こんにちは、リブラです。

今回はジル・ボルト・テイラー博士の「ホールブレイン」の第12章の解説です。

 

第12章「この百年を振り返る」

 

*「4つのキャラ」と世代とテクノロジー

 

・GI世代(1901年~1927年に生まれた世代)

 

第1次世界大戦、スペイン風邪の流行、世界大恐慌、第2次世界大戦を生き抜いた世代。

 

戦うために新しい技術を学ぶ強烈な左脳<考えるキャラ1>と、家族と国を守る大儀のために一致団結する右脳<考えるキャラ4>を活躍させた世代。

 

情報や知識から学ぶ左脳学習よりも、右脳でなされる体験学習の方に価値が置かれた時代に育てられました。

 

・沈黙の世代(1927~1945年に生まれた世代

 

世界大恐慌や第2次世界大戦などの爪痕で家族が家や財産を失い、食べていくのが精一杯な子ども時代を過ごした世代。

 

「子どもの面倒を見ていればよく、子どもの声に耳を傾ける必要はない」というGI時代の親に育てられたので、「沈黙の世代」と呼ばれています。

 

赤狩りの影響から公の場で自分の考えや信念を語ることが危険視され、沈黙の世代はなおさら口を閉ざすようになりました。

 

同じ会社で何年も働く忠実な左脳<考えるキャラ1>が、権威を重んじ、法律を守り、協調して生活をして、空前の経済成長を引き起こしたのもこの世代です。

 

・ベビーブーマー世代(1946~1964年に生まれた世代

 

無限のチャンスを与えられ、高度成長時代に育ち「アメリカンドリームを達成できるんだ」という神話を信じ続ける世代。

 

あらゆる形態のエンターティメント、ファッション、物質主義を受け入れる消費の権化でした。

 

ベビーブーマーたちは、右脳<考えるキャラ4>の「人間関係や家族」よりも、左脳<考えるキャラ1>の「物質的な報酬」を優先する最初の世代となりました。

 

現在のような<キャラ1>優位の社会を構築したのはこの世代です。

 

・X世代(1965~1976年に生まれた世代

 

女性の社会進出に伴い、夫婦共稼ぎや離婚が増え、学校から誰もいない家に帰ってくる「鍵っ子」が多かった世代。

 

家事や宿題を自発的にこなす環境で自立心や責任感が養われて独自性が強くなり、個性的に育った世代です。

 

幼い頃から電気機器に囲まれ、文字が読めるようになる前にリモコンを使い、ビデオゲームで遊ぶ環境は、コンピューターに強くプログラムを組んで機械の新しい使い方を生み出すX世代を育てました。

 

X世代は、ゲームを通じて「秩序を重んじる独立心旺盛な<キャラ1>と、創造的で革新的な<キャラ3>のコラボを実現すれば、大きな報酬を得られる」ことを学びました。

 

・ミレニアル世代(1977~1996年に生まれた世代

 

ミレニアル世代は仕事よりも「今この瞬間」の体験を重視します。

 

この世代は、親がつねにまわりを飛び回って面倒を見、自分で世界を探検して理解する機会なかっただけでなく、ソーシャルメディアで育ち、参加することが報酬となってつながることで、自分の価値を外部の評価に委ねるように訓練されてきました。

 

ミレニアル世代は右脳<感じるキャラ3>の価値観に忠実で、グループで仕事をしているときに、高いレベルの喜びと満足感を示し、みんなで一緒に意思決定をすることを好みます。

 

テクノロジーを身体の一部のようにして育ったので、左脳<考えるキャラ1>を新しいテクノロジーを難なく使いこなす技術に利用します。

 

その代わり、左脳<感じるキャラ2>が充分に発達していないため批判に敏感です。

 

孤立すると不安や憂鬱が引き金となり、薬物依存に走りやすい傾向があります。

 

自分のビジネスを経営しているミレニアル世代は、右脳的リーダーシップが愛をもってリードすることだと考えます。

 

・Z世代(1997~2010年に生まれた世代

 

個性的で独立心の強いX世代に育てられ、非常に機能的な左脳<考えるキャラ1>をもっています。

 

右脳的な学習法(映像などの視覚情報主流の学習法)を用いて教育されたため、全脳(ホールブレイン)的な思考力が高くなっています。

 

テクノロジーに精通した全脳的な思考をX世代が左脳優位のベビーブーマー世代の体制に融合させねばならなかったように、Z世代は全脳的な思考を右脳優位のミレニアル世代に融合させています。

 

情報化社会の中で育ったZ世代は、膨大な情報を便利に利用する左脳<考えるキャラ1>が鍛えられているので、群れの中で生き生きと活動しながらもそこに染まらず、テクノロジーと情報を頼りに動き続けることを望みます。

 

物を専有したり、持ち家を買うことに興味はなく、いつでも身軽に移動できる環境に価値を置きます。

 

全脳的思考が優位のZ世代は、美しい自然環境を守ることに関心を寄せます。

 

・わたしたちの到達点

 

生物のシステムは、欲求を感じる→欲求を満たす行動→満足→システム静止→欲求を感じる・・・という欲求の充足でシステムがバランスを取り、ホメオスタシスを保つ負のフィードバック(出力が増えると入力を減らして調整するフィードバック)で成り立っています。

 

この負のフィードバックなしに、一時も停止しないゲームやウェブサイトを観たりすればするほど、わたしたちの神経ネットワークを加速させ消耗させます。

 

進化し続けるテクノロジー社会の中で健やかに生きるには、定期的に一時停止ボタンを押して、脳が追いつき、再調整し、強制シャットダウンするチャンスを与えなければなりません。

 

これが睡眠が重要である理由のひとつです。

 

世代による違いがあるとしても、

 

「わたしたちは、右脳の意識を通して互いにつながったエネルギー体であり、人類というひとつの家族。

 

そして、今、この瞬間、わたしたちは地球上の兄弟姉妹であり、世界をより良い場所にするためここにいる。

 

そしてこの瞬間、わたしたちは、完璧で、ありのままで、美しい」

 

とテイラー博士は、TEDで述べています。

 

「ホールブレイン」より引用ー

 

占星術で世代ごとに時代を遡るならば、およそ20年かけて一つの星座を移動する冥王星を指標にするのが相応しいと思います。

 

GI世代(1901年~1927年)の誕生の頃は、ふたご座~かに座に冥王星が滞在していました。

 

ウォルト・ディズニーやミルトン・エリクソンがGI時代のふたご座冥王星生まれで、大恐慌や戦争などの不穏な状況の中にあっても、まるでゲームのトリックを攻略するようにおもしろい方を選択する人生を選んでいました。

 

沈黙の世代(1927~1945年)の誕生の頃は、かに座~しし座に冥王星が滞在していました。

 

ダライ・ラマ14世やOSHOが沈黙の世代のかに座生まれで、世界中が戦争の終結と平和を切望し、心の平穏と日常生活の安定感に価値を見い出すかに座冥王星の影響があったように思います。

 

わたしの両親もかに座冥王星の生まれで、食糧難時代を経験したせいか、「家族で一緒に何を食べるのか?」が1日の充実度に関わっている様子でした。

 

豊かで安全な生活を手に入れることが人生の目的になるような世代で、高度成長時代の担い手でした。

 

冥王星の底力でかに座の守る・育てる、しし座の華麗な成長を極めた時代だったのでしょう。

 

ベビーブーマー世代(1946~1964年)の誕生の頃は、しし座~おとめ座に冥王星が滞在していました。

 

スティーブ・ジョブズやビル・ゲイツやトランプがしし座冥王星生まれのベビーブーマー世代です。

 

大衆の期待の上を行く活動で圧倒するのがしし座冥王星の魅力です。

 

「ホールブレイン」の著者のテイラー博士も、わたしも、おとめ座冥王星生まれのベビーブーマー世代です。

 

「無限のチャンスがある」といわれても、気づくと型にハマって枠越えが難しいというジレンマを抱える世代です。

 

ルールの権化のおとめ座冥王星が、知識やデータやイビデンスで確証を求めるからです。

 

でも、そのおかげで左脳<考えるキャラ1>が鍛えられて、常に起動している状態になりました。

 

「がんばるのは得意だけど、緩めることが苦手な世代」なんだと思います。

 

テイラー博士も、脳出血で左脳の機能停止を体験しなかったとしたら、1年の5か月を湖上で暮らすボート生活はしていないでしょうね。

 

X世代(1965~1976年)の誕生の頃は、おとめ座~てんびん座に冥王星が滞在していました。

 

イーロン・マスクは、おとめ座冥王星生まれのX世代です。

 

TwitterをXに変えてしまったとき、「なぜXなんだろう?」と疑問だったのですが、イーロン・マスクがX世代生まれであることをアピールしているんだなと思いました。

 

「秩序を重んじる独立心旺盛な<キャラ1>と、創造的で革新的な<キャラ3>のコラボを実現すれば、大きな報酬を得られる」がそのまま当てはまります。

 

おとめ座冥王星をテクノロジーの分野に活かすとイーロン・マスクのようになるのでしょう。

 

バレーダンサーの熊川哲也は、てんびん座冥王星のX世代です。

 

ダンサーとしてのみならず、振付師や芸術監督もして独立しているところがてんびん座冥王星のX世代らしいと思いました。

 

ミレニアル世代(1977~1996年)の誕生の頃は、てんびん座~さそり座~いて座に冥王星が滞在していました。

 

レディ・ガガやマーク・ザッカーバーグは、さそり座冥王星のミレニアル世代です。

 

当時少数派だった同性愛の人々を擁護するような活動をしていたレディ・ガガは、後にその人々からの支持を受けてスターダムに乗ったといわれています。

 

深い信頼関係でつながり潜在能力を発揮するさそり座冥王星ミレニアル世代だなと思います。

 

実名登録を条件にFacebookを始めたザッカーバーグのポリシーも真実に価値を置くさそり座らしい感じがします。

 

そして、ミレニアル世代の特徴は、すべてとつながる右脳の<キャラ3>が優位であることなので、孤立を避ける点です。

 

コミュニティを作ることでパワーにする能力がミレニアル世代の強みです。

 

SNSが強力なパワーを持つ時代を創ったのはこのミレニアル世代なんだなと思いました。

 

Z世代(1997~2010年に生まれた世代の誕生の頃は、いて座~やぎ座に冥王星が滞在していました。

 

時代は違うのですが、いて座冥王星の生まれは、モーツァルトやノストラダムスがいます。

 

未来志向的なところがいて座冥王星らしいところかなと思います。

 

ノストラダムスは終末予言のようなところばかりが注目されますが、ペストが流行する地域に敢えて乗り込み、遺体や患者の寝具を焼却するよう指導をしていました。

 

当時はペスト菌をノミが媒介することはわかっていませんでしたが、ノストラダムスは「未来ではこのように予防している」と言っていたそうです。

 

やぎ座冥王星時代の生まれは、ナポレオンやベートーヴェンがいます。

 

フランス革命後の混乱期の一兵卒から皇帝に下剋上を果たすナポレオン、宮廷お抱えオルガニストから難聴にもめげずフリーランスの人気作曲家になったベートーヴェン、どちらも逆境をバネしてのし上がるやぎ座冥王星時代だなと思いました。

 

テイラー博士によれば、このZ世代が最初の全脳的思考優位世代だといいます。

 

右脳と左脳のバランスがとれた全脳的思考で、この地球を生きて行くZ世代がどんな活躍をするのかなと思うと凄く楽しみです。

 

生物のシステムを損なう過剰な消費社会に歯止めをかけて、負のフィードバックで回る自然なシステムに戻す流れを創っていくのでしょう。

 

次回もジル・ボルト・テイラー著「ホール・ブレイン」の解説を予定しています。

 

わたしのサロン、リブラライブラリーではあなたの心のしくみをホロスコープで解説し、心の制限、葛藤が引き寄せる現実問題にセルフヘルプで立ち向かえるようサポートします。

 

詳しくはこちらをご覧ください。

 

新メニュー(月の欲求・土星の制限の観念書き換えワーク、キローンの苦手意識を強味に変えるワーク)が加わりました。

 

最後まで読んでくださり、ありがとうございます。