【11月】
ローベルト・ゼーターラー原作「Der Trafikant(原作邦題「キオスク」)」
キオスク (はじめて出逢う世界のおはなし オーストリア編) 2,052円 Amazon |
DER TRAFIKANT Trailer Deutsch | Ab 1. November im Kino!
原作はオーストリアの作家ローベルト・ゼーターラーの2013年の作品。
ナチズムが台頭する1930年代のウィーンのキオスクで偶然フロイトに出会ったことをきっかけに成長していく17歳の少年を描く青春小説。
東宣出版の海外文学レーベル「はじめて出逢う世界のおはなし」から邦訳が出ています。
監督&脚本は、主にオーストリアのTV映画の世界で活動しているベテラン監督ニコラウス・ライトナー(Nikolaus Leytner)。
共同脚本にリザ・テツナー「黒い兄弟」の2013年の実写映画化「Die schwarzen Brüder」を手がけたクラウス・リヒター(Klaus Richter)。
主演はドラマ「Schnell ermittelt」のサイモン・モージェ(Simon Morzé)。
ほか出演は「ヒトラー最期の12日間」のブルーノ・ガンツ、「女は二度決断する」のヨハネス・クリシュなど。
11月にドイツで公開されているようです。
ギャラード・コンリー原作「Boy Erased」(原作未訳)
BOY ERASED – Official Trailer [HD] – In Theaters November
原作は、アメリカのジャーナリスト・ギャラード・コンリー(Garrard Conley)が2016年に発表した回顧録。
バプテストの牧師を父に持ち、自分がゲイであることを隠しつつ、アーカンサスの小さな町で教会の教えが染み込んだ生活を送っていた著者。
19歳の年にカミングアウトしたところ、協会が後援するセラピーで同性愛を「治療」するか、家族も友達も毎日祈りをささげてきた「神」もすべて失うかの間で選択を迫られて、施設で聖書の教えをふんだんに取り入れた12段階に及ぶ治療に参加することに…
という物語。
監督&脚本は「ザ・ギフト」のジョエル・エジャートン。
主演は「マンチェスター・バイ・ザ・シー」のルーカス・ヘッジス。
ほか出演は監督のエジャートン、ニコール・キッドマン、ラッセル・クロウ、ロックバンドRed Hot Chili Peppersのベーシスト・フリー、グザヴィエ・ドランなど。
11月2日から全米5館で限定公開され、初登場25位のヒット。その後拡大公開されました。かなり評判が良いです。
E.T.A.ホフマン原作「The Nutcracker And The Four Realms(映画邦題「くるみ割り人形と秘密の王国」/原作原題「Nusknacker und Mausekonig」/原作邦題「クルミわりとネズミの王さま」、「くるみ割り人形」など)」
クルミわりとネズミの王さま (岩波少年文庫) 691円 Amazon |
Disney's The Nutcracker and the Four Realms - Final Trailer
原作は、ドイツの幻想文学作家E.T.A.ホフマンの19世紀初頭の作品。もとは知り合いの家の子どもたちのために書いたファンタジー小説です。
クリスマスにくるみ割り人形をもらった少女が、ネズミの王国と人形の王国の戦いに巻き込まれる、という筋の不思議な物語。
「くるみ割り人形」、「クルミわりとネズミの王さま」などの邦題で複数の出版社から邦訳が出ています。
当初「ショコラ」のラッセ・ハルストレムの単独監督でしたが、規模の大きな再撮影を経て、現在はジョー・ジョンストンとの共同監督名義になっています。
脚本は新人と思われるアシュリー・パウエル(Ashleigh Powell)。
主演は「トワイライト」シリーズのマッケンジー・フォイ。
ほか出演はキーラ・ナイトレイ、ヘレン・ミレン、モーガン・フリーマン、「シークレット・オブ・モンスター」のトム・スウィート、人気バレリーナのミスティ・コープランドなど。
11月にアメリカ公開され、評判はいまひとつのようですが、同週公開の「ボヘミアン・ラプソディ」に次ぐ初登場2位とヒット。
松崎洋原作「走れ!T校バスケット部」
走れ!T校バスケット部 (幻冬舎文庫) 535円 Amazon |
2018年11月3日(土)公開 映画『走れ!T校バスケット部』特報 主題歌版_
原作は、小説家松崎洋のデビュー作。強豪校でいじめに遭って都立高校に転校したバスケ少年が、個性的なメンバーとともに弱小チームを強化して快進撃する、というストーリーの部活青春小説。2007年から2015年にかけて全10巻が刊行されました。
監督は「アナザー Another」の古澤健。
主演は「帝一の國」の志尊淳。
ほか出演は「ちはやふる」の佐野勇斗、「忘れないと誓ったぼくがいた」の早見あかり、竹中直人、椎名桔平など。
11月に日本公開され、初登場9位。
リチャード・フォード原作「Wildlife」(原作未訳)
Wildlife - Official Trailer I HD I IFC Films
原作は、日本では「銀の森の少年」などで知られるアメリカの小説家リチャード・フォードが1990年に発表した青春小説。
1960年のモンタナを舞台に、引っ越しとそこでの新たな出会いをきっかけにして心が離れていく両親を見つめる16歳の少年を描く作品のようです。
監督は俳優ポール・ダノ。これが監督デビュー作。
脚本はダノの妻で女優のゾーイ・カザン。
主演は「アレクサンダーの、ヒドクて、ヒサンで、サイテー、サイアクな日」のエド・オクセンボールド。
ほか出演はジェイク・ギレンホール、キャリー・マリガン、ビル・キャンプなど。
11月にイギリスでやや小規模で公開されています。
J.K.ローリング原案「Fantastic Beasts: The Crimes of Grindelwald(映画邦題「ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生」/原作邦題「幻の動物とその生息地)」
幻の動物とその生息地 新装版 (ホグワーツ・ライブラリー) 1,404円 Amazon |
Fantastic Beasts: The Crimes of Grindelwald - Official Comic-Con Trailer
J.K.ローリングがかつてチャリティのために出版したホグワーツ魔法学校で使用されている魔法生物の教科書(という設定で書かれた作品)「幻の動物とその生息地」を元ネタにしたシリーズ映画の第2弾。
前作に引き続いて監督はデヴィッド・イエーツ。
脚本はJ.K.ローリング。
主演エディ・レッドメイン。
ほかキャサリン・ウォーターストン、アリソン・スドル、ダン・フォーグラー、エズラ・ミラーらが前作から続投。
新キャストとしてジュード・ロウ、ジョニー・デップ、ゾーイ・クラヴィッツらが加わります。
11月から日本を含む世界各地で公開されており大ヒット中。
「Robin Hood(原案「ロビン・フッド」)」
ロビン・フッドのゆかいな冒険〈1〉 (岩波少年文庫) 67,151円 Amazon |
Robin Hood (2018 Movie) Official Trailer – Taron Egerton, Jamie Foxx, Jamie Dornan
これまでに何度も映画化されているイギリスの伝説「ロビン・フッド」を題材にした新たなアクションアドベンチャー映画。
監督はTVドラマ「クリミナル・ジャスティス」のオットー・バサースト。
脚本は新人ベン・チャンドラー(Ben Chandler)&デヴィッド・ジェイムズ・ケリー(David James Kelly)。
主演は「キングスマン」のタロン・エジャートン。
ほか出演はジェイミー・フォックス、「フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ」のジェイミー・ドーナン、「ブリッジ・オブ・スパイ」のイヴ・ヒューソン、「ゲームウォーズ」のベン・メンデルソーンなど。
11月にアメリカで公開され、初登場7位。評判がとても悪いです。
フィリップ・リーヴ原作「Mortal Engines(映画邦題「移動都市/モータル・エンジン」/原作邦題「移動都市」)」
Mortal Engines Official Trailer [HD]
移動都市 (創元SF文庫) 1,015円 Amazon |
原作はイギリスのYA作家フィリップ・リーヴが2001年に発表したスチームパンクファンタジー小説。
移動しながらお互いを食い合う機械の都市に人々が住む未来の世界を舞台に、ギルド見習いの少年トムと顔に傷を負ったミステリアスな少女へスターの戦いを描く冒険活劇。
2002年ウィットブレッド賞(現コスタ賞)児童書部門ショートリスト作品。
なかなか好評で、その後3作の続編が出ており、4部作で完結。
シリーズ全作東京創元社から邦訳が出ています。
監督は「指輪物語(ロード・オブ・ザ・リング)」、「ホビット」シリーズにずっと参加しているVFXアーティスト・クリスチャン・リヴァーズ(Christian Rivers)。これが監督デビュー作。
脚本は、その「指輪」&「ホビット」でリヴァース監督と仕事をしていたピーター・ジャクソン、フラン・ウォルシュ、フィリパ・ボウエンの大物トリオ。
主演は「シャドウハンター 骨の街」のロバート・シーハン。
ほか出演はアイスランド人女優ヘラ・ヒルマー(Hera Hilmar)、ヒューゴ・ウィーヴィング、韓国人歌手ジヘなど。
2018年12月8日にイギリス、12月14日にアメリカ公開予定。日本公開は少し先の2019年3月1日です。
ジュリー・マーフィー原作「Dumplin'(原作邦題「恋するぷにちゃん」)」
恋するぷにちゃん (SUPER!YA) 1,620円 Amazon |
Dumplin' | Official Trailer [HD] | Netflix
原作は、アメリカの若手YA作家ジュリー・マーフィ(Julie Murphy)が2015年に発表した青春コメディ小説。
元ミスコン女王のママから「ぷにちゃん(Dumplin')」と呼ばれるポッチャリ女子のウィロウディーン(ウィル)が、バイト先で私立校に通う男子ボーに出会ってお互い恋に落ち、自分に疑問を持つようになった結果、スレンダーな女子たちと同じくらい自分にはその価値があると世界に知らしめるためにミスコンに出ることになってしまう…というストーリー。
小学館から邦訳が出ています。
監督は「ステップ・アップ」のアン・フレッチャー。
脚本はジェリー・スピネッリのロングセラーYA「スターガール」の映画化脚本を担当しているクリスティン・ハーン(Kristin Hahn)。
主演は「パティ・ケイクス」のダニエル・マクドナルド。
ほか出演はジェニファー・アニストン、「ギヴァー記憶を注ぐ者」のオデイア・ラッシュ、ドラマ「ディセンダント」のダヴ・キャメロン、「Measure of a Man」のルーク・ベンワードなど。
2018年12月7日よりNetflixで配信中。
ラドヤード・キプリング原作「Mowgli(映画邦題「モーグリ: ジャングルの伝説」/原作邦題「ジャングル・ブック」)」(ワーナー/Netflix版)
ジャングル・ブック (岩波少年文庫) 864円 Amazon |
Mowgli: Legend of the Jungle Trailer #1 (2018) | Movieclips Trailers
原作はラドヤード・キプリングによる、インドのジャングルで狼に拾われて育てられた野生児モウグリの成長と戦いを描く名作文学。岩波少年文庫や福音館書店などから邦訳が出ています。
「ジャングル・ブック」の実写版はメガヒット作(←日本以外では)になったディズニー版が2016年に公開されたばかりですが、こちらの映画はディズニー版の続編ではなく、他社(ワーナー)製作の全然別の作品です。ディズニーよりもダークで血みどろな「ジャングル・ブック」と言われています。
また動物たちを全部CGアニメで作っていたディズニー版に対し、モーション・キャプチャー界のパイオニアにして名優アンディ・サーキスが監督をつとめるこのワーナー版は動物たちが表情も含めてモーション・キャプチャー。
監督は「ホビット」(の第2班監督)のアンディ・サーキス。
脚本は新人カリー・クローヴス。
ポストプロダクションを「ゼロ・グラビティ」のオスカー監督アルフォンソ・キュアロンが手伝っているようです。
主演は「ローン・サバイバー」のローハン・チャンド。
ほか出演(動物役の声優&モーション・キャプチャー)はベネディクト・カンバーバッチ、ナオミ・ハリス、ケイト・ブランシェット、クリスチャン・ベイル、アンディ・サーキスなど。
いちばん最初の予定から約2年延びて2018年10月19日アメリカ劇場公開予定…
…がいったん決まっていましたが、今年7月になってNetflixがこの作品の権利をワーナーから買い取ったため、そちらの劇場公開はなくなり、2018年12月7日よりNetflixで配信中。
P.L.トラヴァース原案「Mary Poppins Returns(映画邦題「メリー・ポピンズ リターンズ」/原案「メアリー・ポピンズ」シリーズ)」
風にのってきたメアリー・ポピンズ (岩波少年文庫) 778円 Amazon |
Mary Poppins Returns | Official Trailer
原案である「メアリー・ポピンズ」シリーズはオーストラリア出身の作家P.L.トラヴァースによって1930年代から80年代にかけて発表された児童書ファンタジー。
ロンドンに暮らすバンクス家の人々と、不思議なナニーのメアリー・ポピンズとの交流を描いたシリーズ作品です。岩波書店などから邦訳が出ています。
1964年にはディズニーで実写映画化されて大ヒットしていますが、今回の映画化は同じディズニーによる、64年版映画の25年後を舞台にした続編。
おとなになったバンクス家のマイケルとジェーンのもとに、魔法のナニー・メアリー(メリー)・ポピンズが戻ってくる、というストーリーのようです。
監督は「シカゴ」のロブ・マーシャル。
脚本は「ネバーランド」のデイヴィッド・マギー。
主演エミリー・ブラント。
ほか出演はベン・ウィショー、エミリー・モーティマー、メリル・ストリープ、リン=マヌエル・ミランダ、コリン・ファースなど。
2018年12月25日アメリカ公開予定。日本公開は2019年2月1日です。