2023 Bram Stoker Awards Ceremony【YouTube】
https://www.youtube.com/watch?v=GAU4i0Rsnrw
 

2023年 ブラム・ストーカー賞が発表されました。

ブラム・ストーカー賞は、前年に発表された、英語で書かれたすぐれたホラー、ダークファンタジー作品に贈られる賞。前年の翻訳作品も対象になります
「ドラキュラ」の作者ブラム・ストーカーの名を取って創設され、アメリカのホラー作家協会(Horror Writers Association)によって毎年選ばれます。

最終候補作品(Final Ballot)発表(各部門5作品程度/2月ごろ)→受賞作品発表(各部門1~2作/5月ごろ)のスケジュールです。
Final Ballotの前、1月ごろに、最終候補作品を選ぶ投票のための予選作品(※ノミネートや候補という扱いではない)リストPreliminary Ballotが発表されます。

長編部門、処女作部門、詩集部門、グラフィックノベル(漫画)など色々部門のある賞ですが、このブログではYA部門(Superior Achievement in a Young Adult Novel)と、今年から新設されたミドルグレード部門(Middle Grade Novel)のみのご紹介となりますので、全部門については上の動画をご参照ください。


ではまず児童書部門から。

今年の児童書部門受賞作品はこちらです。

 

(動画はこちら)

 

 

The Nighthouse Keeper (Blight Harbor #2)
by Lora Senf


エヴィーはアメリカで7番目に幽霊が多い町ブライトハーバーで超自然現象専門家のデズデモーナ叔母さんと一緒に暮らしている。デズデモーナはたったひとつを除いてうるさいことは言わない。「町はずれの屠殺場の廃墟にだけは入っちゃダメ」。
でもその建物にはいった叔母さんが失踪し、彼女の行方を探しはじめたエヴィーは、屠殺場でクラッキティーという怪物に出会った。クラッキティーはブライトハーバーをうろつく100年前の殺人鬼ジョン・ジェフリー・ポープの幽霊と引き換えに叔母さんの捜索に協力してくれると言う。

アメリカの児童書作家ローラ・センフ(Lora Senf)のシリーズ2作目(上のあらすじは1作目のものです)。

 

 



この本と賞を争った今年の最終候補作品は以下の通りです。

 

 

 

Monster Camp
by Sarah Henning


差し歯の牙とウォータープルーフのアイライナーで描かれたウィドウズ・ピーク(※ヴァンパイアキャラに多くみられる富士額の生え際)のシルヴィはヴァンパイアに扮する達人だ。LARP(※ライブアクション・ロールプレイング/参加者がキャラのコスプレをして生身で行うロールプレイング・ゲーム)が大好きで、学校のホラーLARPクラブに所属している。
その夏、シルヴィは趣味を理解してくれない父さんに嘘をついて、モンスターがテーマのLARPイベント「モンスター・キャンプ」に参加した。参加者はみなハリウッド映画みたいなクオリティ。でも途中で、シルヴィは彼らがゲーマーではなく本物のモンスターたちだと気がついた。

アメリカの児童書&YA作家サラ・ヘニング(Sarah Henning)の作品。

 

 

 

 

Los Monstruos: Felice and the Wailing Woman
by Diana López


幼い頃に川で溺れていたところを拾われてクレムおじさんに育てられた12歳のフェリスは、自分が実は泣き女(ラ・ヨローナ/ラテンアメリカの妖怪)の娘だと知って、魔法の都市トレス・レチェに旅立った。母さんはそこの川に出没するという。
魔法都市の変わり者の市長に案内され、フェリスはメキシコ−アメリカ国境の最も有名な伝説の妖怪になってしまった母さんの心を癒すのだと決めた。そして住人たちが何世代にもわたって悩まされている呪いからトレス・レチェを解放すると。

アメリカの児童書作家ダイアナ・ロペス(Diana López)の作品。

 

 

 

 

Frances and the Werewolves of the Black Forest (Frances and the Monsters series #2)
by Refe Tuma


実験に失敗して町を丸ごと破壊しかけた天才児の発明家少女フランシスは権威ある学会に招かれた。名誉挽回のチャンスだ。
でもそこへ行く途中で列車が乗っ取られ、フランシスと友だちのルカは黒森へ逃げ込むことに。
みなしごたちの団体に保護された彼らは、この森での掟を学ぶ。ひとりで出歩かないこと。音を立てないこと。なぜなら影の中に何かが潜んでいるから。光る目と鋭い歯を持つ何かが。

アメリカの児童書作家レフェ・トゥーマ(Refe Tuma)によるヒストリカルファンタジー。シリーズ2作目。

 

 



What Stays Buried
by Suzanne Young


12歳のカリスタ・ウィンは死者と話をする能力を持っているが、彼女の一族はみんな13歳の誕生日にその能力を失うことになっている。父さんともおばあちゃんとももう話ができなくなってしまう。その日まであと数週間となったとき、町の子どもたちが次々に姿を消しはじめた。
カリスタの前には、カリスタの叔母さんのヴァージニアを13歳のときに殺した殺人者で今もウィン一族を呪っているエドウィナ・スウィフトの霊が現れた。子どもたちの失踪の原因はこの幽霊だ。彼女を止められるのはカリスタしかいない。

アメリカのYA&児童書作家スザンヌ・ヤング(Suzanne Young)の作品。