MWA Announces the 2024 Edgar Award Winners【MWA】
https://mysterywriters.org/mwa-announces-the-2024-edgar-award-winners/

 

2024年 MWA賞(エドガー賞)が発表されました。

エドガー賞はアメリカ探偵作家クラブ(MWA)がエドガー・アラン・ポーの名前をとって創設したミステリ専門の文学賞。
前年1月から12月までのあいだにアメリカ国内で発表された作品が対象となり、翻訳作品も審査対象です。

ノミネート作品発表(1月)→受賞作品発表(4~5月ごろ)のスケジュールです。
一般書、新人賞、児童文学部門、ヤングアダルト部門、などいろいろあります。

(このブログではYA部門と児童書門のみの紹介となりますので、全部門のノミネート作品については上のリンク先などをご参照ください)


今年の児童書部門の受賞作品はこちらです。



The Ghosts of Rancho Espanto
by Adrianna Cuevas


ラファはどんどん厳しくなっていく父さんと存在感がなくなっていく母さんに対応するより大好きなRPGの世界で生活したい。でもゲームの世界を具現化しようとして仲間たちと一緒に学校のカフェテリアの自販機を盗んだことで、ラファは父さんから予想もしなかった罰を与えられた。友だちからも母さんの料理からも遠く離れたニューメキシコの大農場で1ヶ月働かされることになったのだ。
新しい友だちのジェニーや見た目ほど気難し屋じゃない農場主のマーカスとの生活は意外と悪くなかったが、やがてこの農場が呪われていると信じる緑のセーターの奇妙な男が現れるようになった。ラファとジェニーは農場での奇妙な出来事の裏に何があるのかを調べはじめる。

キューバ系アメリカ人の児童書作家アドリアナ・クエヴァス(Adrianna Cuevas)によるファンタジーミステリ。

 

 

 

 

この本と賞を争った今年のノミネート作品は以下の通りです。



Myrtle, Means, and Opportunity (Myrtle Hardcastle Mysteries #5)
by Elizabeth C. Bunce


家庭教師の女性がスコットランドの島の土地を相続することになって、素人探偵マートル・ハードキャッスルはこの上なく喜んでいた。しかしあいにく相続した城はボロボロで、しかも幽霊が出た。壁の中からは亡霊のようなうめき声が響いていたし、失われた呪いのブローチの噂もあった。その古い銀のブローチは、先代の館の主人の命を奪ったともいう。でも彼を殺そうという動機と意味と意志を持っていたのはいったい誰だろう。

アメリカの児童書作家エリザベス・C・バンス(Elizabeth C. Bunce)によるお嬢様の素人探偵マートル・ハードキャッスルを主人公にした児童書ミステリシリーズの5巻目。
2023年アガサ賞児童書部門ノミネート作品。

 


 

 

 

Epic Ellisons: Cosmos Camp
by Lamar Giles


エリソン家のウィキとリーンは双子の姉妹にして天才児。これまで一度も離れ離れになったことはなかったが、この夏はリーンがSTEM天才児のための合宿「コスモス・キャンプ」に行くことになり、ウィキは内心ひとりで過ごすのを楽しみにしていた。しかしキャンプの主催者が失踪し、ふたりはその主催者の発明品が暴走する前に謎を解くことに。

アメリカのYA作家ラマー・ジャイルズ(Lamar Giles)による児童書ミステリ。

 

 

 

 

The Jules Verne Prophecy
by Larry Schwarz, Iva-Marie Palmer


オーウェン・ゴドフィはパリで空想科学小説家ジュール・ヴェルヌについて調べながら夏休みを過ごしていた。新しいふたりの友だちと一緒に古書店でヴェルヌの短編集を見つけた彼は、その中に書かれていた暗号に興味を惹かれた。ひとつの手がかりは次の手がかりへ。3人は深い地下墓地からエッフェル塔のてっぺんまで、スケボー、船、車、気球まで使って、街中を舞台にした宝探しへ。

現代版グーニーズのような冒険ミステリ小説だそうです。「マッハGoGoGo」のアメリカリメイク版シリーズ「Speed Racer: The Next Generation」などを手がけたアニメーション脚本家で児童書作家のラリー・シュワルツ(Larry Schwarz)&アメリカの児童書作家イヴァ=マリー・パーマー(Iva-Marie Palmer)の共著。

 

 

 

 

What Happened to Rachel Riley?
by Claire Swinarski


アンナ・ハントはイースト中学校に来たばかりの転校生だが、すでに8年生の自分のクラスは何かがおかしいと断言できた。昨年までは学校トップクラスの人気女子だったレイチェル・ライリーが今はぼっちになっていて、でもレイチェル本人を含め誰一人としてそれがどうしてなのかをアンナに教えようとしない。
ポッドキャスト大好きのアンナは、ものごとには目に見える以上のストーリーがあるものだと知っている。だから真実をつきとめてポッドキャスト番組を作ると決めた。
8年生の全員からの抵抗に遭いながら手がかりをたどっていくうちに、謎は広がり、物語はより複雑になっていく。

#Metooテーマの入ったミドルグレード版「バーナデットをさがせ!」のような作品だそうです。アメリカの一般書&児童書作家クレア・スウィナルスキー(Claire Swinarski)の作品。