地雷グリコ/青崎有吾/KADOKAWA

 

今話題のミステリ作品を読んでみました。面白かった!
グリコ、じゃんけん、ボウズめくり、だるまさんがころんだなどのみんなが知ってるゲームのスーパーアップデート版で対決する高校生たちの話。
ある時は文化祭の場所取りを賭けて、ある時は行きつけの喫茶店の出禁解除を賭けて、ある時は億単位のお金を賭けて――。駆け引きも心理戦もイカサマもルールの穴をつくのも勝負のうち。

見た目はゆるふわギャル・中身は天才のヒロイン・射守矢ちゃんがこれらのゲームをどう勝つかがミステリとしての読みどころです。
「そう勝つか!?」、「それ、読んでたの!?」、「あー、そういうのありだったんか!」と読者の裏をかくビックリの連続でとても楽しい。

射守矢ちゃんもですが、勝負に参戦する高校生たちがみんな頭良すぎて感心します。観戦してるだけの鉱田ちゃん(射守矢の親友)とか審判の子ですらめちゃくちゃ頭いいよねこれ。私なら説明されても一発でルール理解できないから観戦してても途中で何が何だかわからなくなるし、審判するのも絶対無理です。隅から隅まで頭良い人しか出てこないからこそ成り立つ物語…


登場キャラはかなりデフォルメされてて「少年ジャンプの脇役にこういうのいるよね」みたいなのが多く、これが現実味のない設定とマッチしてます。キャラがこのテイストなので、設定の現実離れ感が気にならない。コミカライズしても面白そうです(作画は小畑健がいいな)。

物語の着地点になっているヒロインを含めた女子3人の物語は少々百合風味なので、そういうの好きな人にも刺さるかもしれません。