人間国宝 森口邦彦 友禅/デザイン―交差する自由へのまなざし
2020.10.13 tue. - 12.06 sun.
友禅の技法で人間国宝の認定を受けている森口邦彦。森口はパリで学んだグラフィック・デザインの思考と幾何学文様を大胆に組み合わせることで、伝統工芸の「友禅」に留まらない新しい創作の可能性を拓いてきました。着物制作から三越のショッピングバッグに代表されるデザインワークまで、森口の創作は、歴史的に積み重ねられてきた技と感性を出発点に社会に友禅・デザインを還元させるための実践であるといえます。本展では、友禅とデザイン、伝統と現代、東洋と西洋などが様々に交差して生まれる森口邦彦の創作活動の全貌をご紹介いたします。
1階ロビーでは、こんな企画展が。。。
森口邦彦(1941- )さんの講演は、いつぞや春秋座で聞いたなあ!
4階(コレクション・ギャラリー)では、こんな特別展が・・・
京都洋画壇を代表する巨匠、須田国太郎には、美学者・美術史家としての側面もあります。画家になるための勉強の一環として京都帝国大学哲学科に学んだ彼は、写実主義をめぐる思索を通じて自身の進むべき道を見定めたといえます。彼の思想の一部を振り返りながら、そのユニークな画業の流れを当館コレクションによりご覧いただきます。
須田国太郎(1891-1961)の遺産が32点並んでいる。
訪れたのは、これがメインとして。。。
この中では、晩年に描いた鳥たちの姿が眼を惹くなあ!
同じ、4階には、こんな作品も居並ぶ。。。
「パンリアル美術協会解散によせて」
たまたま、今年度第2回展で「歴程美術協会からパンリアル、パンリアル美術協会へ」という特集展示を行う予定にしていました。ところが、コロナ感染拡大に伴う臨時休館により白紙となり、スケジュールを組み直している最中、パンリアル美術協会が今年4月に解散したことを知り、当初の内容を変更し、パンリアル美術協会結成後に焦点を当てます。
パンリアル美術協会は、前年結成されたパンリアルから陶芸家や油彩画家が抜けたのを機に日本画家に会員を限定し、昭和24(1949)年に結成されました。結成時のメンバーは、山崎隆、三上誠、星野眞吾、田中進(竜児)、不動茂弥、松井章、大野秀隆(俶嵩)、小郷良一、佐藤勝彦、下村良之介、鈴木吉雄で、第1回展を藤井大丸で開催すると共に、「パンリアル宣言」を発表しています。この宣言によれば、パンリアル美術協会は、因習にとらわれた日本画壇の打破。広く科学的、文化的、世界的視野に立っての旧来絵画の批判・検討。生活感情の激しい内燃からの科学的実験的方法による絵画におけるリアリティの徹底的追究。モティーフ、材質技法の両面に於ける膠彩芸術(=日本画)の可能性拡大。を旨としており、第二次世界大戦敗戦後、停滞していた日本画界に新風を吹き込みました。本特集ではその歩みを、ピカソ風、シュルレアリスム風、と、まずは海外の潮流を取り入れて旧来の日本画からの脱却を図った結成から2年間の熱の籠った若々しい活動と、落ち着いて制作に取り組み、それぞれが独自のモティーフと材質技法を見つけ出し変革を遂げた1950年代後半から1960年代の活動を、パンリアル展出品作を中心に展示し、辿ります。その中で、田中竜児作品は、修復を経て当館で初めて披露するもので、パンリアル展出品以来実に70年ぶりの公開となります。修復のためパネルを解体する中で発見された作品や、出品画構想のためのデッサンと考えられる素描と共に、お楽しみください。
パンリアル美術協会は、京都の前衛芸術として一世を風靡した。
これらの作家群の中では、御大の下村良之介と大野俶嵩の名前が懐かしいわ。
下村良之介(1923- )
この人は不世出の画家だと言っていいだろう!
二度とは現れない芸術家のイマジネーションに触れるいい機会でもある。
従来の特別企画展ではなしに、こんなに贅沢で貴重な展覧会が複数見られるなんて、近美も大したもんだわ!
なお、観覧料430円というのも嬉しい(実は、視覚文化振興財団のセミナーで参加者には配布されたのだった!)。
岡崎公園にある京都国立近代美術館のすぐ南側には疎水が流れていて、季節限定で船旅をすることも・・・ https://biwakososui.kyoto.travel/information/