2020年12月5日(土)に始まる南座の顔見世興行で「廓文章 吉田屋」が上演されるのに合わせ、南座向かいの北座ビルにある「ぎをん思いで博物館」では、演目のモデルとなった夕霧太夫をしのぶ「顔見世 特別展 夕霧太夫展」が催されています。
上方歌舞伎の代表作の一つである「廓文章 吉田屋」の主人公・夕霧太夫は、京都に生まれた実在の人物。京都の島原から大坂に移り、美貌と詩歌管弦など品格のある芸で全盛を極め、寛永三名妓と伝えられます。
今回の特別展では、夕霧の生い立ちを紹介するパネルやゆかりの品々、写真が並びます。
先月亡くなられた上方歌舞伎の重鎮で人間国宝の坂田藤十郎さんが、1998年(平成10)の南座・顔見世興行で夕霧役を演じた際(当時は三代目中村鴈治郎)に着用した華やかな衣装も展示。
さらに、今年の顔見世興行で夕霧役を務める中村壱太郎さんのインタビュー上映もあります。
会場の「ぎをん思いで博物館」を運営する井筒八ッ橋本舗では、夕霧の恋人・伊左衛門が持つ編笠をかたどった、小倉あん入りの生八ツ橋「夕霧」を1947年(昭和22)より販売。ロングセラーの銘菓は今も高い人気を誇ります。
(以上、「婦人画報」ページから転載引用)
初めて訪れた「ぎおん思いで博物館」は、北座ビルの5階に。
歴史を偲ばせる写真や資料など展示されていて、好事家には嬉しい博物館だわ。
六世中村歌右衛門の若々しい写真(昭和26年)もあって、美しい姿に思わず見とれてしまったのだった!
モニターでは歌舞伎座?だったかの公演画像が流されていて、常磐津の下座も聴こえてくる。
高尾太夫、吉野太夫と並んで、夕霧大夫は三名妓と称せられている。
「北座ビル5F ぎをん思いで博物館」
「顔見世 特別展 夕霧太夫展」開催
会期:2020年11月22日~12月20日 11:00~19:00(土曜は16:00~19:00)
入場は閉館30分前まで 入場料 500円 / 夕霧セット 500円
江戸時代初期に活躍した盲人作曲家で、現在の筝曲の基礎を確立したのが「近世筝曲の祖」と呼ばれた八橋検校だった。もちろん、井筒の「八ツ橋」は、その名に因んでいる。
ちなみに、八ツ橋の形は琴(筝)を象ったものと言われている。
二代目高尾太夫 二代目吉野太夫