ようやく見に行くことが出来ました!

オッペンハイマー in Dolby Cinema~。
登場人物多め、3時間、事前知識がモノをいう映画、ということで、映画の核心に触れない程度にお勉強していった。

 
💭
やっぱり難しかった!
細部まで理解するには2回は必要。
だけど、3時間とても濃縮で、感情が揺さぶられ、難しいとかは一旦置いといて、多くの人に見て欲しいと思いました。





 
開始1秒で涙ぐんでしまった。
あの色、あの音、それだけで、その先が容易に想像できて。

この映画、沢山泣いてしまったのだけど、広島長崎の描写がなくとも、日本人にはその悲惨な状況が分かるから。
彼らの苦悩や喜びの先に、あの未来が待っているんだと。

私はこの映画を見て、アメリカ側の原爆賛美映画だとは思わなかった。
オッピーが聴聞会にかけられ、その議題は元をたどれば、スパイどうこうより、水爆反対に帰するもの。
原爆に成功し、拍手喝采で祭り上げられたオッピー。監督がこだわった一人称で描かれることで、少しだけオッピーの葛藤や苦悩も分かり始めた我々には、原爆を2回も落とし、それでも米がまだ水爆開発に力を注ぐ皮肉さというか、矛盾というか、盲信というか、同じ事を繰り返す恐ろしさがとても怖かった。
 
歴史は勝者によって作られる。
今のアメリカの人はこの映画に対してどういう感想を持ったんだろう。
 
マンハッタン実験の成功のシーンは、悲しく、腹立たしく、怖く、感じた。
だけど、アメリカ人にしたら、戦争を終わらせた英雄?
世界の破壊者?それとも祖国から裏切られた犠牲者?
そこがとても知りたくなった。
 
私たちの良心ラビが言ってた。
「爆弾は善人も悪人も無差別に殺す」
「物理学300年の集大成が大量破壊兵器なのか」
「そんな兵器を僕らが預かっていいか」
 
物理学者としての開発したい、止められない、という意欲、ナチに先を越されてはならぬという使命、
結局正当化したいだけ、大義名分が欲しいだけ、という日本人観客の想い。
罪があるのはナイフを発明した人ですか?そのナイフで刺した人ですか?
 
さっさと降伏しなかった日本にも腹が立ってきて。
日本の地名が出るたびに、ドキッとした。どこかで歴史が変わればいいのに、とさえ思った。
なにの罪もない市民の今も、未来も、無差別に犠牲にすることは分かっていた。
日本が負け濃厚なのも分かりきっていた。
人の心なんて軽々しく押しつぶされる。
米国の喜びようが戦争の狂気。
 
「見終わった瞬間から始まる」ノーランの映画。
The world will remember this day.
 
そして最後のシーン。I believe we did.
グッと引き込まれ、同時に無力感みたいなものも感じた… 
 
-END-
 
 
-Dolby Cinemaで見る光や音、実際の原爆はこんなもんじゃなかったんだろうなと思うとまた泣けてきた...
 
-原爆ドームは今や凄い外国人の訪問者数。資料館に行き、彼らは何を想ってくれるだろう。
 

-We knew the world would not be the same.

Now I am become Death, the Destroyer of worlds.-