それからの生活。
誰とも話さなくなった。
そうして思った。
私の学校生活が普通だったけど楽しかったのは、全部ひとみのおかげだった。
時々ひとみは心配してか私のほうを見てくれるけど、私は目が合う寸々でそらす。
その目線が向く先は、大好きな作家さんの本だ。
最近、本ばかり読んでいる。
本を読んでいる時だけは、何もかも忘れられた。
本の中での私は、笑顔で楽しく生きていた。
音楽もたくさん聴くようになった。
仕事の参考にする・・・っていうのは建前で、本音は誰にも話しかけられたくなかったからだ。
何度聴いてもロックだけは慣れなかったけど、ラップやクラシックは聴くようになった。
と言っても、クラシックは長くて聴いていると眠たくなるから、仕事の時しか聴かない。
でも、学校でいる時は夢人の曲は聞かなかった。
出来れば家でも聞きたくないけど、聞かないと仕事にならない。
聞けば聞くほど、ひとみとみなみを思い出して、ただ辛い思いしか残らなかった。
そんな中でも、時間はどんどん流れていく。
文化祭は、何をするわけでもなく過ごした。
クラスは劇を発表したけど、私はいてもいなくても大丈夫な役割だったから、サボった。
何も期待してなかったから、楽しかったとか退屈だったとかいう感想は何もない。
期末テストも終えた。
普段通りの満足のいく点数が取れた。
三者懇談もあったけど、進路のことを話し合って終わった。
生活面で何か言われるかもしれない、と少し怖かったけど、クラスには私以上に問題児が何人もいるから、大人しくしていた私のことなんて、担任の視界には入っていないだろう。
ひとみとの関係も、みなみ達との関係も変わらないまま、夏休みを迎えた。
今だから思う。
この夏は、一生忘れられない夏だ。