こんにちは、リブラです。
今回は「イニシエーション」の第2章「ライオンと光」です。
第2章「ライオンと光」
第1章の目覚めによって、自分が「見える存在」である
ことに気づいたエリザベス。
4歳になると、今度は本の読み聞かせに夢中になります。
人がどんな体験をしたのかという話は、彼女にとって
いくら聞いても聞き飽きることがありませんでした。
人生というものに強い関心を抱き、
「人生にはどんなことが起きるのだろう」と
想像するだけで胸がときめきます。
そして、そんな彼女をさらに魅了したのが
おとぎ話でした。
ある朝、父の新聞を見たエリザベスは、
文字の意味を尋ねます。
父がアルファベットを教えると、
突然「ヴェールが裂ける」ように文字が意味を持ち、
「Little Ads(小さな広告)」と
読めるようになりました。
家族は大喜びし、彼女はまるで「光」の啓示を受けた
かのように、読書への情熱を爆発させます。
妖精の物語や童話、新聞、果ては大人向けの雑誌まで、
手当たり次第に読み漁りました。
ところが、お手伝いさんが持ち込んだ雑誌で
「恋愛」や「殺人」といった言葉に興味を示すと、
それを見つけた母は激怒します。
こうしてエリザベスは、
自分が何かに夢中になっていると、
その対象は母には決まって気に入らない
のだということを学びました。
さらに、大人たちの説明にはどこか都合のよい部分があり、
本当のことは隠されているのではないか、と感じ始めます。
そのため、心からおもしろいと思ったこと
ほど、大人には話さないほうがよいと
思うようになりました。
またこの頃、エリザベスは毎夜のように同じ悪夢を見ます。
ライオンに追われ、必死に逃げ、
「お母さん!」と叫びながら、
安全な家で待つ女性(夢の中の母)の腕へ飛び込み、
ライオンから逃れる夢です。
いつも「助かった」と思う瞬間に目が覚める
のですが、恐怖は消えません。
そのため彼女は、本当の母のベッドへ駆け込み、
ようやく安心して眠りにつくのでした。
「イニシエーション」第2章の要約
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~意識と無意識、二つの世界への目覚め~
第1章でエリザベスは、自分が「見える存在」
であることに気づきました。
そして第2章では、もう一つの大きな目覚めが訪れます。
それは、「光」と「ライオン」。
一見まったく関係のない二つの出来事ですが、
実はこの章では、人間が成長するために欠かせない
二つの世界が描かれています。
一つは目覚めた意識の世界。
もう一つは無意識の世界です。
「文字」が「光」へ変わる瞬間
父がアルファベットを教えた、その瞬間、
エリザベスは、は「ヴェールが裂ける」ような感覚を覚え、
それまで単なる記号だった文字が、
突然意味を持ちはじめます。
「Little Ads(小さい広告)」
そう読めた瞬間、世界はまったく違って見えたのでした。
これは単に「文字が読めるようになった」
という話ではありません。
今まで見えていなかったものが見えるようになる。
神秘学では、このような意識の拡大を「光」と表現します。
知識が増えたのではなく、
世界そのものの見え方が変わったのです。
本は「外の世界」を旅する乗り物
それ以来、エリザベスは本に夢中になります。
妖精の物語。人々の人生。新聞。大人向けの雑誌。
手当たり次第に読み漁りました。
なぜ、それほど夢中になったのでしょう。
わたしは、本とは「外の世界を旅する乗り物」
だからだと思います。
本を読むことにより、
それだけ外の世界を知ることが増えます。
意識は知った分だけで拡大し、
内的世界も広がるのです。
そして、知る前の世界には戻れないのです。
エリザベスも、文字が意味を持つことを理解した
瞬間、意識の世界が拡がるのを体験したのでしょう。
わたしが本で意識がガラリと変わる体験をした最初は、
小学6年生のときに移動図書館で借りた「日本人とユダヤ人」
という本でした。
「<水>と<安全>は、対価を払って手にするもの」
という厳しい現実があるのを知って、
「わたしはなんて恵まれた国に生きているんだろう」
と気づきました。
それから、「形ある富」を蓄えるよりも、
決して奪われることのない知恵を自分の内に
蓄える方が大事だとを書かれているのを目にして、
無償で本が読めるありがたさを感じました。
生きていくために絶対必要なものを確保する
ために、どんなに力を注いでいるのか。
絶対に奪われない富とは何なのか。
迫害され流浪の民となった民族
だからこその生き方の知恵が
そこに書かれていたので、
衝撃を覚えたのです。
わたしたちが外の世界の情報や知識を取り込むと、
その刺激で神経細胞のネットワークが変わり、
思考回路も変わります。
わたしたちは、
自分一人の人生しか生きられません。
しかし本を開けば、王にもなれるし、
冒険家にもなれる。
百年前にも行けるし、
まだ見ぬ国へも旅ができます。
肉体はここにありながら、
意識だけは無限に世界を広げていける。
読書とは、意識による旅なのです。
だからエリザベスは、
人の体験をいくら聞いても飽きなかったのでしょう。
彼女は人生そのものに恋をしていたのです。
わたしは星を読むようになってからは、
歴史上の人物のホロスコープと
実際の人生を照合するとき
時間旅行をしている気分になり、
無上の喜びを感じます。
大人は本当のことを教えてくれない
お手伝いさんが持ち込んだ雑誌で
「恋愛」や「殺人」に興味をエリザベスが示すと、
母は激怒しました。
この出来事を通して彼女は、
「わたしがおもしろいと思うものほど、大人は嫌がる」
と気づきます。
そしてさらに、
「大人は本当のことを隠している」
とも感じるようになります。
これは反抗心ではありません。
探求心の芽生えです。
人から与えられた答えでは満足できない。
自分の目で確かめたい。
この姿勢こそ、イニシエーションを歩む者
の第一歩なのだと思います。
ライオンは敵ではない
時を同じくして、
エリザベスは毎晩のように
ライオンに追われる夢を見ます。
必死に逃げ、「お母さん!」と叫びながら、
安全な家へ飛び込み、いつも助かったと
思う瞬間に目が覚める。
しかし恐怖は消えず、
本当の母のベッドへ駆け込むのでした。
このライオンは何を意味しているのでしょう。
わたしは、ライオンは単なる恐怖の象徴
ではないと思います。
古代エジプトではライオンは、太陽、王権、生命力、
そして守護を表す神聖な存在でもありました。
つまりライオンは、
彼女のエジプト転生の接点でもあったのです。
エリザベスは古代エジプトでは巫女であり、
イニシエーションを受け、
叡智を継承した存在です。
その使命感が、
まだ幼い彼女には受け止めきれないほど
大きな生命のエネルギーとなって、
夢という形で現れていたのではないか
と思うのです。
無意識は、象徴を通して
わたしたちに語りかけます。
ライオンは、「もっと大きな自分」が
近づいてきていることを知らせる使者
だったのかもしれません。
なぜ母のもとへ逃げたのか
ここで興味深いのは、本を読んでいるときと
夢を見ているときの違いです。
本を読んでいるとき、エリザベスの意識は
はっきりと目覚めています。
自分の意思でページをめくり、考え、
理解することができます。
ところが夢の中では、自我は眠っています。
何が起こるのかを自分で選ぶことも、
止めることもできません。
だから夢は怖いのです。
現代心理学では、幼い子どもにとって母親は
「安全基地」と呼ばれる存在です。
夢という無意識の世界から現実へ戻った
エリザベスは、母のぬくもりに触れることで、
「わたしはここにいる」
という安心感を取り戻していたのでしょう。
「光」と「ライオン」が教えてくれるもの
この章で描かれているのは、
一人の少女の読書好きや悪夢ではありません。
本によって開かれた意識の世界。
夢によって開かれた無意識の世界。
エリザベスは四歳にして、
この二つの扉を同時に開いたのです。
光は、文字を通して
過去の叡智を思い出す入り口でした。
彼女に世界を理解する力を与えました。
ライオンは、夢を通して
魂の記憶を呼び覚ます入り口でした。
自分でもまだ知らない内なる世界へと
彼女を招きました。
わたしたちも人生の中で、
本や学びによって世界を知り、
夢や直感、象徴を通して自分自身を知っていきます。
外の世界を旅することと、
内なる世界を旅すること。
その両方がそろったとき、
人は少しずつ「本当の自分」へ
と近づいていくのではないでしょうか。
わたしたちは「学ぶ」と、
新しい知識を得たと思いがちです。
けれども古代エジプト神秘学では、
学ぶとは「思い出すこと」でもあります。
エリザベスが文字に光を見たのも、
ライオンに追われたのも、
偶然ではありませんでした。
光は叡智への扉を開き、
ライオンは、過去世から受け継いで
きた使命を思い出すよう、
彼女の魂を呼び続けていたのです。
あなたは最近どんな本を読みましたか?
眠りの中でどんな夢をみましたか?
その二つは、互いに呼応し合い、
あなたの過去の叡智を思い出す入口になる
のかもしれません。
それは魂の記憶を呼び覚ます入口になる
のかもしれません。
次回も「イニシエーション」の解説を予定しています。
Noteも更新しました。こちらも読んでいただけたらうれしいです!
最後までお読みいただきありがとうございます。
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