こちら↑の記事に引き続き、2023年パブリッシャーズ・ウィークリーのベストYAリストです。



The Isles of the Gods (The Isles of the Gods #1)
by Amie Kaufman


サリーの身体には血のかわりに海水が流れている。だから父親にカークプールの港に置いていかれてしまうと、彼が北方の海を航海しているあいだの冬を乗り切れる気がしなかった。でも父を追いかけようという計画は、魔法使いのしるしを腕に持つ青年に船を乗っ取られて打ち砕かれた。彼はアリノール王国のレアンデール王子。誰にも知られずに三日月海を渡り、「神々の島」で儀式を行うという危険な任務の途中だった。

「イルミナエ・ファイル」のエイミー・カウフマンによるファンタジー作品。シリーズ1作目。

 

 

 

 

The King Is Dead 
by Benjamin Dean 


ジェームズが生まれながらにして担った王冠は重い。それが英国初の黒人の血を引く王位継承者のものとなればなおさらだ。だが隠さなければならない彼氏もいて恐ろしいほど心の準備ができていないというのに、父王が崩御してジェームズは突然公の目にさらされることになった。
そして秘密がタブロイド紙に載ると、恋人だと思っていた相手は突然行方不明になり、ジェームズは自分が破滅の瀬戸際にいることに気が付いた。
王宮の壁の後ろにはどんな危険が潜んでいるのか。新たな王は手遅れになる前にそれを見つけ出せるのか。

若くハンサムでシャイな英国初の黒人の血をひく架空の国王陛下(彼氏あり)を主人公にしたロイヤルロマンティックサスペンス小説。ロンドン在住の児童書&YA作家ベンジャミン・ディーン(Benjamin Dean)の作品。
2023年ダイバース・ブック賞ロングリスト。

 

 

 

 

Mascot
by Charles Waters, Traci Sorell 


もしも学校のマスコットキャラのデザインが人種差別に見えたら?だけどすべての人にそう見えるわけじゃなかったら?
ヴァージニア州の町レイでは人々はよく働き、子どもたちは学校へ行き、フットボールチーム・レイ・ブレーブスの金曜の試合が重要イベントだ。
この町で8年生を教える英語教師が、自分の授業でレイ・ブレーブスのマスコットキャラを継続して使うか変更するかでディベートを行なった。
それで今、それぞれ違うバックグラウンドと信念を持つ6人の中学生は物議をかもす問題に巻き込まれてしまった。この問題はすでにこの郊外の町を混乱に陥れ、住民全員がふたつの陣営に分かれて醜く争っているというのに。

「ステレオタイプなインディアン」風のマスコットキャラを使っている架空の町の学校で巻き起こる議論を描いたヴァースノベル。
アフリカ系アメリカ人の詩人チャールズ・ウォーターズ(Charles Waters)とチェロキー族のYA作家トレイシー・ソレル(Charles Waters, Traci Sorell )の共著です。

 

 

 

 

The Queer Girl Is Going to Be Okay
by Dale Walls


クィアな恋人。ドーンが心底ほしくて、でも持っていないもの。でももしそれを見つけられて、撮影できて、それを持つ人たちにインタビューできたら、いつか彼女にもクィアな恋人ができるかもしれない。まあ少なくとも、それについてのドキュメンタリー映画は作ることができるし、それで映画学校への奨学金が出るかもしれない。映画の完成までにはいくつもの困難があるけれど、親友のエディーとジョージアはいつでもそばにいてくれて、何があろうとゴールまでの助けになってくれる。

アメリカのYA作家デイル・ウォールズ(Dale Walls)の作品。

 

 

 

 

Spin
by Rebecca Caprara


16歳のアラクネは家族と親友のセレンディーン以外誰にも受け入れられていない。心の慰めのために機織り機に向かったアラクネは、布を織ることで自分の声と強さを見出していった。
悲劇的な出来事で家族を失ったアラクネとセレンディーンはコロフォンの町に逃れた。そこでアラクネの機織りの才能が評判になると、彼女に身を弁えるよう要求する女神アテナと衝突することに。

ギリシャ神話のアラクネの物語をフェミニズムと同性愛要素を入れてリテイリングした作品のようです。アメリカ在住のYA作家レベッカ・カプララ(Rebecca Caprara)の作品。

 

 

 

 

What Stalks Among Us
by Sarah Hollowell


セイディとローガンは高校4年生の親友同士。最初の間違いは年末の旅行で遊園地に行くのをやめて古い田舎道の探索旅を選んだことだった。
旅の途中、打ち捨てられた古く巨大なコーンメイズ(トウモロコシ畑を使って作られた迷路)に出くわした。その迷路の中でふたりは死体を2体発見する。
その死体は、刺された傷と銃弾の痕があることを除けば、服装から、自分以外誰も知らない傷、染めた髪や抜けた歯まで、全部自分たちにそっくりだった。

アメリカのYA作家サラ・ホロウェル(Sarah Hollowell)によるホラーサスペンス作品

 

 

 

 

Where You See Yourself
by Claire Forrest


高校4年生をスタートしたときには、エフィーはすでに永遠に大学出願のことを考えているような気がしていた。自分にぴったり、かつ車椅子で通える学校を探すためには、ほかの友だちが考えなくてもいいようなことについて山のように検討する必要がある。
誰にも言っていないが、エフィーには意中の大学がある。マスメディアと社会学で有名なニューヨークの大学で、デジタルメディアに関わる仕事に就きたいエフィーにぴったりだ。ずっと片思いしていたワイルダーも同じ志望校だと知ると、そこが行くべき場所だという宇宙からの啓示に思えた。しかし宇宙とは意外性に満ちているもので…

アメリカの新人YA作家クレア・フォレスト(Claire Forrest)のデビュー作品。