわれたのであった。

しかし、堂上はあの日、脚立から落ちた衝動で郁に急接近できたのが大きな収穫だったためそんなことは痛くも痒くも思っていなかったというおはまた別の話。

上官部下期




***




今日は柴崎の様子がいつもとは少し違った。こんなあからさまに動揺した柴崎は珍しい。というか、今までずっと同室だったのにもかかわらず動揺した柴崎を見るのはこれが初めてなのだ。それほどまでに追い詰められた柴崎って・・・ 心底不安になる。 だが、ここで深刻な顔をしても逆効果だろう。郁は郁なりに考えて軽く尋ねてみることにした。




「柴崎ぃ。なんか変だよー、今日。」




「やだ。疎いあんたに気づかれるなんて。」




「なにそれ、そのイヤミな言い方!!!」




こんな皮肉を言っている柴崎だがやはり様子がおかしい。


なにせ、話しながら眉間にしわがよっているのだ。美人の看板下げるつもりなのか、アンタは。と言いたいところだが病んでいるように見えるのでそこは飲み込む。




「で、なにがあったの?」




「んー?なんでもないわよ。ただちょっとお肌の調子が悪いだけ。」




これは嘘だな、と直感で思った。グググっと柴崎の近くに行って頬を触る。




「ちょ、ちょっとなによ~。お手入れ中なのに!」




「全然お肌ぴちぴちじゃん!うわあ・・・あたしもこんなお肌になりたい・・・」




柴崎の肌にうっとりして自分の肌と比べていると柴崎が笑った。




「って、あんた自分であたしのこと探っといて自分軌道逸らしてどうすんのよ。」




あ、そういえば。と思いだす。 バカかあたしは、柴崎のお悩み解決に役立ちたかったのに美しいお肌に見惚れちゃって。




「まっ、あたしのお肌に惚れるのは仕方がないか。」




「自分で言うなっ!」




今度こそ話をそらしてしまったら元に戻せない。郁は急いで話を戻した。




「柴崎~。ホントになんもないの?」




ココに詰まってたら一日中堂上教官に挙骨されちゃうよ!と言いながらボンっと胸を叩く。




「なにかあったらあんたに言うから。大丈夫よ。」




この友人は自分の悩みを忘れさせてくれる凄い力を持っている。堂上教官に挙骨はあんただけだ、とは言えなかった。そのボケに癒されたから。








柴崎は思う。




笠原が同室でよかった、と。




柴崎の心友は微笑んだ。




「じゃ、スイーツはお肌に悪いからあたしがもらうね?」




「ダメダメぇ。このモンブランはコラーゲン入りなの!」




モンブランにコラーゲン入りなんて聞いたことは無いがお取り寄せしたとかなんとか言っていたので本当なのかもしれない。しぶしぶ柴崎にケーキを返却した。











訓練が終了した後、堂上と官舎へと足を運んでいると郁の目の前を一匹の猫が通った。


「魔女の宅急便」のジジによく似た猫である。赤い紐に小さな鈴をつけ、まあるいお目目をキラキラさせてこちらを見つめるその姿はあまりに可愛かった。




「わぁ。可愛い。」




どちらかと言えば犬好きな郁だったので猫を可愛い、と思ったのはあまりなかったがこの猫は普通の猫と少し違った。




「首輪をつけてるってことは飼いネコか。」




堂上も郁と同じように屈んで猫を見つめる。




「そうかもしれないですね!あれ、教官ってにゃんこ好きですか。」




にゃ、にゃんこ!? 郁の口から『にゃんこ』というワードが登場したのには驚いたが動揺を隠して答える。




「いや、そういうわけでは無いが。この猫は可愛いと思う。」




「ですよね!あたしもそう思ったんです、今!実家で犬を飼っていて。チワワなんですけど。」




郁が犬を飼っているのはなんとなく想像できた。というか、サルだサルだと言われている郁だが犬に似ている面も多々ある。スイーツを目の前にして尻尾をパタパタ振るみたいに喜ぶところとか。




「俺も飼っていたぞ。小さい頃に柴犬を飼っていた。」




へぇ、教官が。教官が犬をかわいがる姿を想像するとあまりのギャップと教官の笑顔の可愛さに頬が緩む。




「なにニヤニヤしてんだ。」




「いや、教官がわんちゃんを可愛がってるのってなんか。。。フフフ」




フフフってなんだ、フフフって。とは言えず取り敢えず別のことを口にした。




「この猫魔女の宅急便に出てくる猫に似てるな。」




「あっ、それもあたし思いました!ジジですよ。黒猫の。このにゃんこちゃんがしゃべりだしたら面白いでしょうね。そういえばこのにゃんこちゃん大人しい。」




そう考えると確かにこの猫は大人しい。ここまで大人しい猫を見たことが無いと言うほどおとなしい。


郁が近くに寄ってから今までずっとオスワリをし、こちらをジっと見つめてくる。可愛いと言うより美人な猫だ。人じゃないので美猫か。




「なんか、柴崎に似てますよね。この雰囲気。」




言われてみればよく似ている。猫に似ているなんて言ったら柴崎に何ていわれるかわかったものではないのだが。そもそも柴崎の雰囲気は猫にそっくりだ。美人で皮肉屋。この猫と違うところは皮肉屋ではなさそうなところか。八方美人の柴崎は多くの男に好かれる。この猫もオス猫に好かれるのだろうか。そんなことを考えた時、一匹の猫が美人猫に近づいてきた。




その猫は美人猫とは対照的に真っ白でスリムな体型をしている。大人しさのかけらもなく、美人猫の隣に来るなりにゃーにゃー鳴いている。まるで早く行こうよと言っているみたいだ。




それに対して美人猫はチラチラ見ながらもその場を動こうとはしなかった。




「この煩い猫はお前にそっくりだな。」




何気なしに言ったつもりだったが郁の気に障ったようで猛反発された。




「酷い、教官!あたしがいつも煩いって言いたいんですか!」




「事実だろう。」




うっ・・・言葉に詰まる。




時計を見るともうここで足を止めてから10分以上も経っていた。猫が名残惜しいが戻らないと館内シフトに間に合わない。




「もう行くぞ。」




「はいっ!」




郁はすっとたって教官の背中を追った。






***