昨日に引き続き、2018年カーネギー賞のノミネート作品です。


The Secret Horses of Briar Hill
by Megan Shepherd


ある朝、塀を乗り越えて病院の荒れ果てた庭に入り込んだエメラインは、そこで信じられないものを見つけた。鏡の世界からこの世界にやってきた、翼の折れた白い馬だ。庭の日時計に隠されていた馬の王からの手紙によれば、傷ついた白い馬は名前をフォックスファイアといって、邪悪な黒い馬に追われているらしい。この新しい友だちを守る目くらましのために、エメラインは何か色のあるものを集めなければならないが、世界すべてが灰色にの中、エメラインにどうやって色を見つけられるだろう?

アメリカの人気YA作家メーガン・シェファード(Megan Shepherd)の初ミドルグレード作品。第二次世界大戦下を舞台にした「ナルニア国ものがたり」のようでエリザベス・グージのようで児童書版「パイの物語」のような作品とのこと。

The Secret Horses of Briar Hill/Delacorte Books for Young Readers

¥2,090
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928 Miles From Home
by Kim Slater


遠くで働く父さんを持ち、学校の仲間に馴染もうとしている14歳のカラム・ブルックスには夢がある。この退屈な人生から抜け出して、大規模な予算とスター級のキャストで製作されるような映画の脚本家になるのだ。
でも父さんがポーランド人の恋人とその息子のセルゲイを家に招き入れて、カラムの人生はひっくり返ってしまった。外国人の転校生を嫌う学校のギャングたちになんて説明したらいい?でもカラムが足を怪我したことをきっかけに、カラムとセルゲイはゆっくりお互いを理解しはじめる。

「スマート キーラン・ウッズの事件簿」のイングランドの児童書作家キム・スレイターの作品。

928 Miles from Home/Macmillan Children's Books

¥1,615
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Windfall
by Jennifer E. Smith


親友として付き合っている男の子テディに何年も前から片想いしているアリス。彼の18歳の誕生日に宝くじをプレゼントしたところ1億4000万ドルが当たってしまって、すべてが変わってしまう。

アメリカの人気YA作家ジェニファー・E・スミス(Jennifer E. Smith)の作品。Good Game Productionsで映画化の予定あり。


Windfall/Delacorte Press

¥1,476
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Thornhill
by Pam Smy


2017年に生きるエラはチェスターの町に越してきたばかり。孤独な彼女の暮らす屋根裏部屋からは、廃墟になった館「ソーンヒル」と、その庭に出没する幽霊の少女が見える。
1982年に生きるメアリーは児童養護施設ソーンヒルで恐ろしい「彼女」に怯えながら暮らす場面緘黙症の少女。居場所と逃げ場をしだいに失い、追い詰められていく。

ひとつの館にまつわる別々の時代の2人のヒロインの物語を、半分を文章、半分を絵で語る、ブライアン・セルズニック風の500ページを超える大作ゴースト・ストーリー。
シヴォーン・ダウドの児童書ファンタジー「十三番目の子」の挿絵を担当していたイギリスのイラストレーター・パム・スマイの小説家デビュー作。画家対象のケイト・グリーナウェイ賞の方でもノミネートされています。


Thornhill/David Fickling Books

¥2,421
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The Ethan I Was Before
by Ali Standish


いつでも冒険への準備が出来ていて、親友のケイシーからの挑戦をいつでも受けたがっていたイーサン。でもそれは過去の話。あの事故にケイシーを奪われる前の話。イーサンの家族がボストンから逃げ出して、ジョージアの小さな町パルムノットに引っ越す前の話だ。
この町でイーサンはコラリーという女の子に出会い、以前の自分に戻れるだろうかと考えはじめるが、コラリーもまた秘密を抱えていた。

アメリカの新人作家アリ・スタンディッシュ(Ali Standish)のデビュー作。「Wonder」+「おやすみなさいトムさん」のような作品とのこと。

The Ethan I Was Before/Orchard Books

¥1,076
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The Guggenheim Mystery (London Eye Mystery #2)
by Robin Stevens, Siobhan Dowd


ぼくの名前はテッド・スパーク。歳は12歳と281日。友だちは7人。3ヶ月前、ぼくはいとこのサリムがどうやって観覧車ロンドン・アイの箱の中から失踪したかの謎を解いた。これはぼくのふたつめの事件。

「ボグ・チャイルド」、「怪物はささやく」(原案)などの傑作を残して2007年に早逝したイングランドのYA作家シヴォーン・ダウドの2007年出版の児童書ミステリ「London Eye Mystery」の3ヶ月後を舞台にした続編を、「英国少女探偵の事件簿」シリーズのアメリカ生まれイギリス育ちの児童書作家ロビン・スティーヴンスが執筆したもののようです。

The Guggenheim Mystery/Puffin

¥1,615
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The Way Back Home
by Allan Stratton


ゾーイ・バードは行き詰まっている。怒りに駆られていて孤独で、たったひとりの友だちであるおばあちゃんはアルツハイマーが進行している。両親がおばあちゃんを施設に入れてしまった時、ゾーイは今こそ逃げる時だと決断し、おばあちゃんを連れ出し、長く会っていないおじさんのもとへの国を横断する旅へ出発した。

「沈黙のはてに」のカナダの小説家&劇作家アラン・ストラットンの作品。

The Way Back Home/Andersen

¥1,346
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Coyote Summer
by Mimi Thebo


時々わたしは、みんながわたしを透かして見ることができているような気がする。わたしのすべての秘密、誰にも知られたくないことが、全部わたしの周りにぶら下がっているような。
母さんはわたしを追放し、世界半周ぶん向こうのカンザスに住む自分の妹のもとに送った。カンザスに行ったことある?なんにもなさが圧倒的。
みんながわたしを落伍者だと思ってる。そんな中で彼だけがわたしを見てくれた。金色の瞳の野生のコヨーテ。

14歳の孤独な少女とコヨーテの交流を描くYAのようです。イギリスで活動するアメリカ生まれの児童書作家ミミ・セボー(Mimi Thebo)の作品。


Coyote Summer/Oxford University Press

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The Hate U Give
by Angie Thomas


16歳のスター・カーターはふたつの世界のあいだを揺れ動いている。彼女が住む貧しい地区と、彼女が学ぶきれいな郊外の寄宿学校と。
ふたつの世界のあいだの危ういバランスは、幼なじみの親友カーリルが警官に射殺されたのを目撃したことで壊れてしまった。カーリルは武器を持っていなかったのに。

アメリカの新人YA作家アンジー・トーマス(Angie Thomas)の話題の大ヒットデビュー作。
2017年ボストングローブ・ホーンブック賞フィクション部門受賞作品、2017年全米図書賞ロングリスト、2017年カーカス賞児童書部門最終候補作品。
アマンドラ・ステンバーグ主演の映画化作品が現在撮影中で、多分来年には見られると思います。


The Hate U Give/Walker Books Ltd

¥1,346
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Dragon's Green (Worldquake Sequence #1)
by Scarlett Thomas


「世界震(ワールドクエイク)」の後、エフィ・トゥルーラヴは魔法について知るようになった。自分では魔法を使わないが、エフィには学ぶにまかせている祖父のグリフィンの図書館で過ごす時間が確信させた。でも彼女にはまだ学ばなければいけないことがある。「異世界(アザーワールド)」のこと、宇宙のすべてを破壊しようとする結社ディベリのこと。
エフィとその学校友だちのオタクのマクシミリアン、ラグビー馬鹿のウルフ、頼りになるレキシー、変人のレイヴンだけがそれを止めることができるが、残り時間は減りつつある。

イングランドのYA作家スカーレット・トマス(Scarlett Thomas)によるファンタジーのシリーズ1作目。

Dragon’s Green (Worldquake)/Canongate Books Ltd

¥1,817
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あと2回ほど続くと思います。