SFWA Announces Nebula Award Finalists【SFWA】
https://nebulas.sfwa.org/sfwa-announces-nebula-award-finalists/

 

 

2021年 アンドレ・ノートン賞の最終候補作品(ファイナリスト)が発表されました。

これは青少年のためのSF&ファンタジー作品を書き続け、2005年に亡くなったアメリカの作家アンドレ・ノートンの名をとって創設された、YA世代のためのSF&ファンタジーの文学賞。

過去2年間に発表されたYA向けファンタジー、SF作品が対象。SFWA(アメリカSFファンタジー協会)所属の作家、批評家たちによって選ばれ、同じSFWAが選ぶ大人向けSF&ファンタジーの文学賞「ネビュラ賞」と同日に発表されます。

最終候補発表(10作前後/2月ごろ)→受賞作品発表(1作/5~6月)のスケジュールです。

(このブログではアンドレ・ノートン賞のみのご紹介となりますので、ネビュラ賞については上のリンク先などをご参照ください)



今年の最終候補作品は以下の通り。


Victories Greater Than Death (Unstoppable #1)
by Charlie Jane Anders


ティナは自分が「平凡」だと思い悩んだことがない。その必要がない。愛されて育った普通の少女ティナ・メインズは彼女の一面。実は惑星間通信のできる救助ビーコンの保持者で、それが起動したら、世界を救って星々を旅するという夢が現実になるのだ。しかし実際にビーコンが起動すると、ティナの運命は予想していたものと違っていて…

伝説的な銀河の女英雄(宇宙人)のクローンとして作られ、仲間が迎えに来るのを待ちながら地球で暮らしている女子高生を主人公にした青春スペースオペラ。
「空のあらゆる鳥を」のチャーリー・ジェーン・アンダーズのYAデビュー作品。シリーズ1作目。Amazon Studiosでドラマ化の予定があります。現在2022年ローカス賞YA部門推薦作品。

 

 

 

 

Thornwood (Sisters Ever After #1)
by Leah Cypess 


11歳のブライオニーは何年も、「16歳の誕生日に糸のつむに指を刺して眠りに落ちる」という呪いを受けた美しい姉ロザラインの影のような存在として生きてきた。
そして姉の誕生日から百年後、城の中でひとりで目を覚ましたブライオニーだが、ロザラインはどこにも見つからず、救い手のはずの王子は怪しい。何が起こっているのか真実を知り、恐ろしいいばらの森から家族と友だちを救う役目はブライオニーに託された。

「眠り姫」をリ・イマジニングしたフェアリーテールファンタジーのようです。アメリカの一般書&YAファンタジー作家リア・サイパス(Leah Cypess)のミドルグレードデビュー作品。シリーズ1作目。
 

 

 

 

Redemptor (Raybearer #2)
by Jordan Ifueko


タリサイはずっと家族のぬくもりを求めていた。「奥方(ザ・レディ)」と呼ばれる、留守がちで謎めいた母親に放置されて育ち、アリサー帝国の首都に送られて、世継ぎの王子の11人評議会のひとりに選ばれるためにほかの子どもたちと競わされた。もしもこれに選ばれれば、彼女はほかの評議会メンバーと血よりも強い絆「レイ」で結ばれることになる。その親密さは、自分が属することのできるどこかを求めるタリサイにはあまりに魅惑的だ。だが奥方には王子を殺そうという別の計画があった。

ナイジェリア系アメリカ人の新人ジョーダン・イフエコ(Jordan Ifueko)による西アフリカをモデルにした異世界が舞台のファンタジー。シリーズ2作目(上のあらすじは1作目のものです)
現在2022年ローカス賞YA部門推薦作品。Netflixでドラマ化の予定があります。

 

 

 

 

A Snake Falls to Earth
by Darcie Little Badger 


リパン族のニナはこの世界に住む女の子。彼女はいつも、この世の外に別の世界があるように感じていた。今でも古い言い伝えを信じていた。
オリーは精霊や怪物が暮らす地に住む沼マムシの子ども。沼マムシはみんなそうであるように、オリーも家を出て、底なし湖の岸辺に新しい住処を見つけた。
ニナとオリーはお互いの存在を知らなかったが、地球で大惨事が起こり、オリーの親友が奇妙な病に罹ったことで、数世紀ぶりにふたつの世界が出会うことになった。

リパン・アパッチ族のYA作家ダーシー・リトル・バジャー(Darcie Little Badger)の作品。
2021年全米図書賞児童書YA部門ロングリスト。2022年ニューベリー賞オナー。現在2022年ローカス賞YA部門推薦作品。

 

 

 

 

Root Magic
by Eden Royce


1963年、ジェゼベル・ターナーには変化が訪れていた。大好きな祖母が亡くなった。地元の警察は彼女の家族への嫌がらせを止めない。カリフォルニアでも学校の人種差別が廃止されたことで、ジェズと双子の弟ジェイは多くの新しい生徒たちと学ぶことになった。でもいちばん大きな変化は、ふたりが11歳になり、ドク叔父さんからガラに伝わるアフリカ呪術を教えてもらえるようになったこと。でもジェズはやがて一家に伝わる本当の力は、ちょっとしたおまじないや薬以上のものだと気がついた。

アメリカのゴシックホラー作家エデン・ロイス(Eden Royce)の児童書作品。
2022年ウォルター・ディーン・マイヤーズ賞児童書部門オナー(銀賞)。

 

 

 

 

Iron Widow (Iron Widow #1)
by Xiran Jay Zhao 


ファージャ(華夏)の少年たちは少女とパートナーになって、万里の長城の向こうからやってくる機械のエイリアンと戦うための変形ロボ「クリサリス」のパイロットになるのを夢見ている。精神負荷のため少女の方はよく死亡するが、それは問題じゃない。
18歳のウー・ゼティアン(武則天)は、姉を死なせた男性のエースパイロットを殺すために第2パイロットとして志願した。しかし精神リンクを通して相手を殺し、無傷でコックピットから出てきた彼女には「鉄の後家」の異名がついた。彼女は男性パイロットを犠牲にしてクリサリスを強化できる女性パイロットだった。

中華歴史ファンタジー風キャラとパシリム風巨大ロボットアクションが合体したSFのようです。中国系カナダ人のYA作家で、主に中国文化解説とアニメやドラマや特撮についてのオタ語りをするYouTuber、コスプレイヤーとしても活動しているシラン・ジェイ・チャオ(Xiran Jay Zhao)の作品。シリーズ1作目。

 

 

 

 

以上です。