はじめに
みなさん、こんにちは。すっかりゴーストハントにとらわれた本野鳥子です。いや、もうこれを読み終わるまでは何も手につきません。1巻はこちらからご覧ください。ということで、今回も「ゴーストハント」シリーズです。第3巻、「乙女ノ祈リ」。さて、今回は一体何が起こっているのでしょうか?
「ゴーストハント 3 乙女ノ祈リ」小野不由美(メディアファクトリー)
今回舞い込んできた依頼は、歴史のある女子校で頻繁に起こるようになった怪異現象について。湯浅高校の生徒や教員たちに、次々と恐怖が襲いかかる。その原因を突き止めるため、今回も渋谷サイキックリサーチの面々と、おなじみ綾子にぼーさん、そして真沙子、ジョンが奔走する。
相変わらずナルが冴えていた。するする解けていく様子に、読むのを止められるわけがない。主人公の麻衣とナルはどうなるのかも気になるところで、物語の進みが気になって仕方がなかった。
文庫化を待たずに借りてきた罪悪感が多少あったのだが、それも今では綺麗に払拭されている。こんなに面白い作品を、何ヶ月も待てるわけがない。出会ったら最後、一気読み不可避である。本当に、完結している作品で良かった。今では、借りてきた自分を褒めたいくらいの心境である。
でも、もし私がこの作品の作者を知らずに読んでいたら、絶対荻原規子さんだと思い込んでしまうだろう。いい悪いではなく、単に本当に荻原規子さんの作品世界と被るのである。日本の呪術を根底としているだけでなく、地の文の文体や、登場人物のキャラクターなど、一度意識してしまうと共通項が見えてきて仕方がない。むろん面白さが損なわれるわけではなく、むしろかけ算で増えているということだ。それほどまでに呪術や超能力を扱った作品というのは、魅力にあふれている。
それにしても、主人公の麻衣の図太さは圧巻だ。私だったら1巻でリタイアである。本で読むならばともかく、実際に怪異にあってしまうと、渋谷サイキックリサーチのバイトなど続けられるものではあるまい。彼女は、何に遭遇しても、芯の強さがあって、一見ごく普通に見える彼女も、よくよく考えてみるとそのように前向きなのだと思った。ところで彼女の高校はどうなっているのか、どこかに書いてあっただろうか。見落としたような気がする。
例のごとく時間が惜しいので、短いがここまでにしたいと思う。
おわりに
というわけで、今回も早々と。次回も「ゴーストハント」シリーズ第4巻です。お楽しみに。それではまたお会いしましょう。最後までご覧くださり、ありがとうございました!