MALICE DOMESTIC AGATHA AWARD WINNERS 2024
https://mysteryreadersinc.blogspot.com/2024/04/malice-domestic-agatha-award-winners.html

 

 

2023年 アガサ賞が発表されたようです。

「ようです」というのは、アガサ賞の公式ページが消えちゃってて見れない(※この賞の公式ページはしばしば消えては復活します)状態で、発表と授賞式は27日に行われているようなのに公式による公式発表がネット上にいまだに存在しないからです。

ので、アメリカのミステリ情報サイトMystery Readers Journalの編集者ジャネット・ルドルフのブログを貼っておきます。ミステリライターがこんなことで嘘つかないだろうしこれが受賞作品で合ってるはずと思いますが、この人が嘘ついてたらすみません。


アガサ賞はミステリ専門の文学賞。前年1月1日~12月31日までにアメリカで出版された、存命の作家によるミステリ作品が対象です。
アガサ・クリスティの作品に代表されるような「伝統的ミステリ作品」を選ぶ賞で、セックス描写、血みどろや残虐描写、暴力描写、が過度に含まれた作品は対象外となります。

ノミネート作品発表(各部門5作/2月ごろ)→受賞作品発表(1作/5月ごろ)のスケジュールです。

長編賞、短編賞、新人賞、ノンフィクションと多くの部門がありますが、このブログとしては児童書・YA部門のみの紹介となります。全部門のノミネート作品についてはいちばん上のリンク先などをご参照ください。


今年の児童書/YA部門受賞作品はこちらのようです。


The Sasquatch of Hawthorne Elementary
by K.B. Jackson


未確認生物ビッグフットの探索が趣味の12歳の少年ジェイク・ネルソンは、シングルマザーで元ディズニープリンセスの母さんと一緒に、フロリダからおじいちゃんの住むワシントン州の家に引っ越してきた。新しい学校ホーソーン小学校になじむのは同い年の中では小柄なジェイクには大変そうだ。ことに初日に人気者の男子を敵に回してしまったとあっては。
でもビッグフット好きという趣味のおかげで人気者のジャスミン、賢い下級生のラニーという友だちができた。3人は「ビッグフット探索会社」を立ち上げる。

ビッグフットを探す少年少女の友情と冒険を描く児童書シリーズの1作目。あらすじに唐突に挟まってる「元ディズニープリンセス」の意味がまったくわからないのですが、お母さん女優か声優なのかな?
アメリカのミステリ作家ケイト・B・ジャクソン(Kate B. Jackson)の児童書作品。

 

 

 

 

 

この本と賞を争った今年のノミネート作品は以下の通りです。


Myrtle, Means, and Opportunity (Myrtle Hardcastle Mysteries #5)
by Elizabeth C. Bunce


家庭教師の女性がスコットランドの島の土地を相続することになって、素人探偵マートル・ハードキャッスルはこの上なく喜んでいた。しかしあいにく相続した城はボロボロで、しかも幽霊が出た。壁の中からは亡霊のようなうめき声が響いていたし、失われた呪いのブローチの噂もあった。その古い銀のブローチは、先代の館の主人の命を奪ったともいう。でも彼を殺そうという動機と意味と意志を持っていたのはいったい誰だろう。

アメリカの児童書作家エリザベス・C・バンス(Elizabeth C. Bunce)によるお嬢様の素人探偵マートル・ハードキャッスルを主人公にした児童書ミステリシリーズの5巻目。
現在2024年エドガー賞児童書部門ノミネート作品。

 

 

 

 

Araña/Spider-Man 2099: Dark Tomorrow
by Alex Segura


「アラニャ」は「クモ」という意味であり、アーニャ・コラゾンの又の名でもある。アーニャはごく普通の悩みを抱えたごく普通のブルックリンのティーンだったのだが、数ヶ月前にクモに似た信じられないような特殊能力を手に入れてしまった。その力を善のために使うように導いてくれた師匠がいたが、彼は亡くなった。母さんと同じように。
大都市ヌエヴァヨークは2099年のニューヨークの姿。アーニャは時を超えてこの未来の街へ来てしまった。この時代のスパイダーマンは億万長者の企業経営者ミゲル・オハラ。彼がアーニャが元の時代に戻るための唯一の希望だ。ところが彼らの前に邪悪な敵が現れて…

アメコミ大手マーベル社が出版したYA向け「スパイダーマン」公式小説。ピーターでもマイルスでもないスパイダーパワー持ちのラテン系ティーン女子スーパーヒーロー「アラニャ(Araña)」が主人公のようです。アガサ賞ってこういうのも候補になるんですね。
アメリカのミステリ作家で、マーベルコミック「Edge Of Spider-Verse」(2023年版/未訳)などを手がけるコミックライターでもあるアレックス・セグラ(Alex Segura)の作品。

マーベルコミック詳しくないのでよくわかりませんが、これ著者のセグラがライターとして参加してるコミックの「Edge Of Spider-Verse」(2023年版)と同設定の小説なのかな?(そっちにもアラニャが登場するようです)

 

 

 

 

Enola Holmes and the Mark of the Mongoose (Enola Holmes #9)
by Nancy Springer


1890年の5月、エノーラ・ホームズはついに完全に自立し、2人の兄シャーロックとマイクロフトの陰に隠れなくてすむようになり、授業に出席しながらたまに科学的失せ物探し業の選りすぐった仕事を続けられるようになった。
ある日、イギリスの作家たちと最新作の契約を結ぶためにロンドンにやってきたアメリカの出版社代表ウォルコット・バラスティア氏が失踪し、彼の親友ラドヤード・キプリングが捜索の依頼のためエノーラの事務所に駆け込んできた。彼は若い女性に依頼するのが嫌でシャーロックの方へ行ってしまったが、エノーラは負けず嫌いだ。特に兄が相手だと。

ミリー・ボビー・ブラウン主演のネトフリ映画化も好評なナンシー・スプリンガーによるシャーロック・ホームズの妹エノーラを主人公にしたYAミステリ「エノーラ・ホームズの事件簿」シリーズの9作目。
シリーズの最初の5冊は小学館から邦訳が出ていました(現在は品切重版未定で入手困難)。

 

 

 

 

The Mystery of the Radcliffe Riddle
by Taryn Souders


トレーラーハウスで暮らすグラディと父さんは、町の変わり者だったユードラ・クリンチが亡くなったときに、自分たちに何かを遺したのを知った。それが300年前のタペストリーの切れ端だったのがわかったときにはがっかりしたけれど、布には「これはただの布ではなく、宝の地図。謎かけと手がかり。勝者は富める者になる」というメッセージが付いていた。
父さんは本気にしなかったが、グラディはこれは一生に一度のチャンスかもしれないと思った。友だちのサッドとクレミー、犬のオフェリアと協力し、グラディは謎を解いて宝を探そうとする。

アメリカの児童書作家タリン・ソウダーズ(Taryn Souders)の作品。