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Chamomile tea

図書館戦争の二次小説を書いています。基本堂郁です。
はじめての方は「はじめに」をご覧ください。(メッセージボードにINDEXのリンク貼ってます。)

もう少しで「堂郁の日」ですね!ということで、10月9日からの10日間!(10.09~10.19)

毎日連続で更新したいと思います。

それぞれによってお話の長さはばらばらです。

更新時間は毎日x10時19分です^^


(緒方さんリクエストしてくださった方! 堂郁期間が終わったらアップします^^)

(10日間はすべて予約投稿です)


恋人期間



***





「ん?お前、香水かなんかつけてんのか?」


そう声をかけてきたのは同期の手塚だ。戦友とも言うべきか。

事務作業をしていたところふと急に隣に居た手塚が何か思い立ったかのように振り向いて言った。


「なんにもつけてないよー。なんで?」

「いや、なんでもない。」

「なんでもないって何よ。」


郁が言い返すと向かいにいた小牧も手塚に同調した。


「今日俺も思った。笠原さん、なんかりんごみたいな香りがするよ?」


りんご・・・?郁の脳内迷路を探索してみるも香水をつけた覚えは無い。

なにかと考えるとふと思いあたるものがあった。


「それって、カミツレのことですか?」

「カミツレって、カモミールのこと?笠原さんが時々くれるお茶の。」

「そうですそうです!」

「ああ、それだ。その香りだ。」


手塚も同じように頷いた。最近、カミツレの柔軟剤を偶然スーパーで発見し、早速購入したのだ。昨日服を洗ったばかりだからかもしれない。自分では気付かなくても案外香りが強いものなのだなあ・・・と実感した。


「多分柔軟剤だと思います!昨日カミツレの柔軟剤見つけて変えたんです!」

「へえ。笠原さんらしいいい香りだと思うよ。」


そう言う小牧の顔は少しばかり悪戯心のある笑みだったが、それに郁は気が付かなかった。





「教官!日報書きました!」


渡された日報を目でざっと追い、チェックをつける。昔は誤字脱字が多く、必ずと言っていいほど書き直しにしていたが今はその回数も減った。


「よし。もうあがっていいぞ。」


それでも郁は日報を書き終えるのが一番遅い。もう特殊部隊室には郁と堂上以外の姿は無い。


「はい!」

「郁」

「なんですか?」

「お前、俺と同じ柔軟剤使ってるだろう」


へ?と郁が硬直したのが目に取れた。郁の顔は同じ表情のまま瞬きすらせずに固まっている。


「郁?」

「な、な、なんでわかったんですか!?」

「そりゃあお前が”カミツレの柔軟剤に変えた”だなんてデカい声で言うもの外に丸聞こえだ。」


郁は子供が隠していたお菓子が見つかったかのような表情をした。その顔があまりに面白くて苦笑する。


「ぐ、偶然なんです!カミツレの柔軟剤買って使ってみたら堂上教官の匂いがして・・・」と、そこまで言ってやっと堂上が肩を揺らして笑っていることに気が付いた。普段こんなに笑っている堂上を見ることが少ないのでじっくり見てしまう。


「なんだ?」

「い、いえ。堂上教官がそんなに笑ってるところあんまり見ないのでちょっと珍しくって。」

「ほう、そうか。で、その柔軟剤の香りはどうだったんだ?」


堂上の顔が悪戯心に溢れた笑みに変わった。付き合ってもうだいぶ経っている。この笑みのあらわすことくらいいくら鈍感な郁でもわかる。


「そりゃあもちろん」


ただ、郁には堂上の微妙な悪戯心を察知する能力が身についたとしてもそれに対応する術を見につけていない。咄嗟に堂上に突っ込まれた。


「もちろん?」


ここはもう、開き直るが勝ちだ!と開き直ることにした。


「はい!もう、とってもいい香りです!!!じゃあ眠いので帰ります!さようなら!」

「お、おい!ちょっと待て。」

と、今にも走り出しそうな郁を堂上が呼び止めた。


開き直られて帰られてしまっては堂上も面白くない。まあ、ただ単に郁の赤い顔を見るのが好きなだけなのだが、それは心の中だけにしまっておくとしよう。


「お前、顔に”早く帰らせてください”って書いてあるぞ。そんなに俺と一緒に居るのが嫌なのか?」


少し悲しげな声で聞くと、郁は形相を変えてぶんぶん首を振った。ちょっとやりすぎたか?と思ったがもう遅い。郁の目には涙がうっすら溜まっている。


「ち、違います!誤解です教官!そんな、あたしが教官と一緒に居たくないわけないじゃないですか!もう、ひと時も離れたくないのに・・・」


ん?ちょっと待った。今しれっと可愛いことを言ったな?俺は聞き逃さなかったぞこの地獄耳で。


「郁・・・そんなことを言ってタダで帰れると思うなよ」


「ひぇ?」


何がなんだか全くわかっていない郁を無視して、堂上は立ち上がりそっと郁を抱きしめた。


「ちょ、まだ業務中ですよ、教官!」

「もういい、勤務時間はとうに過ぎている。」

「でも教官はまだ資料が・・」

「もう終わった。」


「でも」という郁をキスで黙らせた。

郁も嫌がらずそれに応える。


二人の同じ香りに包まれて。





(堂上の部屋で)


「どうじょー。」

「なんだ?」


小牧はちゃっかり毎日のように堂上の部屋にいる。本来なら一人部屋なのだが、ルームメイトのような感じだ。


「今日笠原さんカモミールの香りしたね。」

「そうだな。」


先ほどまでのことを思い出し、表情がゆがむのを必死に堪える。しかし、どうもこの友人にはすべてお見通しのようだ。小牧は「堂上、顔崩れてる」と言って上戸に突入した。


数分たってやっと現実に戻ってきた小牧が口を開いた。


「堂上の香りと一緒だよね。」


小牧のこの一言で堂上は先ほどのキスを思い出し顔が赤くなるのを押さえ切れず、また小牧に爆笑される羽目となったのであった。



***



キャーーーーーーー!書いてるほうが顔が真っ赤になるような文章!

ちょっともう私の妄想内をそのまま書いちゃった♪みたいな感じで申し訳ないです泣

こちらは堂郁の日までの10日間特別アップ限定INDEXです。

2013.10.9~2013.10.19までの10日間、毎日連続でアップします。

投稿日時は10時19分です。(すべて予約投稿)

昼か夜かはそのときによって違います。


リンク先はその日にならないと接続されませんのでご注意ください。

又、リンクは順次追加します。



10月9日(D10)

香りの正体


10月10日(D9)

乾燥の季節


10月11日(D8)

青い郁 1


10月12日(D7)

青い郁 2


10月13日(D6)

青い郁 3


10月14日(D5)

ソトハキケン


10月15日(D4)

暴かれる王子殿


10月16日(D3)

邂逅の再開 1


10月17日(D2)

邂逅の再開2


10月18日(D1)

邂逅の再開3


10月19日 当日!

スカートとズボン

身体能力検査

Miracle movie

こんにちは。お久しぶりです^^

今日は堂上と郁ちゃんが出会ったきっかけ、大切な大切な・・・

「茨城検閲の日」です!

年号から言うと来年ですが記念日ってことで・・・^^


若干オリキャラ登場します。



あ、!なにがあっても10.19(どういくの日)は更新します!!!


ブログの更新についてですが、毎週土日祝日に更新したいと思います。土曜日に更新するか日曜日に更新するかはそのときによって変ります。又、目安なのでよく変ります。


新しいネタを思い浮かんだときは平日に更新したりしますが・・・

基本的には土日ですー!!!





上官部下期



***


今日は久々のカウンター業務だ。入隊当初は苦手としていた館内業務もそれなりにこなせるようになってきた。しかしまだまだ事務作業は苦手だ。返却図書の整理をしていると高校生くらいの女の子が近くに来た。


「すみません、貸し出しお願いします。」


そう言った女の子はよく郁が見かける女の子だった。土曜日の午後になると必ずと言っていいほど現れる。しかしこうして直に声を聞いたことは無かったのでいつも見ている女の子が目の前にいるのは少し嬉しかった。


「はい。じゃあ本をお借りしてもいいですか?」


差し出された本を見ると

”はじまりの国の最後の話”


思わず「あっ」と声を出してしまった。


「どうかしましたか?」


女の子が驚いたような不安なような表情をして尋ねた。


「いえいえ何でもありません。では10月4日から1週間の貸し出しとなりますので・・・って、え?」


10月4日?10日4日って・・・

そうだ。

郁が王子様に助けてもらった、あの運命の日だ。仕事に一杯一杯ですっかり忘れていたことに驚いた。奇遇というものなのか。その助けてもらった日に、あの日と同じ高校生の女の子がこの本を借りに来るというのは。


「・・・なにかありましたか?」


郁が物思いに耽っていると女の子が心配そうな表情で尋ねた。

それもそのはずだ。郁にとっては大切な日だが、女の子にとっては”普段と変らない日常”のうちの一日であり、いつものように”本”を借りに来ただけなのだ。

わかってはいたが、どうしても郁はその本について触れたくて女の子に話題を振った。


「いえ・・・。実はこの本、私の大好きな本でして。この本がきっかけで図書隊に入隊したんです。」


郁がそう言うと女の子は困った表情を見せることも無く笑顔を見せた。


「このシリーズ凄く面白いですよね。最終巻、とっても楽しみなんです。」


「どうしてこんな本がいい本が検閲に」と言いかけて郁は口を噤んだ。図書館は公平な立場の機関だ。利用者に対して偏見的な意見を述べてはならないということは嫌というほど堂上に教え込まれた。しかし、噤んだのが遅かった。女の子は質問を投げかけた。


「この本、検閲されたんですか?」


郁はどう答えようか迷ったが検閲にあったこと自体は話しても問題ないだろうと思い、答えることした。


「はい。ちょうどあたしがあなたくらいの歳のときに地元の書店で検閲に遭ったんです。」


王子様の話をしようと思ったとき、ふと視線を感じた。視線の先を見ると恐ろしい鬼の形相をした堂上が立っていた。

その顔の恐ろしさに”話すな”といわれているような気がしてこれ以上は話すまいと郁はそこで話すのをやめた。


「そうなんですか・・・ 私、この本凄く好きです。検閲は私も一度遭ったことがあります。書店で。どうしても読みたかった本が発売されて、丁度検閲に当たってしまったんです。」


自分と同じ状況を話し始めた女の子に、堂上の存在を忘れて郁は聞き入った。


「でも、」と女の子が次を話そうとしたとき。図書館の入り口のところで「泥棒だ!」という声が上がった。

どれだけ女の子の話に聞き入っていても郁がその声を聞き逃すはずがなかった。女の子に声も掛けずに郁は図書館の入り口に突っ走った。


堂上が走りながら”止め”の合図をしているのが見えるも、郁のほうが短距離であれば早く、又、窃盗犯もそれなりに足が速かった為郁は堂上の合図を無視して図書館の外まで追っかけた。


「止まりなさい!直ちに本を寄越しなさい!」


叫ぶも勿論窃盗犯は止まらない。


どんどん距離を縮めていく。

あと1mほどの距離になったとき、犯人は堪忍したのか足を止めた。

郁はその隙を狙って本を奪い取り、犯人を拘束し、手錠をかけた。


顔を確認しようと顔を見たとき、郁ははっと息を呑んだ。


「・・・内田・・・・どうして・・・・」


犯人は郁の高校時代の同期の男子だった。郁が言葉を失っていると内田はふっと笑った。


「お前、よくやってるな。流石全国優勝した女だ。」


内田は本を窃盗したことはなんでもないことかのように言った。頭にきた郁が拳骨で殴ろうとしかかったとき、


「笠原!」

と、堂上の声がした。


ふっと振り返ると堂上と手塚が居た。


「犯人はこいつで間違いないな。お前は業務に戻れ。館内業務が終わったら速攻で特殊部隊室に戻れ。以上。」


堂上は労いの言葉無しにそそくさといなくなってしまった。そしてあの表情は確実に怒っていた。

何をやらかしたのかわからないまま独りとぼとぼと館内に戻ろうとしたとき、先ほどまで話していた女の子が立っていた。


すっかり女の子のことを忘れていた郁は申し訳ないと頭を下げた。


「ごめんなさい、何も言わずに行ってしまって。」


「とんでもないです。笠原さんっておっしゃるんですね。凄かったです!」


女の子はニコニコして言った。


「本の貸し出し手続きは・・・」


「先ほど済ませましたよ!それより、」


女の子はニコニコした表情から一変して不安げな表情になった。


「笠原さんに怒鳴っていた、少し小さい男の方・・・。」


少し小さい、ということは堂上のことだな、と郁は認識した。


「その方、笠原さんが図書館を出て行った後、ものすごい剣幕で”笠原行くな!”って怒っていました。笠原さんは外に出てしまったので気付かれなかったと思うのですが図書館中に響き渡っていました」


女の子の言葉を聞いて鳥肌がたった。堂上は郁が窃盗犯を追いかけたことに怒っているのだ。しかし何故追いかけたことがそんなに怒られなくてはならないのかわけがわからない。確かにやめという堂上の指示は破ったものの、結果は成功なのだからそこまで怒られる理由がないのだ。


「怒っている理由がなんとなくわかってよかったよ。 ごめんね、いろいろと。はじまりの国のさいごの話、読み終わったら感想教えてね!」


郁が笑顔に言うと安心したのか女の子も笑顔になり、一礼して帰路についたようだった。



館内業務が終わり、特殊部隊室にはいると早くも堂上が仏頂面で待っていた。


「笠原こっちに来い。」


外に出され、ドアを閉めたとたんに拳骨を食らわされた。


「いった!ちゃんと捕まえたじゃないですか!なんで拳骨!?」


「アホか貴様!お前俺の指示を無視しただろうが!」


「結果オーライじゃないですか。なんでそんなに怒られなきゃいけないのかさっぱりわかりません!」


郁がそう言うと堂上は言葉に詰まった。数秒たってからしぶしぶ口を開き始めた。


「あのな・・・あの利用者が窃盗するのは二回目なんだ。そのときは小牧と俺がペアだったんだがな。事情聴取をしたら妙に”笠原が”というのが多かったんだ。だから”笠原”が何なのか問い詰めた結果、お前が特殊部隊だということを知って、自分が盗めばお前が駆けつけてくれると思ったらしいんだ。」


堂上はそこまで言うと大きくため息をついた。


「しっかり俺の指示に従えアホウ。」


郁が返事を返す前に堂上は特殊部隊室へと入っていった。独りになった郁は状況が読めずにぼうっとしていた。


要するに、内田は郁目当てで窃盗をしたということなのだろうか。


わけがわからず、特殊部隊室にいくも戻って尋ねた。


「なんで内田はあたしなんかが駆けつけるからって本を窃盗したんですかね?」


「そりゃ、笠原さんのことが 『スキ』 なんでしょ?」


小牧は笑いながら言った。


その直後堂上の眉間の皺が深まったのに郁は気付かず、郁も同じように眉間の皺を深めた。


「お前は隙が多すぎるんだ。周りの視線をもっと感ずれ。」


堂上はそう言い放って書類に没頭し始めた。




日報を書き終えた郁は今日の女の子の話を思い出した。

「あ、そういえば。 今日、王子様に助けてもらった日なんですよー!それで、今日、女の子が”はじまりの国の・・・」


「知ってるからとっとと帰れアホウ!」


「なんで堂上、王子様に助けてもらった日しってるの?」


小牧がニヤニヤした顔で尋ねた。


堂上はもうどうすることもできず、「とにかく帰れ、王子様云々は聞きたくない!」とだけ言い、郁の頭に「?」だけを残し、郁は寮に戻った。



おまけ。


寮に帰った郁は堂上の不可解な一日の行動を柴崎に話すと柴崎は大爆笑した。


「やだー!王子様の嫉妬だなんて物語とちょっとちがーう!」


柴崎も不可解な言葉を言い、郁の頭にはハテナマークが増えただけだった。




***



ちょっと意味わかんなくなっちゃいましたー!ごめんなさい!

また明日または来週更新します。