‘Shōgun’: Hiroyuki Sanada & Cosmo Jarvis To Star In FX Limited Series
https://deadline.com/2021/05/shogun-hiroyuki-sanada-cosmo-jarvis-cast-fx-limited-series-john-blackthorne-yoshi-toranaga-1234762725/

 

 

ジェームズ・クラベル原作 ドラマ「Shōgun(原作邦題「将軍」)」の主演として、真田広之と「レディ・マクベス」のコズモ・ジャーヴィスの出演が決まったようです。


原作「将軍」は、アメリカで活動したオーストラリア出身の20世紀の小説家&映画脚本家ジェームズ・クラベルによる1975年発表のベストセラー小説。
アジアの複数の地域と時代を舞台にした7作のシリーズ「アジアン・サーガ」に属する作品のようですが、話は独立していて単品として読めます。

関ヶ原の戦いの少し前の日本に船の難破で流れ着いたイギリス人ジョン・ブラックソーンの視点から、日本を支配する大阪城の主からは見くびられている関東のいち大名ヨシ・トラナガがライバルの大名イシドウと争いながら台頭していく過程を描く歴史小説(ほぼフィクション)。
ブラックソーンのモデルはウィリアム・アダムズ(三浦按針)、ヨシ・トラナガのモデルは徳川家康、悪役キャラっぽいイシドウのモデルが石田三成だそうです。

TBSブリタニカという版元から80年代に邦訳が出ていましたが、現在は絶版です。


真田広之の役はヨシ・トラナガ(「吉井虎長」らしいです)。ジャーヴィスの役はブラックソーン。

彼らがこのドラマの3人の主人公のうちのふたりという位置付けで、3人目の主人公である細川ガラシャがモデルのキャラ「レディ・マリコ」は現在キャスティング中だそうです。


「将軍」って日本の外ではすごく人気だけど日本ではさっぱりな作品で、著者のジェームズ・クラベルも、日本では世界的ベストセラー「将軍」の作者としてではなく、どっちかっていうとディストピア寓話の佳作「23分間の奇跡」の作者として知られていますよね。

(私も「23分間の奇跡」の著者と「将軍」の原作者と映画「大脱走」の脚本家が同一人物ということはわりと最近になって知りました)

この「将軍」がどうだったのかは未読なのでわかりませんが、ギャグならともかく、シリアス作品だと欧米作家にありがちなトンデモニッポン描写が気になってしまって日本の読者は真剣に読んだり真剣に感動するのが難しい、みたいなところがネックで、海外作家の日本舞台作品って日本でヒットしなかったんですよね。昔はとくに。

(情報や資料の入手がしやすくなり、また遠い地域の人からのツッコミも容易になった現在はそこそこまともになってると思いますが)


まあでも、とにかく日本の外では人気の作品だったから、80年にも一度アメリカでTVドラマ化されています。今回が2度目の映像化です。
80年版はこんな感じ↓

 

RICHARD CHAMBERLAIN - SHOGUN 1980 TRAILER
https://www.youtube.com/watch?v=D_U1Gupe6iY

 

Richard Chamberlain Diversion
https://www.youtube.com/watch?v=6FrRniVro6M

うーむ…これ、今見ると衣装やら小道具やらセットやら、当時(1980年)のアメリカの作品にしてはびっくりするほど日本描写がまともに見えますね。
いや時代考証が正確かどうかはわからないけど、日本のTV時代劇と同程度にちゃんと日本っぽいしぜんぜん違和感ないよ?

調べたら、この80年版のドラマは衣装にもメーキャップにも美術にも日本のスタッフがかなり参加してて、ロケも日本でやってました。(データはこちら↓)

 


当時としては(いや、今の基準でも)めちゃくちゃ頑張ってた映像化だったんですね。英語ウォッシングしないで日本人役に日本の俳優起用して日本語でセリフ喋らせてるのも画期的(当たり前のことなんだけど、これが今でもできてないハリウッド映画はいっぱいある)。

こちらのドラマ化作品も人気で、今でも(主に日本の外に)ファンがいる作品です。


80年版では、今回のリメイクで真田広之が演じるトラナガを三船敏郎、コズモ・ジャーヴィスが演じるブラックソーン(按針)をリチャード・チェンバレン、レディ・マリコを島田陽子が演じていました。
ちなみに「七人の侍」から三船のほかにもうひとり、宮口精二が「ムラジ」という役で出演しています。


今回のドラマはFXのミニシリーズ。

ショーランナー(脚本)はディズニーの実写版(2016年版)「ジャングル・ブック」を手がけたジャスティン・マークス&その奥さんのレイチェル・コンドウ。
原作者クラベル(故人)の娘さんミカエラ・クラベルもプロデューサーとして参加します。

 

 

真田とジャーヴィス以外のキャストは不明。


ドラマ「Shōgun(将軍)」は今年夏に撮影スタート予定。

今回のドラマ化でも当初は80年版と同じく日本ロケが望まれていましたが、オリンピックとパンデミックのためたぶん無理だそうです。マジでオリンピックとパンデミックがすべてを奪っていくよね…

 

 

 

 

日本版。絶版です。
ユーズドすらほとんどないところをみると、日本でほんと売れんかったんやな…って感じがするよね。

 

 

 

日本でも放送されたようだし、DVDが出ていたこともありますが、こちらももう入手困難。

 

 

 

原書は今でも売ってます。

 

 

 

日本ではむしろこっちが有名な「23分間の奇跡」。YAにもおすすめな作品です。