319日(火)

女性の気持ちをつかむ選書、探しやすい本棚

Chez Moi   神田神保町1‐17  
東京堂書店の別館で、斜め向かいのピンク色の看板が目印。

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1時間以上、滞在した。とても居心地が良かったのはなぜなんだろう。
あれもこれも、発行された本を並べるのではなくて、やはり、ここでも大まかな分類(日本文学、海外文学、女性エッセイ、女流作家の本だな、トラベルなど)なんだけども、良く選んで置かれていると感じるものが多い
初めて出会う本がたくさんあって、書名を何も記録してこなかったので何も覚えていない。写真を撮らせて頂きたのでアプします。
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<購入した本>

重松祥子『百年の梅仕事』 筑摩書房 2013310日初版

茶懐石の「辻留」の重松さんと言えば、辻嘉一さんと並んで知られる人。
単行本以外にもこの人の梅の仕事にまつわる話など、雑誌などでも見かけた事がある人は多いのではないかと思う。


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百年を超える梅干しの長持ちの秘訣を書いた本と言うよりは、重松さんの「梅」への徹底したこだわりと茶懐石の現場で長年、辻嘉一氏の指導を受けながら、会得した日本料理の素材の扱い方や料理人の心得、昭和の文豪たちとの交流を描いて何とも奥行きの深い世界を伝えている。


結婚せず、料理の道、梅の道一筋に生きてきた女性で、物事はここまで徹底的に突っ込み、我慢し、努力しないとモノにならないのだと教えられる。ご本人は自称、「梅狂い」と書いておられる。それは「強欲」なのだと。


良く働く人で、それが周りの料亭の人や文士たちの心を動かして、この人を育てている。人に恵まれた幸せな人だ。
日本の伝統的な茶懐石の世界についても、教えられることが多い。
料理人・辻嘉一は、解説してああだこうだと教える人ではなかったらしい。
美意識や理念の一騎打ちと言うような世界があり、その世界に料理も生き方も根ざしていた・・・。最近読んだ中では、強く印象に残る本。読み終えて、もう一度味わいたいと思う。おいしい梅を1粒、食べた後、もう一個味わってみたいと思うのに似ている。本との出会いが刺激的なのも書店の大きな魅力なのだとつくづく思った。