こちら↑の記事の続き。2022年カーネギー賞のノミネート作品です。


Firekeeper's Daughter
by Angeline Boulley
 

オジブウェ族の父は亡くなり、地元の町にも近くのオジブウェ族居留地にもなじめない18歳のドニ・フォンテイン。薬学を学ぶのが好きで、遠くの大学へ行って町を出るつもりだったけれど、叔父さんが薬物の過剰摂取で亡くなり、おばあちゃんが発作を起こし、あきらめて傷ついた母さんの世話をすることになった。唯一の光はホッケー部のスター選手の彼氏ジェイミーだったが、彼は何かを隠している様子。ドニが親友が殺害された事件の目撃者になってしまったことで、そのすべてが明るみに出た。
化学と伝統的な薬の知識を使って、ドニは捜査に乗り出す。

カナダのアシナベ(オジブウェ族)の新人YA作家アンジェリン・ボウリー(Angeline Boulley)の好評デビュー作品。こちらもオバマ元大統領夫妻の製作会社Higher GroundによってNetflixドラマ化の予定があります。

 

 

 

 

Felix Ever After
by Kacen Callender


フェリックス・ラブは恋をしたことがない。それがどんなもので、どうして自分以外の誰もがあまりに簡単に愛する誰かを見つけることができているのかを知りたくてたまらない。もっとまずいのは、それでもフェリックスは自分に誇りを持っているということ。でも、幸せな結末にたどりつくには、自分があまりに人の輪から外れているのではないかとひそかに恐れている。黒人でクィアでトランスジェンダー。

アメリカ領ヴァージン諸島出身の児童書&YA作家カセン・キャレンダー(Kacen Callender)のYA作品。Amazon Studiosでドラマ化の予定があります。

 

 

 

 

We Were Wolves
by Jason Cockcroft


少年は森の中で、ひとりでキャラバンの中で生きていた。投獄されている父さんは、すぐに戻ってくると言っていた。少年のするべきことは、ひとりぼっちで少しでも長く生き延びること。でも闇の力が周りをうろついている。レンジローバーに乗って盗まれた金を探している危険な男や、森の中で長い年月眠っていた古代の力が。

ニュージーランド生まれイングランド在住の児童書作家&イラストレーター・ジェイソン・コックロフト(Jason Cockcroft)の作品。「ハリー・ポッター」シリーズ原書のカバーイラストを担当した人として知られています。

 

 

 

 

Cardboard Cowboys
by Brian Conaghan


レニーの体型じゃなくて中身を見てくれる人は学校には誰もいない。だからつらくなるとレニーはいつも行きつけのベンチに座って物思いにふける。少なくともそこでは中身も外見も誰にも見られない。
でもある日、空き缶を水路に投げていたときにブルースに出会った。ブルースは土手から見えない場所でダンボールの家に住んでいて、子供に庭を荒らされるのを喜ばなかった。でもこのいまいちな出会いから思いがけない友情と最高の旅が生まれることになる。

ホームレス男性と少年の友情物語のようです。スコットランドのYA作家ブライアン・コナガン(Brian Conaghan)による初児童書作品。

 

 

 

 

Noah's Gold
by Frank Cottrell-Boyce


こっそり姉さんの学校の旅行について行った11歳のノア。旅は何もかもがおかしかった。生徒が6人無人島に取り残され、先生は失踪、お腹は空くし、携帯は通じないし、ネットはノアが壊してしまった。家と連絡を取る手段がない。大惨事だ。でもそこで、ノアは宝の地図と、金を探しているギャングを見つけた。

「ミリオンズ」のフランク・コットレル=ボイスの作品。

 

 

 

 

Boy, Everywhere 
by A.M. Dassu


サミは友だちとサッカーとプレステとiPadが好きなごく普通の13歳。でもショッピングモールの爆破事件で人生が変わった。サミと家族はダマスカスの住み慣れた家を逃げ出し、すべてを捨てて、新生活を求めて危険で苦しいイギリスへの旅に出ることに。サミはそれまで知らなかった世界を発見する。残酷で危険で、でも時々予想外にやさしくて希望がある世界を。

イングランドの新人A.M.ダスー(A.M. Dassu)の作品。2021年ブランフォード・ボウズ賞ロングリスト。2021年ウォーターストーンズ児童文学賞YA部門ロングリスト。

 

 

 

 

Legendborn (Legendborn #1)
by Tracy Deonn


母さんが事故で亡くなった後、16歳のブリー・マシューズは家族の思い出や子供の頃の家と関わることは何もしたくなかった。ノースカロライナ大学チャペルヒル校での成績優秀な学生のための収容療法は、逃げ出すための完璧な方法に見えた。キャンパスでの初日に空飛ぶ妖魔を目撃してしまうまでは。
「レジェンドボーン」は化け物を狩る学生たちの秘密結社。自らを「マーリン」と呼ぶ謎のティーンがブリーの記憶を消そうとするが、それに失敗して彼女のユニークな魔力と埋もれた記憶を呼び覚ましてしまう。

アメリカのYA作家トレイシー・デオン(Tracy Deonn)の長編デビュー作品。シリーズ1作目。
2021年コレッタ・スコット・キング/ジョン・ステップトー新人作家賞受賞。2021年ローカス賞YA部門最終候補。現在2021年ロードスター賞最終候補。

 

 

 

 

Guard Your Heart
by Sue Divin


2016年、北アイルランドのデリー。北アイルランド停戦合意の日に生まれたエイダンとイオナは現在18歳。
エイダンはカトリックのアイルランド人で共和党。政治犯だった父さんはいなくなり、母さんは亡くなった。彼の望みは、優秀な成績をおさめて、この町からどこかへ出て行って戻らないこと。
イオナはプロテスタントのイギリス人で、兄と父親は警官。大学進学志望で、信仰に厚く、視野の広い男子なんてものは存在しないと信じている。
試験の後のパーティの日にエイダンは宗派争いのために暴行され、イオナはその目撃者になった。ふたりが出会ったとき、その間にある違いは乗り越えられないもののように見えたが…

北アイルランドのデリー在住の新人YA作家スー・デイヴィン(Sue Divin)のデビュー作品。

 

 

 


When the Sky Falls
by Phil Earle


1940年、ジョゼフは荷物をまとめ、がさつで子供嫌いなミセスFのもとで暮らすために旅立った。ジョゼフにとって楽しかったのは、ミセスFがさびれた市の動物園を運営していて、そこでシルバーバックのゴリラ・アドニスに出会えたこと。でも空襲がはじまり、アドニスの檻を爆弾から守る役目をジョゼフが担うことになった。その時が来たら、ジョゼフは本当に引き金を引けるのか?

イングランドの児童書作家フィル・アール(Phil Earle)の作品。

 

 

 

 

Voyage of the Sparrowhawk
by Natasha Farrant


第一次世界大戦の終戦後、誰もが生活を立て直そうとしていた。
ベンは孤児院に戻されないために、戦場で負傷して行方不明になっている兄のサムを見つけなければならない。
ロッティはひどい叔母夫婦に寄宿学校へ追いやられそうになっている。
彼らの教師であるクララは、行方不明の婚約者についての情報を待っている。
嵐に襲われ、警官に追われながら、彼らは愛するものを探し、我が家と呼べる場所を見つけるための旅に出る。

2019年のカーネギー賞ノミネート作品だった「アリスとふたりのおかしな冒険」で日本に上陸したばかりのイングランドの児童書作家ナターシャ・ファラントの新作。2021年コスタ賞児童書部門受賞作品。

 

 

 

 

ノミネート作品はあと56作品ありますが、続きは明日にでも。

 

こちらの記事へ続きます。