こんにちは、リブラです。
今回、11~12章の解説です。
第11~12章 未来を予告する夢、過去生を追体験する夢
エリザベスが15歳のとき、不思議な夢を見ました。
それは、母親の出産に立ち会っている場面でした。
高齢出産で難産となり、
ようやく生まれてきた赤ん坊は、
窒息して危険な状態にあります。
そこには、ひとりの医師が立っていました。
エリザベスは、その医師の外見だけでなく、
独特な歩き方まで鮮明に覚えていました。
そして、赤ん坊の命がどうにか助かった
ことを知った父親が、安堵のあまり
泣き崩れる姿も見たのです。
あまりにもリアルな夢だったため、
エリザベスは家族にその内容を話しました。
しかし、誰も真剣に取り合ってはくれませんでした。
ところが、それから1年後。
妹が生まれたとき、
エリザベスは驚くことになります。
妹の出産は、夢で見たとおりの難産でした。
生まれた赤ん坊は窒息状態にあり、
夢の中で見たのと同じように、
医師が処置をして妹の命を救いました。
そして、父親もまた、我が子の一命がとりとめ
られたことに安堵し、泣き崩れたのです。
医師の外見も、独特な歩き方も、
夢の中で見たものと一致していました。
まるで、映画の本編を観る前に、
その「予告編」だけを見せられたような体験でした。
この出来事をきっかけに、エリザベスは、
その後もしばしば夢の中で
未来の出来事を見るようになりました。
愛する人との出会い
19歳になったエリザベスは、婚約を解消しました。
それまで婚約者に縛られていた生活から解放され、
ようやく自由に若者たちとの交流を楽しめるように
なります。
そんな中で始めたのが、テニスでした。
ある日、テニスコートで球拾いをしていた少年が
負傷する場面に出会います。
そのとき、誰よりも早く少年のもとへ駆けつけ、
優しく手当てをするひとりの青年がいました。
その姿を見たエリザベスは、
強く心を動かされます。
やがて彼女は、
その青年を本気で愛するようになりました。
二人は深く情熱的な愛で結ばれ、
婚約することになります。
しかし、この頃から、エリザベスの夢に
再び不思議な世界が現れ始めました。
それは、未来ではありません。
はるか昔――古代エジプトの世界でした。
古代エジプトの記憶
エリザベスは、古代エジプトで生きていた自分
の人生を、夢の中で追体験するようになります。
そこでは、自分がファラオの娘であり、同時に
妃でもあったという人生を体験していました。
そして、とりわけ強烈だったのが、
自分の死と埋葬の場面です。
身体をミイラのように固く巻かれ、
ソリに乗せられて運ばれていく。
そして、暗い墓所へと葬られ、
そこに閉じ込められる。
そのまま3000年もの長い時間、墓の中にいる――。
それは単なる「夢」とは思えないほど、
生々しい体験でした。
目覚めた後も、その感覚は消えません。
身体は硬直し、暗い墓所に閉じ込められた恐怖が、
現実の体験であるかのように残っていました。
エリザベスは、その夢について父親にも話しました。
しかし、やはり信じてもらえません。
家族にとっては理解しがたい話だったのでしょう。
いつの間にか話題をそらされ、エリザベスの体験は
誰にも理解されないままになりました。
そこで彼女は、その夢について考えないようにします。
目の前にある現実に意識を向け、仕事や日々の生活に
熱心に打ち込むことで、できるだけその不思議な記憶
から距離を置こうとしたのです。
けれども、その夢がもたらしたものは、
単なる恐怖だけではありませんでした。
未来を予告するような夢。
そして、遠い過去を追体験するような夢。
エリザベスは、自分でも理解できない不思議な世界を、
少しずつ体験し始めていたのです。
「イニシエーション」第11~12章の要約
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予知夢を見たことがない人には、エリザベスの体験は理解しにくい?
『イニシエーション』の第11~12章では、
エリザベスが見た不思議な夢について語られています。
15歳のときに見た、妹の誕生を予告するような夢。
そして、その後に繰り返し見るようになった、
古代エジプトでの過去生と思われる夢。
この2つの体験は、エリザベス本人にとっては
非常にリアルなものです。
けれども、予知夢を見たことがない人にとっては、
「そんなこと、本当にあるの?」
と、少し置いてきぼりにされるような感覚が
あるかもしれません。
実は私も、今回この章を読んでいて、
「ここは、私自身の夢の体験を紹介してみよう」
と思いました。
なぜなら、夢を少し意識して観察するようになると、
誰にでも起こりうる「不思議な現象」に気づく
ことがあるからです。
私たちは、毎晩夢を見ている
眠りにつくまでの時間。
あるいは、目覚める直前の、まだ現実と夢の境界が
曖昧なまどろみの時間。
私たちは、そんな意識状態の中で、
しばしば夢を体験します。
夢を覚えていない人も多いと思いますが、
睡眠中にはレム睡眠などの段階で
夢が生じることが知られています。
起きている時間は、論理的に考え、判断し、行動する
「顕在意識」が主導権を握っています。
ところが眠っている間は、
その顕在意識の働きが弱まり、
普段は意識の表面に出てこない心の動きが、
夢という形で現れてくることがあります。
だから、夢を観察していると
なかなか面白いことに気づきます。
自分では意識していなかったこと。
忘れていた記憶。
そのときには意味がわからなかったイメージ。
それらが、夢の中で不思議につながっていく
ことがあるのです。
私自身も、今年8月あたりから、以前より
夢を覚えていられるようになってきました。
そこで最近、「夢日記」をつけています。
そして先日、ちょっと面白い体験がありました。
「イタリアの名家が内側から崩壊する」
ある日、こんな夢を見ました。
「イタリアの名家の建物が、
内側から蝕まれて崩壊していく」という夢です。
目覚めたとき、
「なんだろう、この夢?」と思いました。
ところが、その翌日。
今度は夢の中に、突然、
「恭一」
という名前が浮かんできました。
「恭一」という名前の知り合いは、
私にはいません。
普通なら、
「なんで恭一なんだろう?」
で終わってしまうところです。
でも、夢日記をつけていた私は、
「これは何かのヒントなのかもしれない」
と、その名前を覚えておきました。
すると、顕在意識のほうから、
ひとつの記憶が出てきました。
エドワード・ギボンの『ローマ帝国衰亡史』です。
「そういえば、ローマ帝国のような巨大なものが、
内部から衰退していく話だったな」と。
さらに、
「日本の作家で、この本をパロディにした作品
を書いた人がいたような……」
と思い、Geminiで検索してみました。
すると、出てきたのが、
小林恭二『ゼウスガーデン衰亡史』
という小説でした。
「恭一」という夢の中の名前が、
「小林恭二」につながったわけです。
しかも、この小説。
私は20代の頃、
つまり約39年前に雑誌で読んでいました。
けれども、内容はほとんど覚えていませんでした。
そこで、あらためて内容を調べてみました。
39年前に読んだ小説が、夢の中から突然よみがえった
『ゼウスガーデン衰亡史』は、テーマパークが
異常な人気を得たことをきっかけにクーデター
を起こし、独立国家「ゼウスガーデン」を
つくるという物語です。
その国家は帝国として繁栄していきます。
しかし、やがて内部の裏切りによって崩壊していく。
まさに「栄華を極めたものが、
内部から崩壊する」という物語です。
そして、私が思わず鳥肌が立ったのが、
その独立国家が成立するきっかけでした。
小説の設定では、
2012年に起きた大震災によって
日本経済と政府の機能が麻痺。
その混乱の中で、ゼウスガーデンが
圧倒的な経済力と組織力を利用し、
海外から日本へ流れ込む巨額の震災復興資金を独占。
復興バブルを吸収することで、
さらに巨大な娯楽都市へと発展していく、
という設定だったのです。
この作品が発表されたのは、私が20代だった約39年前。
もちろん、2011年の東日本大震災を
知る由もありません。
にもかかわらず、作品の中では「2012年の大震災」
という未来の出来事を想定して、物語が展開している。
さらに、作中のアトラクションには、
動物の形や生態を模して人工的に培養・合成された、
奇怪な植物生命体まで登場します。
「これって……39年前に書かれた未来予知
みたいじゃない?」と思ってしまいました。
もちろん、
これは予言だったと断定することはできません。
偶然の一致かもしれません。
でも、夢の中に突然現れた「恭一」という名前を
きっかけに、39年前の記憶が掘り起こされ、
その小説の内容までつながっていった。
この一連の流れそのものが、
私にはとても興味深かったのです。
夢は「連想ゲーム」をしているのかもしれない
その後、たまたま視聴した動画では、
金融システムの「グレート・リセット」によって
世界経済が大きく変化する可能性について
語られていました。
また、現在のトランジットを見ると、
海王星は牡羊座という「火」のサインへ。
冥王星は水瓶座という「風」のサインへ。
天王星は双子座という「風」のサインへ。
そして木星は獅子座、土星は牡羊座。
まるで「風」と「火」が強く刺激し合っている
ような配置です。
私はこういうものを眺めながら、
「大きなエネルギーが動き始めている
のかもしれないな」と感じています。
ただし、これも未来を断定する
という話ではありません。
私にとって占星術は「何が起こるか」を
決めるものではなく、
今どんなエネルギーが動いているのかを観察する
ためのひとつの地図です。
夢も、それと似ているのかもしれません。
潜在意識から届く「小さなヒント」
私は、夢には、普段の顕在意識では気づいていない情報
が浮かび上がってくることがあると思っています。
そして、それは単純なメッセージというより、
「連想ゲーム」
のような形でやってくることがあります。
「イタリアの名家が内側から崩壊する」
↓
「恭一」
↓
「ギボン」
↓
「ローマ帝国衰亡史」
↓
「小林恭二」
↓
「ゼウスガーデン衰亡史」
という具合に。
夢が答えを直接教えてくれたわけではありません。
夢は、いくつかの断片を投げてくる。
そして、それを私の顕在意識が拾い上げ、
記憶や知識と結びつけていく。
そんな「共同作業」のようにも感じられます。
ユング心理学でいう「集合的無意識」という
考え方まで広げていけば、個人の無意識は、
自分ひとりの記憶だけではなく、
人類に共有される深い心の層ともつながっている、
と考えることができます。
もしそうだとすれば、夢というものは、ときに
私たち個人を超えた大きなエネルギーのうねりを、
象徴や連想という形で伝えているのかもしれません。
これは科学的に証明された事実というより、
私が夢を観察する中で感じているひとつの仮説です。
だからこそ、面白いのです。
エリザベスが「理解してもらえなかった」理由
こうして自分でも夢を観察してみると、
エリザベスが15歳のときに見た予知夢について、
少し違った角度から読むことができます。
エリザベスは、自分に起こった不思議な体験を
家族に話しました。
けれども、誰も信じてくれませんでした。
古代エジプトの過去生と思われる夢を見たときも、
父親に話しましたが
やはり理解してもらえませんでした。
おそらく、エリザベス自身も、
まだこうした体験に慣れていなかったのでしょう。
だから、「こんな不思議なことが起きた」
と、身近な家族に共有したくなった。
でも、スピリチュアルな体験は、
誰にでも理解できるものとは限りません。
まして、体験した本人でさえ、その意味を
理解できていない段階なら、なおさらです。
だから私は、このエピソードから、
「スピリチュアルな体験を誰かに話す
ときは、相手を慎重に選ぶこと」
も、ひとつの教訓として受け取っています。
理解してもらえないからといって、
その体験の価値がなくなるわけではありません。
ただ、その体験を受け取る準備ができている人と、
まだ準備ができていない人がいる。
それだけなのかもしれません。
新しい恋人と、古代エジプトの夢
そして、もうひとつ気になるのが、
エリザベスに新しい恋人が現れた時期と、
古代エジプトの夢が始まった時期が重なっていること
です。
これは、単なる偶然として片づけるには、
少し気になるところです。
エリザベスにとって、この新しい恋は、
とても深く情熱的なものでした。
そして、その頃から古代エジプトでの人生を
追体験するような夢が始まった。
この「愛する人との出会い」と「過去生の夢」の
重なりは、この後のエリザベスの人生で起こる
イニシエーションと、深く関わっていくことになります。
つまり、第11~12章で語られている夢は、
単なる不思議なエピソードではありません。
これから起こる出来事のために、
静かに張られている伏線でもあるのです。
エリザベスはまだ、そのことを知りません。
ただ、不思議な夢を見る。
そして、その夢を理解してくれる人もいない。
だから彼女は、夢を忘れようとして、
目の前の現実に一生懸命取り組みます。
けれども、本人が忘れようとしても、
その「夢の記憶」は消えてはいませんでした。
むしろ、それは彼女の人生の奥深くで、
静かに出番を待っていたのです。
この章は、イニシエーションを理解するための、
大切な「予告編」のようなところです。
次回も「イニシエーション」の解説を予定しています。
Noteも更新しました。こちらも読んでいただけたらうれしいです!
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