American Library Association announces 2024 Youth Media Award winners【ALA】
https://www.ala.unikron.com/

 

 

2024年 コレッタ・スコット・キング賞が発表されました。
これはキング牧師とその妻コレッタ・スコット・キングの業績を記念して創設された文学賞。アフリカ系アメリカ人作家によって書かれたすぐれた児童文学とYAに贈られます。


今年の作家部門受賞作品はこちらです。
(このブログでは作家部門のみのご紹介になりますので、ほかの部門については上のリンク先などをご参照ください)

 
Nigeria Jones
by Ibi Zoboi


16歳のナイジェリアは父さんによって「ムーヴメント」の一員として育てられた。ホームスクールで学び、ビーガンで、グループの他の子どもたちと一緒に先祖と自分をつなぐ儀式に参加する。
でも失踪した母さんは実は子どもたちには違う人生を望んでおり、厳しい団体の中ではなく外の私立校にナイジェリアを送ろうとしていた。父さんの不満をよそに、学校に入学したナイジェリアは少しずつ花開き、自分の世界を広げていく。
そして母さんの行方を探すうち、ナイジェリアは衝撃的な真実に気がつきはじめ、自分と自分の家族について自分が知っていると思っていたことについて疑問を抱くようになる。

ハイチ出身のYA作家イビ・ゾボイ(Ibi Zoboi)の作品。

 

 

 

 

オナー(銀賞)には以下の3作品が選ばれました。


Big
by Vashti Harrison


あるところに女の子がいました。大きな笑顔と、大きな心と、大きな夢を持っていました。それはすてきなことでした。すてきなことでなくなるまでは。

周囲からの萎縮を招く言葉やからかいで自信を失ってしまった子どもが、自分を愛することと、人を傷つけることも癒すこともできる言葉の力を見つけ出すまでを描く絵本。アメリカの児童書作家で映画プロデューサー・ワシュティ・ハリソン(Vashti Harrison)の作品。
2023年全米図書賞児童書部門最終候補。

 

 

 

 

How Do You Spell Unfair?: MacNolia Cox and the National Spelling Bee
by Carole Boston Weatherford, Frank Morrison (Illustrator)


マクノリア・コックスは非凡な子どもだった。楽しみは辞書を読むことだったのだから。
1936年、8年生のマクノリア・コックスはオハイオ州アクロンのスペリング・ビー(単語の綴り大会)で優勝した最初のアフリカ系アメリカ人になった。この優勝により、彼女はワシントンDCで行われる名高い全国大会への出場を打診された。
地元の著名人や軍の音楽隊が駅で出発を見送ってくれたが、列車が州境を越えてメリーランドに入ると、お祝いは一転して凍りついた。そこでは人種隔離政策が行われている。偏見と差別は列車も、ホテルも、悲しむべきことにスペリング・ビー自体も支配していた。

1936年のスペル大会に黒人として初めて(※彼女の他にもう1人女の子が同年の大会に出場したようです)出場し、全国5位になった13歳の黒人の少女マクノリア・コックスを描いたノンフィクション絵本。
「ゴードン・パークス」のキャロル・ボストン ウェザーフォードが文を、「はばたけ、ルイ! 少年ルイ・アームストロングとコルネットの真実の物語」のフランク・モリソンが絵を担当しています。

 

 

 

 

Kin: Rooted in Hope
by Carole Boston Weatherford, Jeffery Boston Weatherford (Illustrator)


キャロルとジェフリーの先祖はメリーランドの始祖たちの中にいる。一族の歴史は300年にわたるが、その系譜は、奴隷をルーツに持つ多くのアフリカ系アメリカ人の家系と同じく、5世代までしかさかのぼれない。その前は不明だ。その歴史の断片から、キャロルとジェフリーは彼らの親族たちの声を呼び出す。

こちらも上と同じキャロル・ボストン・ウェザーフォードの作品。奴隷だった自分の先祖たちや、フレデリック・ダグラス、ハリエット・タブマンなど歴史上の黒人の偉人たちを詩で描いた歴史物語のようです。彼女の息子でイラストレーターで詩人のジェフリー・ボストン・ウェザーフォード(Jeffery Boston Weatherford)が絵を担当した親子コラボ作品。

 

 

 

 

そして新人作家に贈られるコレッタ・スコット・キング/ジョン・ステップトー新人作家賞(Coretta Scott King/John Steptoe New Talent Author Award)にはこちらが選ばれました。


There Goes the Neighborhood
by Jade Adia


15歳のリアとその親友ゼイクとマラキは南LAで生まれて育ったが、最近のジェントリフィケーションの波は彼らが故郷と呼ぶ場所を変えつつある。守銭奴の家主からの退去勧告で離ればなれになってしまう恐れが出てきた3人は、開発者を怖がらせて追い払うため、SNS上に架空のギャングSOSIを作り出した。彼らの計画は上手くいっているように見えた。家主が死んで架空のギャングに殺人の疑いがかかるまでは。

アメリカの新人作家ジェイド・エイディア(Jade Adia)のデビュー作品。