こんにちは、リブラです。

今回はジル・ボルト・テイラー博士の「ホールブレイン」の第1章の解説です。

 

第1章「わたしの物語、わたしたちの脳」

 

テイラー博士が脳を研究するようになった理由は、脳障害の一種である統合失調症の診断を受けた、1歳半違いの兄がいたからでした。

 

幼い兄妹同士、いつも一緒でしたが、彼女と兄では、現実の受け止め方はまるで違っていました。

全く同じ経験をしても、互いに全然違う解釈をするのです。

 

たとえば、兄は母の声の調子から、「母が怒っている」と思い、テイラー博士は「母は子どもたちがケガをするのではないかと怯えている」と理解するのです。

 

幼いながらもテイラー博士はふたりの「感じ方」が異なっていることに気づいていましたが、兄は気づいていませんでした。

 

テイラー博士は大学に進むと、脳が現実の認識を作り出す仕組みに魅せられ、正常な脳と精神疾患の脳の組織の比較研究に夢中になりました。

 

その一方で、「歌う科学者」としてギターを抱えて「献脳(死後に脳を提供すること)」の大切さを伝えて回ったりもしていました。

 

脳出血をする1年前の36歳のときには、最年少で全米精神障害者家族連合会(NAMI)の理事に選出されました。

 

テイラー博士が脳動静脈奇形で脳出血を起こし、左脳の全機能を失ったのは、そんな人生の絶頂期のことでした。

 

テイラー博士はその体験から、

 

「左脳の大脳皮質のキャラ1」は、「個」としての自分とそれ以外を識別するために、比較、分析に優れ、現実的な人格。ペルソナ(外面的側面;仮面)、自我(エゴ)。

 

「左脳の辺縁系のキャラ2」は、「個」としての自分の感情や感覚をで自分の存在を感じる人格。

傷ついた子ども意識、感情の警報機。コンプレックス。

 

「右脳の辺縁系のキャラ3」は、人とつながり楽しみを共有することに無上の喜びを感じる人格。

無邪気で遊び心いっぱいの子ども意識。直感的警報機。アニムス(男性性)とアニマ女性性。

 

「右脳の大脳皮質のキャラ4」は、無限の可能性とつながる「みんなでひとつ」のワンネス意識の人格。

ありのままの自分、宇宙(すべて)と一続きの自分。

 

と位置づけています。

 

脳の中で起きていることは以下の3つだけです。

 

1.考える。

2.感情を抱く。

3.考えたり感じたりすることに対して、生理的反応を起こす

 

わたしたちの感情は、大脳辺縁系の細胞を通して経験します。

 

辺縁系の主な構造は、扁桃体海馬帯状回で、左右それぞれの脳にあります。

・扁桃体(好き、嫌いを判断)が2つ。

・海馬(学習、記憶)が2つ。

・帯状回(感情形成、感情記憶を司る)が2つ。

それぞれ左右の半球で鏡合わせの構造になっています。

 

ここで「感じる脳」キャラ2(左脳辺縁系)キャラ3(右脳辺縁系)の感情が生まれます。

 

感覚系を通じて情報が流れ込むと、まず、扁桃体に立ち寄ります。

 

扁桃体「わたし安全なの?」と質問するために待ち構えています。

いつもの馴染み深い感覚刺激がたくさん入ってくると、安全だと感じます。

 

何か違和感があると、それを危険なものに分類して、「戦うか、逃げるか、死んだふりをするか」恐怖反応で対応します。

 

扁桃体が恐怖を感じると、海馬の学習と記憶回路も動かず、大脳皮質の思考中枢とのアクセスもできなくなります。

パニックで思考停止になる状態は、辺縁系から引き起こされます。

 

左脳の「感じるキャラ2」は、自分を傷つけたことがあるものから自分を守るようにプログラムされ、常に臨戦態勢です。

 

右脳の「感じるキャラ3」は、現時点の経験をその瞬間に処理します。

常に「今ここ」に存在し、過去の記憶はありません。

魅力的なものに出会えば、熱心に近寄っていきます。

 

神経解剖学的レベルで見れば、わたしたちがなぜ相反する複雑な感情を経験するのか説明がつきます。

互いに完全に離れた、感情を司る2つの細胞群を持っているからなのです。

 

外からの情報が感覚系を通して辺縁系の感情に関わる細胞が処理をすると2つの「考える脳」(キャラ1、キャラ2)の皮質細胞が更に細かく処理します。

 

生物学的な視点から見ると、人間は「考える生き物」というよりは、考えることもできる「感じる生き物」なのです。

 

哺乳類の神経系において、新しい種は、古い脳の上に新しい脳細胞を追加することが多いのです。

 

人間の脳は、神経学的には傑作ですが、未だ進化の途上にあります。

 

新しく加わった左の考える脳(キャラ1)と元からある左の感じる脳(キャラ2)は統合中です。

新しく加わった右の考える脳(キャラ4)と元からある右の感じる脳(キャラ3)は統合中です。

 

元からある左の感じる脳(キャラ2)と元からある右の感じる脳(キャラ3)は連携中です。

新しく加わった左の考える脳(キャラ1)と新しく加わった右の考える脳(キャラ4)は連携中です。

 

これらを成し遂げたとき、わたしたちは「ホールブレイン(脳全体)」を使った生き方へと進化するのです。

 

多くの人が、自分自身の1番御し難く魅力的でない部分や傷つきやすい部分を「取り除く」ことや「直す」ことを目標にしてきました。

 

でも、自分のすべてのキャラを受け入れ、それに耳を傾け、育むことで、わたしたちは円熟し、成長し、「あなた自身」に生まれ変われるでしょう。

 

「ホールブレイン」より引用ー

 

わたしは自分のことを「考える生き物」だと長年思ってきましたが、この本の「人間は『考える生き物』というよりは、考えることもできる「感じる生き物」なのです」の言葉を見て、ハッとさせられました。

 

たしかに、太古の頃からある爬虫類脳の脳幹(反射脳)は大先輩で、哺乳類脳の大脳辺縁系(情動脳)は先輩で、人間脳の大脳新皮質(理性脳)は、新参者です。

 

文明社会に守られて、飢えや病気や外敵で命を落とすリスクが減り、脳幹(反射脳)や大脳辺縁系(情動脳)の大活躍するシーンは大脳新皮質(理性脳)に取って代わりましたが、わたしたちに喜びや幸せを感じさせる鍵を握るのは大脳辺縁系(情動脳)=「感じる脳」です。

 

テイラー博士は、その辺縁系が右脳と左脳で違ったことがプログラムで処理されていることを明らかにしてくれました。

 

辺縁系は、扁桃体が「わたし安全なの?」常に問いかけ、好き嫌いを判断し、海馬は学習と記憶を担当して、帯状回はそれらの情報を結びつけて感情形成や感情記憶を刻みます。

 

そして、驚くべきは、時間感覚も左脳と右脳で違うことです。

 

左脳は、過去→現在→未来へと一直線上につながる、順序立てた時間感覚を持っています。

 

右脳は、「今、ここ」しかなく、過去と現在と未来が同時存在しています。

 

この性質を知っていると、「今がダメだと、未来も危うい」と左脳の「感じる脳」(キャラ2)が先の不安を感じてしまう気持ちがわかりますよね。

 

右脳の「感じる脳」(キャラ3)は「今、ここ」の危機だけを心配するだけでいいので、いつでも無邪気に楽しみを追いかけたくなる気持ちもよくわかります。

 

そして、この左右の辺縁系のどちらかでも恐怖反応を起こすと、左右の「考える脳」(キャラ1とキャラ4)は機能停止ボタンを押されてパニック状態になってしまうわけです。

 

わたしたちの人生の幸福度は左右の辺縁系のご機嫌をどうとるかにかかっているのです。

 

「感じる脳」(キャラ2、キャラ3)の取り扱いで大切なことは、「管轄外の業務」を与えないことです。

 

なんでも左脳にお任せのわたしたちは、うっかり、左脳の「感じるキャラ2」に予測不可能な未来の心配をさせてしまうことがよくあります。

 

予測不可能の未来って、過去→現在→未来へと一直線上につながることはありませんよね?

だから、左脳の「感じるキャラ2」は「ああなったら、どうしよう。こうなったらどうしよう」と、時系列で未だ起こってないことを想定して不安になるのです。

 

ある程度予測可能な未来で、順序立てて考えることができる案件ならば、左脳の「感じるキャラ2」の「わたし安全なの?」の問いに左脳の「考えるキャラ1」が現実的な対策をひねり出せますが、予測不可能な未来についてだと左脳キャラたちはお手上げなのです。

 

そんなときこそ、右脳の「感じる脳」(キャラ3)と「考える脳」(キャラ4)の出番です。

 

右脳の「感じる脳」(キャラ3)は、「今、ここ」を安全で心地良い状態に演出するだけでご機嫌がとれます。

 

これをすると気分が良くなるとか、明るくなるとかの気分転換をちょっとやって、「なんとなく、こんな未来が訪れたらいいなあ」とイメージの中で遊んでみるのです。

 

それが楽しくなってきたらしめたものです。

一応、明るい未来のイメージは刻んだのですから、どんな未来かわからなくても明るく楽しい未来の雰囲気につながっていることは確かですから。

 

気分さえ回復できていれば、その心の周波数に相応しい未来がやって来るのです。

 

このように、共鳴共振の法則が働くのも、右脳の「感じるキャラ3」や「考えるキャラ4」に任せたときです。

 

左脳キャラに任せれば、左脳が描く過去→現在→未来へと一直線上につながる世界観になるので、過去や現在の制限を受けた未来になります。

 

右脳キャラに任せれば、右脳が描く無限の可能性につながる、心の周波数に相応しい未来になります。

 

予測可能なことは左脳キャラに、予測不可能なことは右脳キャラに任せて仕事ぶりを観察するうちに、どれが左脳キャラ案件で、どれが右脳キャラ案件なのか、コツがつかめるようになってきますよ。

 

次回もジル・ボルト・テイラー著「ホール・ブレイン」の解説を予定しています。

 

わたしのサロン、リブラライブラリーではあなたの心のしくみをホロスコープで解説し、心の制限、葛藤が引き寄せる現実問題にセルフヘルプで立ち向かえるようサポートします。

 

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新メニュー(月の欲求・土星の制限の観念書き換えワーク、キローンの苦手意識を強味に変えるワーク)が加わりました。

 

最後まで読んでくださり、ありがとうございます。