American Library Association announces 2024 Youth Media Award winners【ALA】
https://www.ala.unikron.com/

 

 

2024年 ウィリアム・C・モリス・ヤングアダルト新人賞の最終候補作品が発表されました。

これは前年にデビューしたヤングアダルト作家の、すぐれたデビュー作品に贈られる賞です。
最終候補作品発表(5作/前年12月)→受賞作品発表(1作/1月)のプロセスで賞が決まります。


今年の受賞作品はこちらです。


Rez Ball
by Byron Graves


最近のトレー・ブルンは、レッドレイク・リザベーション高校のバスケ部でプレーしている時がいちばん幸せだ。事故で死んだ兄ジャクソンの記憶に定期的に腹を殴られてはいるけれど。今は大学でプレーしている卒業生に勧誘されたトレーは、これはリザベーションを代表して初の全国大会に出るチャンスだと思った。NBAでプレーするという夢への第一歩。だけどスタープレイヤーだった兄さんの代わりになろうとするのであれば、トレーは失敗できない。コートでも学校でも、友だちに対しても。

オジブウェ族の高校生を主人公にしたバスケ青春物語のようです。主人公と同じくミネソタのレッドレイク・リザベーション出身で高校バスケ選手だったオジブウェ族の新人YA作家バイロン・グレイブス(Byron Graves)のデビュー作品。

 

 

 

 

この本と賞を争った今年の最終候補作品は以下の通りです。

 

All the Fighting Parts
by Hannah V. Sawyerr


16歳のアミナはクラスメートに暴言を吐いて、教会のボランティアでジョンソン牧師の手伝いするようにと父さんに命じられた。でも牧師は、みんなが信じているような聖人ではなかった。
アミナの闘う言葉はジョンソン牧師に性的暴行を受けた夜に沈黙してしまった。その夜の後、彼女の人生はばらばらになっていった。成績が落ちはじめたことに父さんはいらだっている。親友も彼氏も、かつてははっきりものを言い自信たっぷりだった彼女が今は黙って距離を置いている理由がわからないでいる。加害者がみんなに好かれた地域の指導者の場合、誰が自分を助けてくれるのかアミナにはわからない。

アメリカの詩人で新人YA作家ハンナ・V・ソウヤー(Hannah V. Sawyerr)のデビュー作品。
2024年ウォルター・ディーン・マイヤーズ賞YA部門オナー(銀賞)作品。

 

 

 

 

Once There Was
by Kiyash Monsef


マーヤンが幼い頃、父さんはおとぎ話を聞かせてくれた。狩人の罠からユニコーンを逃がした少女の話に、シャーダル(グリフィン)を助けた遊牧民の少年の話。特別な獣たちの物語は好奇心とわくわくでマーヤンの心を満たしてくれた。
でも彼女はもう子どもじゃない。父さんが急死した後、なんとかすべてに対応しようとしているところだ。そんなある日、驚くような話を携えた訪問者がやってきた。マーヤンの父さんは実はただの獣医ではなかった。あのおとぎ話の生き物たちは実在していて、父さんはその治療のために世界を旅していたのだ。
父さんはもういない。代わりを務めるのは自分だ。

イラン系アメリカ人の新人作家キヤーシュ・モンセフ(Kiyash Monsef)のデビュー作品。

 

 

 

 

Saints of the Household
by Ari Tison


マックスとジェイはお互いに助け合って生き延びてきた。暴力をふるう父のもとで育ったふたりのブリブリ(コスタリカの先住民族)系アメリカ人の兄弟は、自分たちと母さんを守る唯一の方法は完全にスケジュールを守り、おとなしくしていることだと学んでいた。
でも学校でのトラブルで、サッカー部のスター選手とけんかをして叩きのめしてしまった。この暴力が彼らの将来への夢と、自分たちが何者かという認識を危うくする。

兄弟愛と虐待と回復、正しい道を選ぶことについての物語。コスタリカの先住民族ブリブリ(Bribri)出身のコスタリカ系アメリカ人新人作家アリ・トリソン(Ari Tison)のデビュー作品。
2024年ウォルター・ディーン・マイヤーズ賞YA部門受賞作品。

 

 

 

 

She Is a Haunting
by Trang Thanh Tran


別居中の父を訪ねてベトナムに来たジェイド・グェンの目標はひとつ。バー(父)が療養中のフランス植民地時代様式の館で、5週間幸せな家族のふりをし通すこと。ジェイドはいつでも周りにあわせて嘘をついてきた。望まれるようにストレートのふりをし、ベトナム人らしさもアメリカ人らしさも十分に見せれば、大学進学のためのお金を持って帰れるのだ。
でも館はそのつもりではないようだった。ジェイドは毎夜金縛りで目が覚め、壁からはおかしな音が聞こえ、いるはずがない場所に虫の脚と触覚だけが残されていた。そしてある夜、ジェイドははっきりと美しい花嫁の幽霊を見てしまい、彼女から「食べてはだめ」という奇妙なメッセージを託された。

「メキシカン・ゴシック」のファンにおすすめのゴシックホラーだそうです。ベトナム系アメリカ人の新人作家トラン・タン・トラン(Trang Thanh Tran)の作品。