太陽のように高く、そして、優しく -27ページ目

太陽のように高く、そして、優しく

小説書いてます。読んでばっかりで書いたことは無いですが、頑張ってます!! 下手ですが、よかったら読んでってください。

 ひとみを残して、私は駆け足で帰った。坂道を下りたから、自然と全速力に近いスピードになる。


 このまま力尽きるまで駆け抜けたかったけど、踏切でひっかかってしまった。


 息を整えて、ふっと前を見ると、雲の隙間から大きなオレンジ色の夕陽が現れた。

 

 どうして見る気分じゃないのに出てくるのかな・・・。


 そんなことを考えてたら、遮断機が上がって、バテるまで走って帰ることにした。




 家に着いた。


 いつもならリビングに寄ってから自分の部屋に行くけど、今日は直接自分の部屋に行った。


 とてもじゃないけど、母の顔なんて見れない。


 クラスメートにいじめられたなんて知ったら、家族はどんな反応をするのだろう。


 そんなの見当がついている。怒って学校に連絡するに決まってる。


 それだけは避けたい。ひとみのためにも。


 あんまり閉じこもっていると、母に怪しまれる。そう思って、部屋を出た。


 

 リビングに行くと母は、いつものように夕飯の準備をしていた。


 「お姉ちゃん、お帰り。どうしたの、いきなり部屋に行くなんて。」


 荷物が重かったから、先に置いてきた。


 前に何度かしたことがあるから、特に疑ったりしなかった。


 なんとかやり過ごせたと思った瞬間、母が驚いた顔で尋ねた。


 「その顔どうしたの!?唇の端、切ってるわよ!」


 私は思い出したようにその傷口を右手の親指で隠した。


 触った瞬間、ピリッと痛みがして、思わず顔をしかめてしまった。


 母は消毒液を持ってきて、手当てをしてくれた。


 「どうやったら、そんな所にそんな傷作れるの?」


 殴られたなんて言えない。


 外で転んだ

 その時に、たまたま石がここに当たった


 苦し紛れについた嘘だが、母は、もうこんな所に傷作らないでよね、と言って、再び夕飯の支度に戻った。


 母が天然気味なことに、普段はイライラしてたけど、今日はそれでよかったと思った。



 それから、誰とも会話しない生活が始まった。