こんにちは、リブラです。

今回はジル・ボルト・テイラー博士の「ホールブレイン」の第8章の解説です。

 

第8章「脳の作戦会議」

 

*平和をもたらすパワー・ツール

 

自動運転のような生活をしていると、「4つの脳キャラ」たちは、わたしたちが実際に何をすべきかには一切おかまいなしで好き勝手に行動します。

 

スポーツで円陣を組むのと一緒で、脳キャラたちがそれぞれの考えを出し合えば、みんなで次の最適な戦略的プレーを決めることができます。

 

それが「脳の作戦会議」です。

 

テイラー博士は、この「脳の作戦会議」のステップを「B・R・A・I・N」の頭文字にして、恐怖や不安に襲われたときでも思い出せるようにしました。

 

<B>Breath呼吸

 

呼吸に集中することが一時停止ボタンを押すことになります。

 

これにより、いったん意識が「今ここ」にグラウンディングします。

 

<R>Recognize気づく・認識する

 

自分が今どのキャラでいるのかを認識します。

 

<A>Appreciate真価を認める・感謝する

 

今現れているキャラを認めて感謝します。

4つの脳キャラ全員がいつも存在していることを認めて感謝します。

 

<I>Inquire尋ねる・意見を出し合う

 

4つのキャラたちを作戦会議に招き入れ、現状について集中的に審議します。

 

<N>Navigate舵をとる

 

4つのキャラたちがワン・チームとして新たな現実の海に立ち向かえるように舵をとります。

 

テイラー博士が高速道路を走っているとき、前の車がウサギを轢いてしまったことがありました。

 

その瞬間、様々な感情がテイラー博士の中で溢れてきたので、本能的に「脳の作戦会議」をしました。

 

左脳<感じるキャラ2>のアビーは大きな悲しみに飲み込まれていました。

 

左脳<考えるキャラ1>のヘレンはウサギを助けるべきか、後ろのドライバーのためにこのまま進むべきか、判断しかねていました。

 

右脳<感じるキャラ3>のピッグペンは「わたしの哺乳類脳のコレクションにウサギはないわよね」と考えていました。

 

右脳<考えるキャラ4>のヒキガエル女王はウサギを遠くから優しく心で抱きしめることを選択をして、この話し合いに終止符を打ちました。

 

「4つのキャラ」全員が、ウサギにどんな運命が待っていようとも、静かに祈りを捧げて愛を送ることに同意しました。

 

「ホールブレイン」より引用ー

 

心の平和をもたらすパワーツールである「脳の作戦会議」は、呼吸に集中することで開始されます。

 

その理由は、この会議が恐怖や不安に襲われたとき、開催のタイミングとなるからです。

 

わたしたちが恐怖や不安に襲われたとき、つまりインナーチャイルドである左脳<感じるキャラ2>が悲鳴を上げるとき、わたしたちの大脳辺縁の扁桃体は警告を発し、神経伝達物質であるノルアドレナリンが分泌されます。

 

ノルアドレナリンは恐怖や不安や怒りの感情を「逃げるか、戦うか」の選択につなげるように盛り上げます。

 

ですから、ノルアドレナリンが分泌されると瞳孔が開き、集中力が増し、血圧が上昇します。

 

こうして「逃げるか、戦うか」を考えるために血のめぐりが良くなり、身体に危険が迫っていることが伝わります。

 

すると、ストレス対処のホルモンであるアドレナリンが副腎髄質から分泌されて、さらに心拍数や血圧が上昇して、「逃げるか、戦うか」の行動の準備をします。

 

最初の分泌から90秒ほどでノルアドレナリンは消失されるのですが、恐れや不安の思考回路が回り続けるとまた分泌され、全身に危険信号が鳴り響く状態になります。

 

こうなると、思考で「危機は無し」と言い聞かせても身体の方はアドレナリンによる臨戦態勢が続いてしまいます。

 

そういうときは、身体の方から安心させた方が早く落ち着きます。

 

その1番簡単な方法が、深くゆっくりした呼吸に集中することです。

 

「逃げるか、戦うか」が必要なときに優雅にゆっくりした呼吸なんてしませんよね。

 

これをすることで身体は「危機は去った。逃げるか、戦うかをしなくていいのだ」と受けとるのです。

 

この一連の流れに脳キャラたちも気づきます。

 

<キャラ2>の悲鳴が一時停止したから「脳の作戦会議」を始めようという気になってくれます。

 

ですから、問題提議はいつも<キャラ2>の悲鳴から始まります。

 

テイラー博士の「ウサギの交通事故目撃事件」も、<キャラ2>のアビーが大きな悲しみに飲み込まれたところが始まりです。

 

テイラー博士の月(インナーチャイルド)はおひつじ座なので、ピンチにすぐ対処してくれないとき、自分が身動きとれないとき、恐れや無力感を感じます。

 

呼吸の集中でアビーが落ち着くと、<キャラ1>のヘレンが現実的な対処の2択を挙げます。

 

(アビーの悲しみの対処のため)ウサギを助けに引き返すのか、(後続の車に配慮して)ウサギを無視して前進するのか。

 

もし、「脳の作戦会議」を開いていなければ、<キャラ1>のヘレンは躊躇なくそのまま前進して、1日中アビーの悲しみや罪悪感に憑りつかれることとなったでしょう。

 

<キャラ3>のピッグペンは、「ウサギの脳はコレクションに未だ入ってないから、もし、ウサギさんが死んでいても助けに行って得るものはあるよ」と、ウサギを助けに行ってほしいアビーに味方しつつも、自分の好奇心も活かす発言をしました。

 

これはテイラー博士の金星(アニマ)が効いた発言だなと思いました。

彼女の金星はふたご座です。

 

そして、最後に脳キャラメンバーの癒しの存在、<キャラ4>ヒキガエル女王が「優しく心で抱きしめることを選択」して一件落着しました。

 

これはテイラー博士のおとめ座海王星の直感が効いた発言だなと思いました。

 

おとめ座は、みんなが幸せになるルールや法則で役に立つのが好きです。

 

後続のドライバーに迷惑をかけたくないからそのまま前進したいヘレンの気持ちも、轢かれたウサギの放置に耐えられないアビーの気持ちも、生死不明のウサギの救出に興味はないけどアビーに助け舟を出したピッグペンの気持ちも、全部わかってヒキガエル女王の引き出した最適解が、轢かれたウサギを「優しく心で抱きしめること」だったのです。

 

ここで大切なのは、最適解を引き出すことではなくて、脳キャラメンバーの本音を理解し合い、みんなの意見で最終的に最適解が引き出せることです。

 

脳キャラメンバーが同意した解決策は、今後似たような出来事が発生した場合の判断ルールに適用されます。

 

面倒くさがらずに「脳の作戦会議」で最適解を引き出すプロセスを積み重ねれば、自然に脳キャラメンバーたちの連携が取れて、脳の主導権争いは起こらなくなります。

 

問題提議役が<キャラ2>なので、インナーチャイルドを表す月星座を観れば、何を満たせば気持ちが静まるのかわかり、最適解のゴールの方向性を見定めることができます。

 

おひつじ座に月がある場合

 

「今、すぐできること」で<キャラ2>の訴えに応える行動を中心に解決策の選択肢を挙げるとよいでしょう。

 

おうし座に月がある場合

 

「五感の心地よさや安心感を回復させてあげること」を最優先に<キャラ2>の訴えに解決策の選択肢を挙げるとよいでしょう。

 

ふたご座に月がある場合

 

「話を聴いてほしい、疑問に答えてほしい」という<キャラ2>の気持ちに応じた解決策の選択肢を挙げるとよいでしょう。

 

かに座に月がある場合

 

<キャラ2>が「今どんな感情を感じているのか?」を充分聴いて理解してから、その感情を回復するための解決策の選択肢を挙げるとよいでしょう。

 

しし座に月がある場合

 

非難や無関心にダメージを受けやすい<キャラ2>に、肯定感や明るさを回復するための解決策の選択肢を挙げるとよいでしょう。

 

おとめ座に月がある場合

 

「みんなに迷惑をかけること」が心配な<キャラ2>に、どんなに「役立っているのか」を感じさせる解決策の選択肢を挙げるとよいでしょう。

 

てんびん座に月がある場合

 

「争いごとが嫌い」な<キャラ2>に、穏やかな話し合いでみんなのハーモニーが感じられる解決策の選択肢を挙げるとよいでしょう。

 

さそり座に月がある場合

 

「隠し事」に不信感を抱く<キャラ2>に、真剣に話を聴き本音で意見を出し合い、共に解決策の選択肢を絞って1つに決め

るとよいでしょう。

 

いて座に月がある場合

 

未来の絶望感に恐怖する<キャラ2>に、明るい未来の可能性が拡がるシンプルな解決策の選択肢を挙げるとよいでしょう。

 

やぎ座に月がある場合

 

時間や物質的な欠乏に恐怖する<キャラ2>に、現実的で具体的で確実な解決策の選択肢を挙げるとよいでしょう。

 

みずがめ座に月がある場合

 

常識や既成概念に縛られることを恐怖する<キャラ2>に、自由に発言してもらい、枠から外れる選択肢も挙げるとよいでしょう。

 

うお座に月がある場合

 

孤立に恐怖する<キャラ2>に、みんなと意識でつながっていることを感じさせる選択肢も挙げるとよいでしょう。

 

次回もジル・ボルト・テイラー著「ホール・ブレイン」の解説を予定しています。

 

わたしのサロン、リブラライブラリーではあなたの心のしくみをホロスコープで解説し、心の制限、葛藤が引き寄せる現実問題にセルフヘルプで立ち向かえるようサポートします。

 

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新メニュー(月の欲求・土星の制限の観念書き換えワーク、キローンの苦手意識を強味に変えるワーク)が加わりました。

 

最後まで読んでくださり、ありがとうございます。