ひょんなことで、この作品に出くわしたのだった!![]()
萩原朔太郎
「猫町」
ここで、こんな本を先ずは紹介しておこう。![]()
東雅夫編「猫のまぼろし、猫のまどわし」(創元推理文庫 2018)
・・・猫ほど不思議が似合う動物はいない。謎めいたところが創作意欲をかきたてるのか、古今東西、猫をめぐる物語は数知れず。本書は古くは日本の「鍋島猫騒動」に始まり、レ・ファニュやブラックウッド、泉鏡花や岡本綺堂ら東西の巨匠による妖猫小説の競演、萩原朔太郎、江戸川乱歩、つげ義春の「猫町」物語群など21編を収録。猫好きにも不思議好きにも堪えられないアンソロジー。(裏表紙より)
この中で、江戸川乱歩による文章を紹介したい!![]()
ところが、この頃私は西洋の怪談集を幾つか読む機会があって、その中に「猫町」とそっくりの着想を発見し、朔太郎のこの作を今更のように懐しみ、前記の支那怪談にまで類想したのであった。
作者はイギリスのアルジャーノン・ブラックウッド、作品は中篇「古き魔術」、その意味は主人公の一人物の前世が猫であったかのような錯覚があり、その古い記憶の甦りを寓意しての「古き」である。ブラックウッドは誰も知る今世紀に於ける怪談文学の大家、ゴースト・マン(幽霊男)と呼ばれたほどの恐怖作家である。
(中 略)
萩原朔太郎の「猫町」を敷衍するとブラックウッドの「古き魔術」になる。「古き魔術」を一篇の詩に抄略すると「猫町」になる。私はこの長短二つの作品を、なぜか非常に愛するものである。 (p.127)
江戸川乱歩によるこの讃辞を受け止めて、このシリーズの端緒としたい!![]()
<萩原朔太郎「猫町」を巡って!>・・・1