こちら↑の記事に引き続いて、2024年ニュージーランド児童及びYA図書賞のショートリストをご紹介します。
今年のYA小説賞のショートリストは以下の通りです。
Catch a Falling Star
by Eileen Merriman
ミュージカル大好きな15歳のジェイミー・オレンジは学校ミュージカルの「シュレック」でロバのドンキーの役になった。親友の彼女で内心片思い中のフランセスカ(フランキー)の役はヒロインのフィオナ姫。舞台の上でフランキーの相手役になることはできなくても、彼女の心を勝ち取る挑戦をすることはできる。
学校ミュージカルを題材にした青春小説で、2018年にこの部門で最終候補作品になった白血病のティーンのラブストーリー「Catch Me When You Fall」(未訳)と一部登場人物が共通した前日譚(主人公は違う)のようです。ニュージーランドのYA作家エイリーン・メリマン(Eileen Merriman)の作品。この本は日本Amazonにありません。出版社の紹介ページを貼っておきます。
New Dawning (The Edge of Light #1)
by A.M. Dixon
メレルとレンは未来世界の海の真ん中にある島リトルトンで暮らす少年少女。気候変動を生き延びて数世代経ったこの共同体は厳格な管理社会になっている。影に覆われた世界を探索するうち、ふたりの立場は危うくなっていく。
未来のニュージーランドっぽい世界を舞台にしたディストピア小説のようです。3部作の1作目。ニュージーランドの新人作家A.M.ディクソン(A.M. Dixon)のデビュー作品。
The Sparrow
by Tessa Duder
1840年の9月。新たな入植地オークランドを創設するため、2隻の船がワイテマタ港にやってきた。入植者たちが働く中、ひとりで旅する少年ハリーはイングランドの家族のもとへ帰ると心に決めていた。
でもその前に差し当たってしなければならないのは食べものと暮らす場所を見つけること。そして自分の本当の身の上と、ヴァン・ディーメンズ・ランド(※現タスマニア)に残してきたものに関する真実を隠しておくことだ。
ニュージーランドのYA作家テッサ・デューダー(Tessa Duder)の歴史小説。この本も日本Amazonにはありません。出版社の紹介ページを貼っておきます。
Tonight, I Burn (Thorn Witch #1)
by Katharine J. Adams
茨、潮、熾火、嵐、鉱石。5つの魔女団はハルシュタットの獄吏に使役されている。ペニー・アルブライトは茨魔女団の娘で、生の国と死の国の間の幕を見張る役目を担わされている。毎夜茨の魔女のうちのひとりが火刑にされ、そして毎朝その魔法によって生き返る。これをしくじれば生と死の間の幕と、魔女団全員を危険にさらすことになる。
だがある朝、ペニーの大好きな姉妹エラが戻ってこなかった。そしてその夜、エラを探すためにペニーは掟を破ることにした。秘密裏に焼かれた彼女は、生も死も見た目通りのものではないと知ることになる。
ニュージーランドの新人ゴシックファンタジー作家キャサリン・J・アダムズ(Katharine J. Adams)のデビュー作品。シリーズ1作目。
Tsunami
by Ned Wenlock
学校では、正しくあることがいつも正しい選択というわけじゃない。頑固なほどに真実にこだわるピーターのふるまいは、すでに彼をいじめっ子のターゲットにしてしまっている。はみ出し者の転校生の女子は強くてかっこいいけれど、ピーターの宿敵ガスに気があるようだ。両親は忙しすぎてあらゆることについて口論をしている。
なにもかもピーターにはいっぱいいっぱいだ。まるでツナミがやってくるというのに、それを止める方法がわからないみたい。
ニュージーランドのアニメーターでイラストレーター・ネッド・ウェンロック(Ned Wenlock)によるグラフィックノベルデビュー作品。この本も日本Amazonにありません。一部試し読みができるページを貼っておきます。可愛いけどなんか怖い。
以上です。ほかの部門についてはまた後日。