3/9、日生劇場にて東京公演の幕が開き、

大阪、愛知、福岡、熊本を周り、

昨日高崎芸術劇場にて閉幕した

「カムフロムアウェイ」覚書です。

私は東京公演のみ2回観劇です。

メインキャスト12人で100人以上もの役を演じます。

(五十音順、敬称略)

安蘭けい、石川禅、浦井健治、加藤和樹、咲妃みゆ、

シルビア・グラブ、田代万里生、橋本さとし、

濱田めぐみ、森公美子、柚希礼音、吉原光夫

スタンバイキャスト

上条駿、栗原絵美、湊陽奈、安福毅

 

M1「Welcome to the Rock」

全員の歌唱で力強く始まります。

ニューファンドランド島の日常風景。

かつては多くの飛行機が給油のために立ち寄った

世界最大の空港を持つ島も、

今では1日6便程度になり、

空港封鎖も噂されています。

空港近くの町ガンダーの町長(橋本さん)は

馴染みのカフェにて世間話をしつつ、

スクールバスのストの件で

バス会社のガース(浦井さん)とバチバチ。

そのあおりを食って

学校の先生(?)ビューラ(柚希さん)は

生徒の送り迎えをしています。

動物の保護活動をしているボニー(シルビアさん)、

車の往来の中見つけた警官オズ(吉原さん)に

「ラジオをつけて!」と叫びます。

再びカフェ、町長の元に挨拶に来た

新人アナウンサーのジャニス(咲妃さん)もいます。

オズが走り込んで来て、

管制官のダグ(石川さん)に早く空港に行くように、

そして店のラジオのボリュームを上げるように指示。

9.11テロ事件を、島民たちが知ることになります。

 

アメリカ全土の空港が閉鎖され、

行き場を失った飛行機が

次々とガンダー国際空港に降り立ちます。

詳しい理由は機長にも明かされず、

それぞれ何か理由をつけて。

でも飛行機からはなかなか降りられません。

勝手に降りたら撃たれます。

フライトを含め28時間も

飛行機に閉じ込められた乗客もいました。

ご機嫌取りに振舞われたアルコールでハメを外して

飛行機から外で待機している島民たちに

胸(下着あり)を見せる女子2人あり。

森さんと咲妃さん。

一番のグラマーさんの森さんに目を奪われ(←)

初回のときは咲妃さんに気づきませんでした。

2度目は意識して見ました←

なんか色々ごめん。

会議に出席するために飛行機に乗っていた

イギリス人のニック(石川さん)は仕事をしたいので

酔っぱらいの喧騒から逃げて

静かな空席に移動。

隣にいたのはテキサス出身のダイアン(安蘭さん)。

大切な誰かも別の飛行機に乗っていて、

それを案じている様子。

ニックは勝手に旦那さんだと思い込みますが

後ほどそれは息子と判明。

ダイアンは離婚していることが分かります。

偶然隣り合わせることが重なり、

互いに居心地の良さを感じていく2人。

 

ビューラの学校では

700人の避難民を受け入れることになりました。

日用品は近くのショッパーが無料で提供してくれたり、

島民が寄付をしてくれたり。

アネット(濱田さん)と共に

受け入れ準備を着々と進めるビューラ。

 

これだけの飛行機があるので

絶対に動物も乗っているはず!と

ボニーは禁じられている格納庫に侵入。

犬、猫のほかにボノボのつがいを見つけました。

ボノボはニューファンドランド島にはいない動物なので

飛行機から出してはいけない、と言われますが

メスのボノボは妊娠中。

格納庫から出してあげるために

ボニーは尽力します。

それぞれの動物の鳴き声は咲妃さんww

最初は気にしてなかったのですが、

ボニーとダグ以外のキャストが引っ込んでいるのに

よく見たら背後に咲妃さんが居て、

「キィーキィー」とか口が動いてる!

鳴きまねが凄く上手でびっくりしました。

 

乗客はようやく飛行機を降りることを許可されます。

入国審査みたいなのが一応あり、

目的地や理由を問われます。

中東系と分かる乗客アリ(田代さん)は

エジプト出身、目的地はダラスとワシントンD.C、

訪問理由は出張、と答え、別室に連れて行かれます。

 

7000人近くの避難民、

ガンダーだけではとても収まりきらないので、

近くの町にも協力をしてもらいますが

移動手段がありません。

スクールバスがストをやめて協力してくれれば・・・。

市長とガースの話し合いは平行線でしたが、

避難民たちを実際に見たからか、

ガースは避難民の輸送の件についてだけは

協力してくれることになりました。

言葉が分からないアフリカ系の乗客、

何も知らされずバスに揺られて

目的地に着いても降りようとせず、

不安で表情を硬くします。

1人の女性(森さん)の手に聖書を見つけたガース、

言葉は分からないけれども

同じ章に同じことが書いてあるはず、と

聖書を借りてマタイ6章(だったかな)

「汝、思い患うなかれ」を指さします。

乗客たちに安堵の表情が浮かびました。

なるほど、聖書にはこんな使い方もあるのか、

と感心しました。

 

ビューラの学校についた避難民たちは

まず、飛行機が緊急着陸した理由を知りたがります。

言葉で説明するよりテレビを見せることに。

繰り返される映像を

誰かがテレビを消すまで眺め続けました。

避難民のために電話やインターネットを設置。

息子に強く勧められて

いやいや旅に出たハンナ(森さん)、

消防士であるその息子と連絡がつかず。

ワールドトレードセンターの惨事で怪我をして

病院に運ばれているのではないか、と

何度も何度も電話に並びます。

自分の息子も消防士だ、というビューラ、

ハンナを気にかけ、元気づけようとします。

アメリカン航空初の女性機長のビバリーは

夫との電話の中で、

ビルに突っ込んだ飛行機に

知り合いの機長が乗っていたことを知ります。

愛する飛行機が爆弾として使われたことを嘆き、

機長は最後まで自分の飛行機を守るはず、

と歌います。

ビューラが自信を持って提供した食事ですが、

ユダヤ教のラビ(吉原さん)は

コーシャミールしか食べられません。

他にも宗教の教義により

食べられないものがある人もいます。

ケヴィン・T(浦井さん)とケヴィン・J(田代さん)は

ゲイのカップルでベジタリアンなので

動物性たっぷりの食事はNG。

言ってもらうまで気づかなかったことです。

一目でわかる中東風の風貌から

周囲の人に警戒されていたアリはビューラに

「料理を手伝わせて欲しい」と願います。

「あなたはお客様なんだから」と断るビューラ。

でも最初の言い方は

やっぱりちょっとビビっているように聞こえました。

でもなるべく快適に過ごせるように気にかけていて、

「これなら食べられるでしょ」と

タラとチーズのスープを渡します。

名前を忘れてしまったけど

多分「コッド(COD)スープ」かな?

おいしさに目を丸くしたアリ、

3度目に「料理を作らせて」と言ったとき、

ホテルチェーンの料理長であることを明かします。

ビューラは喜んで「手伝って!」と手を引きます。

アリ、最初から言え~。

Wケヴィン、同じ会社の社長(T浦井さん)と

秘書(J田代さん)。

Jは「僕は卑猥な秘書!」というので、

Jの方から迫ったのだろうか←

2人は仲良しのようだけれども性格はかなり違い、

Tはこの避難生活を楽しもうと積極的。

Jはできれば籠ってゴロゴロしていたいけれど

Tに連れられてしぶしぶ外出する感じです。

 

島民たちがそれぞれに、

避難民を家に招いてくれるようになりました。

ニューヨーカーのボブ(K.K氏)は、

タダでシャワーを貸してくれるって?

後でお金を取られるんじゃないか、

財布を盗まれるんじゃないか、と

猜疑心満載。

最初は断っていましたが

アップルトンの町長(橋本さん、町長色々の1人ww)に

直接お招きを受けてしまいました。

財布は取られませんでした。

アップルトンの町長はみんなのために

バーベキュー大会を提案。

ボブに、庭先からできるだけ

コンロを取ってくるように命じます。

え・・・取ってくる?

ドキドキしながら他人の庭先に置いてある

コンロを運ぶボブ。

その姿を見たその家の人は、

・・・何故かお茶に誘ってくれます。

ボブの中の常識崩壊。

「俺は財布のことを気にしなくなった」←破顔

後でどうやって返したんでしょうね。

名前も書いてないコンロを。

ちなみに橋本さんの町長色々は

帽子や眼鏡や髭などの小道具で切り替え

笑いを誘っていました。

その小道具を無心で渡している咲妃さんが

黒子に徹している感じもツボでした。

 

Tは1人で島の教会へ。

そこで讃美歌を歌う体で歌われる「Prayer」。

「聖フランシスコの平和の祈り」という曲を

アレンジしたものだそうです。

※訳詞をつけていらっしゃる高橋亜子さん情報

浦井さんの澄んだ声が歌い出しにぴったりですね。

しばらくするとラビが歌い継ぎながら登場。

まー吉原さんのいいお声が琴線に触れます。

今までの吉原さんの中で一番好きです。

ラビに会いに来た島民(橋本さん)がいました。

自分はおそらくポーランド生まれのユダヤ人。

両親からはユダヤ人であることを

隠すように言われて育ちました。

妻にすら言ったことはありませんでした。

でも9.11のテロが起き、人生観が変わる中で、

自分がユダヤ人であることを誰かに伝えたい、

という気持ちが沸き上がりました。

ラビが島に来ている、と聞き

渡りに舟だったのでしょう。

ラビは彼にキッパを渡し、

彼は話をしている間それを被りました。

去り際にキッパを返そうとしますが、

ラビは手で断り、

彼は大事そうにキッパを胸元にしまって

教会を後にしました。

「Prayer」の曲の間、

他の宗教の人々もそれぞれお祈りをしています。

アリのところにビューラに頼まれたアネッサが来て

「図書館が空いているのでゆっくりお祈りができます」

と教えてくれました。

 

夜には近くのバーを開放し、

パーティーが開かれました。

TはいやがるJを「1杯飲んだら帰るから」と

なんとか引っ張り出しました。

「ニューランドランドの民になりたい人~!」

みたいな催しが行われ、

すっかり島の虜になったボブもノリノリで参加。

好奇心溢れるTも参加。

それにダイアンとニックを合わせた4人の大人が

幼稚園児のような黄色い帽子をかぶって座ります。

スクリーチという強いラム酒があって、

島民なら顔色を変えずに飲み干せる、とか。

それを飲み干した後出て来たのは

生身のタラ。

これにキスすると島民として認められるそう。

めちゃめちゃ生臭いみたいです。

でもニューファンドランドラブなボブは勢いでキスキスマーク

「(タラに)キスしたらもうキスしない!」と

Jに言われたけれども

Tもノリでキスキスマーク

引き気味のニックに

「あたしはするわよ、

あなたがキスしたら」とダイアン。

スクリーチで酔っぱらっている様子ですが、

そう言われたらニックもしないわけにはいきませんキスマーク

そしたらダイアン、手のひら返し、

「あたししなーーーい」←

タラとキスした男(ニック)とキスすれば

島民として認める、と条件が変わりました。

ダイアン、ニックにキスマーク

なんて盛り上がりを見せる中、

Jは何も言わずに店を出ていました。

 

4日目、とうとう飛行機の飛行許可が出ました。

飛行機は長い間陸に置いたままにしておくと

壊れてしまうものなんだそうです。

アリは出国に際しても疑惑の目で見られました。

「彼と同じ飛行機には乗りたくない」

という客室乗務員もいて、

ビバリーは飛行機の安全を守るという大義名分のもと、

アリの身体検査に同席します。

イスラム教ではアウラと呼ばれる

へそから膝がしらまでの領域を

妻以外の人前でさらしてはいけません。

アリは教義に反する屈辱的な検査を強要されます。

やっと帰れる、と喜んだ乗客でしたが、

1機の飛行機がパンクして滑走路をふさいでしまい、

その日に飛び立つことは叶いませんでした。

ニックとダイアンは最後に

ニューファンドランドの景色を目に焼き付けようと

散歩に出かけます。

冒頭から大活躍の椅子たちの上を歩く2人。

盆が回って、他のキャストが1つずつ

2人の歩く先に置いて行きます。

その動きが滑らかで延々と続く道のよう。

椅子は全部デザインが違うのだけれど、

座面の高さはほとんど一緒なんですね。

美しい風景に溶け込むダイアンの姿を

写真に収めるニック。

飛行機がアメリカに戻れば

イギリスとテキサス、

別々の人生を歩いて行くのか・・・。

「Stop The World」

 

5日目、出発は嵐の到来の時間との戦いになりました。

島民に謝礼を渡そうとしても誰も受け取らず。

でもあまりにも要望があるので、

役所の投書箱に入れてください、とビューラ。

後日投書箱を開けてみると

6万ドル(だったかな?)くらい入っていたそう。

そしていたるところに「Thank You」の文字が

残されていたそうです。

機内ではボブが例の黄色い帽子を使って

募金集めなどしていました。

一方、ニックとダイアン、

仲良くお隣同士でお話中、

飛行機が揺れてニックがダイアンのおでこにキス。

ダイアンはニックが外したんだと思い、

唇にキス←

そこからCAに冷やかされるくらい

イチャイチャの旅になりました。

 

マンハッタンに戻ったボブ、

まだくすぶっているビルを目にし、

現実の引き戻されます。

そして数日間の人との濃い繋がりを体験したからか、

心に穴が開いているような気持ちを感じました。

息子の消息を探していたハンナは

ビューラに電話をします。

「息子が死んじゃった・・・」

「それは、悲しいわね」

ビューラの言葉、文字にするとおざなりだけれど、

嘘の無い、心のこもった言葉でした。

 

そして10年後。

ガンダーでの記念式典(?)に

あの頃の避難民も帰って来て

島民たちとの交流を楽しみました。

ニックとダイアンは遠距離恋愛が難しく・・・

結婚しちゃいました!

新人アナウンサーだったジャニスは

テロ事件のとき、

どのニュースにも映っていたことで注目され、

〇〇からオファーが来たの!と。

〇〇、よくわからないんですが、

きっと大手のテレビ局かニュース番組か

そういうものだと思います。

出世のチャンスだったけれども、

あのとき本当に困っている、悲しんでいる人たちに

マイクを向けるのが辛かったジャニスは

ガンダーにとどまることを選びました。

Wケヴィンのカップルは破局し、

Tの隣には新しい恋人のロビン(K.K氏)が。

ロビンて・・・ご縁がある名前なのかしらね?

インタビューするジャニスに

ドヤ顔を向けていたように見えました。

ロビンとケヴィンがキスするかのように

顔を近づけたところでストップし

照明も暗くなりました。

最後は「Welcome to the Rock」リプライズで終了。

 

流れに乗れず書けなかったことも

あらゆるエピソードが良かったです。

ヘラジカとか

ブリストル機長・・・っていうか

アネットの妄想とかも。

不安でいっぱいのお客様たちを

島民上げて元気づけ

なるべく不自由ないようにおもてなししてくれる、

しかもお客様の数が島民と同じくらい!!

「どうしてそんなに親切にしてくれるのか?」

と聞いたボブにアップルタウンの町長は

「お前もするだろ?」と答えるけれど、

なかなかできることではないと思います。

アリに代表される差別や

大切な人を失う悲しみもきちんと描かれつつ、

前向きな感じで終わるのがとても良かったです。

歌だけではなく芝居も上手なキャスト揃いで

大満足な作品でした。

 

大千秋楽カーテンコールの様子です。

 

コマンダーガンダー愛を感じる橋本さん。

 

 

ビアさんグッジョブグッド!

 

 

 

 

 

てんびん座おとめ座