2023 Nebula Awards【SFWA】
https://nebulas.sfwa.org/award-year/2023/

 

 

2023年 アンドレ・ノートン・ネビュラ賞(Andre Norton Nebula Award for Middle Grade and Young Adult Fiction)が発表されました。

これは青少年のためのSF&ファンタジー作品を書き続け、2005年に亡くなったアメリカの作家アンドレ・ノートンの名をとって創設された、YA世代のためのSF&ファンタジーの文学賞。
過去2年間に発表されたYA向けファンタジー、SF作品が対象。SFWA(アメリカSFファンタジー協会)所属の作家、批評家たちによって選ばれます。


最終候補発表(10作前後/2月ごろ)→受賞作品発表(1作/5~6月)のスケジュールです。

今年の受賞作品はこちらです。


To Shape a Dragon’s Breath (Nampeshiweist #1)
by Moniquill Blackgoose


長年ドラゴンが目撃されていなかった離島マスカポウグ島で、15歳の少女アネクスがその卵を見つけ、孵化したドラゴンに刷り込みで親と認識された。住民がドラゴンと共存していた頃の物語を知っている島の人々は喜んだ。彼らにとってアネクスは尊敬すべきナンペシウェイスト(ドラゴンと絆を結ぶ者)だ。
でもあいにくなことに、島の支配層「アングリッシュ」の人々には別の考えがあった。彼らはドラゴンがどう育成されるべきか、誰に育成されるべきかについてきわめて独特の考えを持っていて、アネクスはその条件を何も満たしていなかった。彼らは大いに渋りながらアネクスが本土のアングリッシュのためのドラゴンの学校に入学することを許した。もし彼女がそこで成功できなければ、ドラゴンは殺されてしまう。

17世紀にワンパノアグ族を率いていた酋長マサソイト(ピルグリム・ファーザーズを救ったエピソードで有名な方です)の血をひくワンパノアグ族の新人YA作家モニクィル・ブラックグース(Moniquill Blackgoose)のデビュー作品。シリーズ1作目。
現在2024年ロードスター賞最終候補作品。

 

 

 

この本と賞を争った今年の最終候補作品は以下の通りです。



The Inn at the Amethyst Lantern
by J. Dianne Dotson


破局的な気候変動からずっと後の時代。理想郷のような未来は、掘り起こされた私たちの時代の悪に直面した。夜の街グリマーバイトに暮らすゲン・ライトワースとその友人たちは過去が繰り返されるのを阻止しなければならない。持てる機知と才能、そして少しの魔法を駆使して。

アメリカのSF、ファンタジー、ホラー作家J・ディアン・ドットソン(J. Dianne Dotson)の作品。

 

 



Liberty’s Daughter
by Naomi Kritzer 


16歳の少女ベック・ギャリソンはシーステッド(海上住居)の上で暮らしている。リバタリアンの分離主義者たちが何世代も前に、いくつもの古いクルーズ船に乗降場を組み合わせて作った六つの人工島による独立国だ。
快適に保護されて成長したベックも、小遣い稼ぎに奇妙な仕事をはじめることに。借金を背負った奴隷のデビーが行方不明の妹を探すために雇える金額の探偵はベックだけだった。捜査をはじめたベックは、恐ろしい計画や、自分の人生と世界に関して父が隠している秘密にたどり着いてしまう。

アメリカのSF&ファンタジー作家ナオミ・クリッツァー(Naomi Kritzer)のYA作品。

 

 



The Ghost Job
by Greg van Eekhout 


ゼニスとその仲間たちは死んではいるかもしれないが、幸運なことに幽霊になれた。4人は自分たちをあの世へ送り込んだラボでの不運な事故のずっと前から親友同士。だから生者の土地へ自分たちを送り返せる機械があると聞いたとき、彼らはそれを盗み出すと決めた。
しかし残念ながら、魔法の機械は彼ら4人のエクトプラズムを求める危険な死霊使いの持ち物だ。幸運なのは、4人は凄腕の泥棒だということ。

オランダ系インドネシア人の両親を持つアメリカのSF&ファンタジー作家グレッグ・ヴァン・エークハウト(Greg Van Eekhout)の作品。