こんにちは、リブラです。

今回は、ジェームズ・ドゥティ著「スタンフォードの脳外科医が教わった人生の扉を開く最強のマジック」の解説です。

 

第11章「心のアルファベット」のあらすじ

 

ジム(ジェームズ・ドゥティ)は株のドットコムバブルの崩壊後、脳外科医に戻り、貧困層が多数を占める地域で中核的な医療センターをつくる活動に着手しました。

 

保険がなくて治療を受けられず、中耳炎の放置で脳膿瘍を起こし脳死状態の子どもに遭遇したからでした。

 

ジムが活動していたミシシッピでは、当時ハリケーン・カトリーナに襲われて荒廃し、医師たちが敬遠するような場所になっていました。

 

ジムは再婚した妻と幼い息子をカルフォルニアに住まわせ、8週置きにミシシッピと往復して働きました。

 

ジムは地域医療センター理事会に資金の投入を訴え、本気で協力してくれる優秀な仲間を集め、2年で脳神経科学地域医療センターの設立にこぎ着けました。

 

富を失った後、他者を助けることに没頭し、貧しい人の求めに応えるこのセンターに全力を傾けることで、金と権力を求めてきた長年の罪を洗い流すような気持ちになっていたのです。

 

それから数年経つと、ジムはスタンフォードに戻って研究したいという強い願いが浮上してきました。

 

「ルースの教え」の核心が「心を開くこと」であると掴んだからです。

 

ジムの1番の興味は、「脳と心臓がどう働き、どう関わり合っているのか?」

「共感と、優しさ、思いやりは、脳のどこかに刻まれているのだろうか?」を理解することでした。

 

ジムは「ルースの教え」のメリットを科学的に証明するような研究に没頭しました。

 

そして、「心を開く10か条」を作成しました。

 

ジムはこの「心を開く10か条」を「CDEFGHJK」を頭文字にしたリストにして、「心のアルファベット」と名付けました。

 

全身をリラックスさせ、心を落ち着けたあと、この「心のアルファベット」を唱え、その日の目標として10項目の中から1つを定め、頭の中で何度も何度も唱えることを日課にしたのです。

 

心のアルファベット(C~Fまで。G~Kは次回に続きます)

 

C 

compassion 「共感」

 

共感とは他者の苦しみに気づき、その苦しみを和らげようとする意識。

 

他者に共感するには、自分に共感しなければならない。

 

自分にほんとうに優しくできなければ、愛と優しさを他者に与えることはできない。

 

D

dignity 「尊厳」

 

尊厳は、どんな人にも生まれながらにして与えられているものだ。

 

人は誰しも、その存在を知られ、認められる価値がある。

 

人を見た時、「かれらはわたしたちと同じ。わたしの望みもかれらの望みもひとつ。それは幸せでいること」と思わなければいけない。

 

E

equanimity 「平静」

 

平静とは、困難なときにも気分にムラのないことだ。

 

人はいいことの高揚した気持ちを保とうとする。

 

でも、その高揚を保とうとすると、悪いものから逃げるように、今ここにいることができなくなる。

 

いいことも悪いこと長く続かない。

 

気持ちを一定に保つことで、頭と意志が澄み渡る。

 

F

forgiveness 「ゆるし」

 

ゆるしは、人間が他者に与えられる最高の贈り物だ。そして、自分にとっても最高の贈り物だ。

 

怒りや憎悪を誰かに抱くことは、誰かを殺すために自分が毒を飲むようなものだ。

 

それによって、他者との関係も毒される。世界への見方も毒される。

 

結局それは、自分を牢屋に閉じ込め、鍵を持っているのに開けようとしないようなものなのだ。

 

人はいろいろな局面で、意に反して、誰かを傷つけたり苦しめたりしてしまう。

 

「スタンフォードの脳外科医が教わった人生の扉を開く最強のマジック」より引用。

 

ジム(ドゥティ博士)は、「ルースのマジック」を使って子どもの頃書いた欲しものリストにあるものは、ほとんどを手にしました。

 

でも、所有したもの(富)に心を奪われ、親密な人間関係を失いました。

 

富に満たされていると心が閉じていることに気づかず、大切な関係を失っても孤独を感じないほど鈍くなっていたのです。

 

エゴは生存本能由来の意識なので、物質的豊かさに何よりも価値を置きます。

それは物質世界で生き残るためには大切なことです。

生存できなかったら、人生はそこで終わってしまいますから。

 

物質的豊かさは、地球上の乗り物である身体を養うために必要なものです。

いつも、車とその燃料のことばかりで頭がいっぱいでは、地球上で良い旅はできません。

 

身体を養うための豊かさが確保されたら心はどうなのか?考えなければなりません。

 

豊かさを手に入れることに頭がいっぱいになっていると、株バブルのときのジムのように心が鈍くなります。

 

そうなるのは、エゴが主導権を握るからです。

「豊かさを手に入れるわたしが1番エライ!豊かさがあれば幸福も買えるのだ!」といって、人生の指揮をとる権利を主張するのです。

 

しかし、わたしたちの本体は物質(身体)ではありません。乗り物と燃料だけあっても、本体(魂意識)が起動するための燃料(感情)がなければ、地球転生の旅を楽しむ気力が失せるのです。

 

エゴの関心事は富と時間ですが、魂意識の関心事は人間の思考と感情(マインド=心)です。

 

だから、心を豊かにするために思考と感情を育てる必要があります。

心が豊かになると、その分地球転生は多様性に満ち、おもしろい旅ができるからです。

 

株バブルの頃のジムは、株価のチェックと節税対策、高級車と別荘と1晩限りの美女との時間にしか興味が向かいませんでした。

人間関係も投資仲間とファンドマネージャーと弁護士ぐらいで、いつもお金の話がメインです。

 

このような人生で終始していたら、魂意識が地球の旅を満喫するわけはないですよね。

 

ですから、エゴがしがみついている富を取り上げてみたらどうだろう?

マインド(思考と感情)を教育したら、もっとおもしろい動きを見せてくれるはずだ!

と魂意識も画策することでしょう。

 

株バブルの崩壊→脳外科医に復帰→貧困層も救える脳神経科学地域医療センターの設立→「ルースのマジック」にヒントを得た脳と心の科学的研究→「心を開く10か条=心のアルファベット」の完成

 

に導けたのは、破産によりエゴの主導権を奪い、「心を開く」ことにジムの魂意識が仕向けたからでしょう。

ジムの人生の可能性を拡げるために。

 

「心を開く」ことは、人とつながることを意識させます。

「心を開く」先はいつも人だからです。

 

わたしたちの心は人間関係で育まれます。

だから「心を開く10か条」「心のアルファベット」も、人間関係に大切な10個の技だと思います。

 

compassion 「共感」

 

は、ジョセフ・キャンベル著「神話の力」の中では、その深遠な意味が解説されています。

 

comは「共に」という意味で、passionは「キリストが受けた受難」という意味があるのだそうです。

 

つまり、「共感」には「共に受難を受ける」という意味があるのです。

 

キャンベル氏によれば、真の愛は、受難を受けた相手を助けることではなく、受難を乗り越える相手を見守ることだというのです。

 

鞭打ちで出血しフラフラの状態で十字架を背負うイエスを、磔られ絶命するまでのイエスを止めることもできず、でも、見守り続けた聖母マリアは、我が子が人から神にアセンションするまでをイエスの受難に共に感じながら体験したのです。

 

わたしたちは、愛する人が苦しんでいたらそれを取り除いてあげなければならないと思ってしまいます。

 

しかし、その苦しみはその本人が克服すべき課題なので、真の愛ならば、見守ることに徹して本人の底力が引き出されるのを待つのです。

 

「共感」にはそんなレジリエンス(絶望状態から再生する力)を生むパワーが秘められているのです。

 

dignity 「尊厳」は、マルチン・ブーバーの提唱する「我と汝」の関係を思い出しました。

 

人が心を通わせて交流するとき、そこには尊厳があり「我と汝」の関係になりますが、相手を物や目的と見なすと尊厳が失われ「我とそれ」の関係になるのです。

 

株バブルの頃のジムは、無意識にすべての人間関係を「我とそれ」にしていたのです。楽だからという理由で。

妻と娘が去っていったのも当然です。

 

ブーバーは、「我と汝」の関係で馬と接していると馬が人のように挨拶をしてくれ、「我とそれ」の関係になった途端に馬は挨拶してくれなくなったという体験をしています。

 

「忙しい」は「心」を「亡くす」と書きますが、忙しさにかまけて心を亡くした交流をすると、いつの間にか人間関係を「我とそれ」にして尊厳を失わせることになります。

 

だから、人を見たら「かれらはわたしたちと同じ。わたしの望みもかれらの望みもひとつ。それは幸せでいること」と思うことが必要なのだと思います。

 

身体と心の分離に気づき、女性性を見直す | リブラの図書館(スピリチュアルな本と星のお話) (ameblo.jp)

 

equanimity 「平静」は、脳のしくみがわかっているドゥティ博士だから入れておいた項目なのでしょう。

 

その高揚を保とうとすると、悪いものから逃げるように、今ここにいることができなくなる」は、ドーパミン依存になっている状態です。

 

ドーパミンは報酬を予測すると分泌される快楽物質なので、何かが得られそうと思うと気分を高揚させて行動に駆り立てるのです。モチベーションが上がっているときは、このドーパミンが分泌されているときです。

 

この高揚感を幸せと勘違いすると、「平静」をつまらないものと見なすようになります。

 

イベントは楽しいけど、普通の生活が灰色に見える人はドーパミン依存になっている可能性があります。

 

「今よりもっといいものを!」と駆り立てる思いが、心と身体を疲弊させていないか、注意が必要です。

 

今ここの「平静」を保てるからこそ、真の幸せが味わえるのです。

 

日常生活の「平静」に幸せを見出すると、焦りや欠乏感とは無縁の心と身体のやすらぎに満たされた幸福を味わい、自然に感謝したい気持ちが湧いてきます。

 

forgiveness 「ゆるし」は、かなり上級者向けの項目です。「ゆるし」は神が与えるものだからです。

 

「ゆるし」が与えられるときは、その人の神性が現れているときです。

とても奇跡的な瞬間なのです!

 

だから、人をゆるせない自分を責めてはいけません。

自分の何かを許せないから、人の何かも許せないのです。

 

まずは、自分が何にこだわり許せないのかを、責めずに心の中を見に行きましょう。

 

そこは頑丈な鍵が掛かっているはずですから、開けてもらえるようにまず、自分をゆるしましょう。

 

自分をゆるすと心が開き、ミラクルが起こせます!

神性が現れる瞬間だからです。

 

次回は「人生を開く最強のマジック」の解説を予定しています。

 

わたしのサロン、リブラライブラリーではあなたの心のしくみをホロスコープで解説し、心の制限、葛藤が引き寄せる現実問題にセルフヘルプで立ち向かえるようサポートします。

 

詳しくはこちらをご覧ください。

 

新メニュー(月の欲求・土星の制限の観念書き換えワーク、キローンの苦手意識を強味に変えるワーク)が加わりました。

 

最後まで読んでくださり、ありがとうございます。