こちら↑の記事に引き続いて、2023年スクール・ライブラリー・ジャーナルのベストノンフィクションをご紹介します。


Shipwrecked!: Diving for Hidden Time Capsules on the Ocean Floor
by Martin W. Sandler


世界のほとんどの海の底からは遺物が発見される。実際のところ、300万を越える沈没船と数えきれない過去の宝がそこにあると推定される。
この魅力的で冒険いっぱいの本では、歴史上のもっとも魅力的な難破船の物語が語られる。14世紀中国の商船から、19世紀に消えた英国海軍の南極調査船まで。

「大西洋の歴史 世界史を動かした海の物語」のマーティン・W・サンドラーの作品。

 

 

 

 

You: The Story: A Writer's Guide to Craft Through Memory
by Ruta Sepetys


人生は進行中の物語だ。日々、あなたはあなたの物語を書き足し、見直し、別の角度から見る。何かを消すこともある。ページを破って捨てることもある。時には、後から思えばあれをなかったことにしたい、と願うこともある。1日は物語。1年は物語。人生は物語。あなたは物語だ。

「凍てつく海のむこうに」、「モノクロの街の夜明けに」のベストセラーYA作家ルータ・セペティスが自分の人生を題材に物語を書く方法を教えるハウツー本のようです。

 

 

 

 

Impossible Escape: A True Story of Survival and Heroism in Nazi Europe
by Steve Sheinkin


1944年、ルドルフ(ルディ)・ヴルバは決心した。アウシュヴィッツ強制収容所でやっとの思いで2年近く生き延びた後、自分はここから逃げなければならないとわかっていた。ルディはナチスに占領されたヨーロッパの各地にある収容所の中で計画的なユダヤ人の虐殺が行われていると知っていた。自分が世界に知らせなければ、この虐殺は止まらない。ルディは友達のアルフレッドと不可能に見える逃亡作戦に踏み出した。
その頃、ルディと同じ学校にいたゲルタはユダヤ人であることを隠して生活していたが、彼女が暮らすハンガリーにもナチスの圧力がかかり、その命は日に日に危うくなっていく。

1944年にアウシュヴィッツから脱走して中で行われている虐殺についての報告書を発表したルドルフ・ヴルバと、のちにその妻になったゲルタを描いた歴史ノンフィクション。
「原爆を盗め!: 史上最も恐ろしい爆弾はこうしてつくられた」のスティーヴ・シャンキンの作品。

 

 

 

 

A Long Time Coming: A Lyrical Biography of Race in America from Ona Judge to Barack Obama
by Ray Anthony Shepard, R. Gregory Christie (Illustrator)


ジョージ・ワシントンの家から逃げ出した逃亡奴隷のオーナ・ジャッジ、元奴隷の政治家フレデリック・ダグラス、逃亡奴隷の支援者ハリエット・タブマン、公民権運動の指導者アイダ・B・ウェルズとキング牧師、そして大統領バラク・オバマ。
さまざまな時代の6人の黒人アメリカ人たちを詩で紹介するYA向け伝記のようです。
アメリカのYA&児童書作家レイ・アントニー・シェパード(Ray Anthony Shepard)の作品。

 

 

 

 

What It's Like to Be a Bird (Adapted for Young Readers): From Flying to Nesting, Eating to Singing--What Birds Are Doing and Why
by David Allen Sibley


鳥たちの行動とその理由を詳細な絵とともに紹介する、イギリスの鳥類学者デビッド・アレン・シプリーによる2020年の鳥ノンフィクション「イラスト図解 鳥になるのはどんな感じ?~見るだけでは物足りないあなたのための鳥類学入門」のYA向けリライト版。
一般書版は羊土社から邦訳が出ています。

 

 

一般書版はこちらです。

 

一般書版の邦訳はこちらです。

 

 

 

Accountable: The True Story of a Racist Social Media Account and the Teenagers Whose Lives It Changed
by Dashka Slater


ある高校生が友達にウケたくて、人種差別、性差別的なミームを投稿するインスタのアカウントをはじめた。彼はそれを「ヤバい」ユーモアだと思っていた。
やがてその「ヤバさ」はどんどん先鋭化し、そのうちアカウントは何人かのキッズに見つかり、そしてみんなが知るアカウントになった。最終的に、その小さな町アルバニーの住人は誰もこのアカウントの発見から安全でいられなくなった。投稿のネタにされた女の子たちも、アカウントを作った男子本人も、フォロワーの男子たちも、自体を収拾しようとしてより悪化させる教師や親たちも。

2017年にカリフォルニアの田舎町で高校生男子がはじめた黒人や女子生徒へのド直球差別アカウントが町を巻き込む大問題になった「アルバニー高校インスタグラム事件」を描いたノンフィクションのようです。アメリカの児童書作家でジャーナリスト・ダーシュカ・スレイター(Dashka Slater)の作品。
全然知らない事件でしたが、これアカウントの持ち主も非白人(韓国系)だったみたいですね。闇が深い。(でもまあ、日本にも女子と有色人種を差別する男子って(とくにネット上だと)それなりの数がいるし、驚く話でもないか)

 

 

 

 

 

Unseen Jungle: The Microbes That Secretly Control Our World
by Eleanor Spicer Rice, Rob Wilson (Illustrator)


微生物はどこにでもいる。家の外にも中にも、体の表面にも内部にも。実際のところ、わたしたちの体の細胞のうち人間の細胞は半分程度で、あとは微生物だ。人間の消化を助けたり、マインドコントロール能力を使ってお腹を空かせた猫の前にネズミを行かせたり、見えないジャングルから来た微生物はわたしたちの周りのあらゆるところにいる。

アメリカの生物学者エレノア・スパイサー・ライス(Eleanor Spicer Rice)の作品。

 

 

 

 

Mission: Arctic: A Scientifc Adventure to a Changing North Pole
by Katharina Weiss-Tuider, Christian Schneider (Illustrator)


北極は変化しつつあるーー急速に。かつては凍てついていた景色は我々の眼前で溶けつつあり、その影響は世界中で感じることができる。だが北極はまた、われわれにとってもっとも未知な場所でもある。分厚い氷、極限の寒さ、そして完全な闇は常に科学者たちがその秘密を解き明かすことを拒んできた。今までは。

ドイツのノンフィクション作家カタリナ・ワイス=チューダー(Katharina Weiss-Tuider)の作品。

 

 

 

以上です。