THE 2023 BRAM STOKER AWARDS® PRELIMINARY BALLOT ANNOUNCED【The Horror Writers Association】
https://www.thebramstokerawards.com/front-page/the-2023-bram-stoker-awards-preliminary-ballot-announced/

 

 

2023年 ブラム・ストーカー賞の予選作品(Preliminary Ballot)が発表されました。

ブラム・ストーカー賞は、前年に発表された、英語で書かれたすぐれたホラー、ダークファンタジー作品に贈られる賞。前年に翻訳された作品も対象になります。
「ドラキュラ」の作者ブラム・ストーカーの名を取って創設され、アメリカのホラー作家協会(Horror Writers Association)によって毎年選ばれます。

最終候補作品(Final Ballot)発表(各部門5作品程度/2月ごろ)→受賞作品発表(各部門1~2作/5月)のスケジュールです。
Final Ballotの前、1月ごろに、最終候補作品を選ぶ投票のための予選作品リストPreliminary Ballotが発表されます。

長編部門、処女作部門、詩集部門、グラフィックノベル(漫画)など色々部門のある賞ですが、このブログではYA部門(Superior Achievement in a Young Adult Novel)と児童書部門(Middle Grade Novel)のみのご紹介となりますので、全部門については上のリンク先などをご参照ください。


今年の児童書部門予選作品は以下の通りです。


Maybe There Are Witches
by Jude Atwood


中学生のクララ・ハッチンスと母さんはヴィクトリア時代の古い宿屋を相続することになり、イリノイの小さな村ビスコプスクラに引っ越してきた。そこはもともと熱狂的な宗教団体によってつくられた歴史的な村だ。
クララはある日、自分の先祖のひとりが140年前、魔女として町外れの白いオークの木で絞首刑になったという歴史を知った。地下室から出てきた彼女の古い日記は読むのも難しかったが、そこに書かれていた予言が現実になりはじめると、クララは、もしかして19世紀の村人たちは正しかったのだろうか、つまり自分のひいひいひいおばあちゃんは特別な力を持っていたのだろうかと疑いはじめる。

アメリカの児童書作家ジュード・アトウッド(Jude Atwood)の作品。

 

 

 

 

Grumbones
by Jenn Bennett


ウィスパリング・パインの住人たちはみんな、自分たちの町が幽霊だらけだと知っている。でもヘレナ・ノヴァクは亡くなったおばあちゃんに会うことができないでいた。親友のベンといっしょに空いた時間を墓地で過ごしても、たくさんのお供えをしても、おばあちゃんの幽霊は出てきてくれない。でも別の誰かがそれにひかれてきた。
ヘレナはやがて誰かにつけられているのを感じるようになり、そしてある日、お墓のお供えが消えた。調査をはじめたヘレナとベンは、聖堂の地下室で死者の世界に通じる扉を見つけてしまう。

アメリカのYA&一般書ロマンス作家ジェン・ベネット(Jenn Bennett)による児童書作品。「リメンバー・ミー」+ニール・ゲイマンなホラーファンタジーだそうです。

 

 

 

 

Brick Dust and Bones (Marius Grey #1)
by M.R. Fournet


マリウス・グレイは12歳で、家族が運営する墓地で幽霊たちの世話をするのが仕事だ。幽霊たちをなぐさめなければならないし、そしてもちろん学校にも行からければならない。二つの世界で問題なく生きるすべを学ぶために。
でも母さんを生き返らせるという大きな目標がある彼には神秘のコインがたくさん必要で、そのためにはモンスターハンターとして稼がなければならない。

少年モンスターハンターが登場する冒険ファンタジー作品のようです。
アメリカの新人児童書作家M・R・フォーネット(M.R. Fournet)のデビュー作品。シリーズ1作目。

 

 

 

 

Monster Camp
by Sarah Henning


差し歯の牙とウォータープルーフのアイライナーで描かれたウィドウズ・ピーク(※ヴァンパイアキャラに多くみられる富士額の生え際)のシルヴィはヴァンパイアに扮する達人だ。LARP(※ライブアクション・ロールプレイング/参加者がキャラのコスプレをして生身で行うロールプレイング・ゲーム)が大好きで、学校のホラーLARPクラブに所属している。
その夏、シルヴィは趣味を理解してくれない父さんに嘘をついて、モンスターがテーマのLARPイベント「モンスター・キャンプ」に参加した。参加者はみなハリウッド映画みたいなクオリティ。でも途中で、シルヴィは彼らがゲーマーではなく本物のモンスターたちだと気がついた。

アメリカの児童書&YA作家サラ・ヘニング(Sarah Henning)の作品。

 

 

 

 

Los Monstruos: Felice and the Wailing Woman
by Diana López


幼い頃に川で溺れていたところを拾われてクレムおじさんに育てられた12歳のフェリスは、自分が実は泣き女(ラ・ヨローナ/ラテンアメリカの妖怪)の娘だと知って、魔法の都市トレス・レチェに旅立った。母さんはそこの川に出没するという。
魔法都市の変わり者の市長に案内され、フェリスはメキシコ−アメリカ国境の最も有名な伝説の妖怪になってしまった母さんの心を癒すのだと決めた。そして住人たちが何世代にもわたって悩まされている呪いからトレス・レチェを解放すると。

アメリカの児童書作家ダイアナ・ロペス(Diana López)の作品。

 

 

 

 

Extra Normal
by Kate Alice Marshall


チャーリー・グリアは平凡だ。少なくとも、血のつながらないきょうだいたちに比べたら。妹は幽霊で、ふたりの兄は人狼と念動力持ち。両親は超常現象やエイリアンの調査を行う調査員だ。母さんはあなたの能力は「しっかりしてる」ことだと言ってくれるが。
母さんと父さんが久しぶりの休暇で旅行に行くことになり、きょうだいたちの世話と旅行を破滅させないための努力はチャーリーの肩にかかることになった。
ところが、そんなときに新しく引っ越してきたお隣さんがなにやら怪しい人たちで…

「ストレンジャー・シングズ」と「スケアリーストーリーズ」のファンにオススメだそうです。アメリカのYA作家ケイト・アリス・マーシャル(Kate Alice Marshall)による児童書作品。

 

 

 

 

Don't Want to Be Your Monster
by Deke Moulton


アダムとヴィクターは隠れて暮らすヴァンパイアの兄弟。
10歳のアダムはただ血を飲むよりももっと良い目標が(不死の)人生にはあるはずと思っているが、14歳のヴィクターはヴァンパイアらしいイメージを受け入れたい。
彼らの町のあっちことで死体が発見されるようになって、何もかもが変わった。一家はヴァンパイアハンターに目をつけられてしまったのだ。アダムとヴィクターはお互いの違いを乗り越えて、手遅れになる前に殺人者を捕まえることができるのか?

アメリカの児童書作家デイク・モールトン(Deke Moulton)の作品。

 

 

 

 

The Nighthouse Keeper (Blight Harbor #2)
by Lora Senf


エヴィーはアメリカで7番目に幽霊が多い町ブライトハーバーで超自然現象専門家のデズデモーナ叔母さんと一緒に暮らしている。デズデモーナはたったひとつを除いてうるさいことは言わない。「町はずれの屠殺場の廃墟にだけは入っちゃダメ」。
でもその建物にはいった叔母さんが失踪し、彼女の行方を探しはじめたエヴィーは、屠殺場でクラッキティーという怪物に出会った。クラッキティーはブライトハーバーをうろつく100年前の殺人鬼ジョン・ジェフリー・ポープの幽霊と引き換えに叔母さんの捜索に協力してくれると言う。

アメリカの児童書作家ローラ・センフ(Lora Senf)のシリーズ2作目(上のあらすじは1作目のものです)。

 

 

 

 

Frances and the Werewolves of the Black Forest (Frances and the Monsters series #2)
by Refe Tuma


実験に失敗して町を丸ごと破壊しかけた天才児の発明家少女フランシスは権威ある学会に招かれた。名誉挽回のチャンスだ。
でもそこへ行く途中で列車が乗っ取られ、フランシスと友だちのルカは黒森へ逃げ込むことに。
みなしごたちの団体に保護された彼らは、この森での掟を学ぶ。ひとりで出歩かないこと。音を立てないこと。なぜなら影の中に何かが潜んでいるから。光る目と鋭い歯を持つ何かが。

アメリカの児童書作家レフェ・トゥーマ(Refe Tuma)によるヒストリカルファンタジー。シリーズ2作目。

 

 

以上です。
YA部門はまた明日。