E.A.ポー「黒猫」の翻訳比較・・・2 | マンボウのブログ

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フラヌールの視界から、さまざまな事象に遊ぶ

ここで一挙に時代を超え、この本を紹介してみたい!チョキ

 

 

 

 

<乙女の本棚>シリーズの一冊である。

 

 

冒頭は、こう始まる。

 

 

 私はこれから、このうえなく荒唐無稽でそれでいてごくありきたりでもある物語について筆を執ろうとしているわけだが、皆さんに私の話を信じてもらえるとは思わないし、信じることを求めもしない。

 私の五感でさえみずから感知した対象を認めまいとしているというのに、人に信じてもらえると期待するのは狂気の沙汰だろう。とはいえ、私は狂っているわけではないし、よもや夢を見ているわけでもない。どのみち、明日になれば私は死ぬ。だから今日のうちに心の重荷を下ろそうと思うのだ。

 私の当面の目的は、家庭内で起こった一連の出来事を明確かつ簡潔に、何ら注釈を加えることなく、世間の皆さんの前に差し出すことである。結果としてそれらの出来事は私を怯えさせ、苦しめ、破滅させた。

                           (斎藤寿葉訳:p.4-6)

 

 

 

リボン 斎藤寿葉(訳者):早稲田大学博士課程満期退学。専門は19世紀末から20世紀初頭のアメリカ文学。「ヘンリー・ジェイムズにおける贈与の力と資本主義」をテーマに博士論文執筆中。

 

 

 

 

 

さて、ここでポーの原文を紹介しておこうか(「The complete Tales and poems of EDGAR ALLAN POE」Penguin books 1982)!右差し

 

 

   THE BLACK CAT

 

    For the most wild yet most homely narrative which I am about to pen, I neither expect nor solicit belief.  Mad indeed would I be to expect it, in a case where my very senses reject their own evidence.  Yet, mad am I not---and very surely do I not dream.  But to-morrow I die, and to-day I would unburden my soul.  My immediate purpose is to place before the world, plainly, succinctly, and without comment, a series of mere household events. In their consequences, these events have terrified---have tortured---have destroyed me.  Yet I will not attempt to expound them. To me, they have presented little but horror---to many they will seem less terrible than baroques.

                            (p.223)

 

 

 

ポーの小説は、冒頭に何らかの講義っぽい部分が添えられているのだけど、しかつめらしく訳すと気分が削がれることがあるので、ここは、さらりと訳すのがベターだろうか。ウインク

 

 

<乙女の本棚>シリーズでも、苦労しつつも、そういう工夫があるかな(^^)グラサン

 

 

 

 

   <エドガー・アラン・ポーを読む・・・!>・・・3