こんにちは、リブラです。

今回は、ジェームズ・ドゥティ著「スタンフォードの脳外科医が教わった人生の扉を開く最強のマジック」の解説です。

 

第9章「豪邸、ポルシェ、美女、そして…」のあらすじ

 

脳外科医として長時間勤務を続け、富と成功を追いかけていたジム(ジェームズ・ドゥティ)は、44歳までに邸宅もポルシェもフェラーリもBMWもベンツも手に入れ、子どもの頃夢見た以上の生活を手に入れていました。

 

しかし、妻にとってのいい夫にも、娘にとってのいい父親にもなることはできず、離婚しました。

 

独身になったジムに、母校のスタンフォード大学で脳の固形腫瘍治療の革命的テクノロジー(サイバーナイフ)を発案した友人が、その実用化に向けて会社を設立したという話をしました。

 

その話に感銘を受けたジムは、その会社(アキュレイ)の最初の投資家のひとりになりました。

 

ジムがサイバーナイフの素晴らしさを大金持ちの友人の医師に語ると、感化されたその医師は、装置導入のためビルを買い、MRIとCTスキャナーもサイバーナイフと一緒に使えるように揃えました。

 

ところが、その後2年してもサイバーナイフにFDA(食品医薬品局)の承認が降りず、アキュレイ社は存続の危機に立たされました。

 

ジムは自分のみならず、サイバーナイフを購入した友人のためにも、この会社の危機を救うべく資金調達に動くことを決めました。

 

すると、運命的な出会いでジムの話したサイバーナイフへの思いを聞き、会社の危機を救ってくれる人物が現れました。

 

しかし、それは、ジムがアキュレイ社のCEOに就任しないと出資はできないという条件付きでした。

 

経営者としては未経験でしたが、「今アキュレイ社を救えるのは自分であり、自分がやらなくてはならない」という確信が湧き、ジムはその条件を引き受けました。

 

ジムがアキュレイ社のCEOに就任して18ヶ月後、FDAの承認が下り、経営も立ち直りました。

 

アキュレイ社の経営再建が契機となり、ジムに投資や経営の相談に乗ってほしいと頼る人が増え、ジムはたくさんの株式を受けとりました。

 

その株式が、ドットコムバブルが頂点になった2000年には、ゴールドよりも価値がつくようになりました。

 

その額はジムが子どものときに夢見た100万ドルは優に超え、7500万ドルに膨れ上がりました。

 

ジムは、ニュージーランドに島を買う頭金を払い、ペントハウスや外国の別荘も持ちました。

 

ものごとを複雑にしたくない思いから、頭と心を使わないようになり、名前も知らない美女と一夜限りの関係を楽しむことに終始していました。

 

節税対策を弁護士と相談したのはちょうどその頃で、「永久に取り消し不能」の条件でアキュレイ社の株式をスタンフォード大学に寄付することを決めました。

 

その後、投資家の友人と関わった事業のこともあり、バブルの終わりの安全対策のため、ヘッジファンドマネージャーと高級レストランで話をすることになり、株が暴落しても予め決められた金額が手元に残るシステムで、それを50%にすることで合意しました。

 

ところが、同席した投資家の友人が酒に酔って強気になり、「60%にしろ!でなきゃお前を切るぞ!」とヘッジファンドマネージャーに毒づいたのでその会合は決裂しました。

最悪なことに、株式市場はその6週間後にバブルが弾け崩壊しました。

 

ジムは株式の評価額をもとに融資も受けていたので、持ち株の価値を失っただけでなく多額の借金も背負い、事実上破産しました。

 

ジムは空っぽになり、自分を見失い、これまでにない孤独を感じましたが、その気持ちを伝えることのできる人をひとりも思いつくことはできませんでした。

 

物を追い求め、人間関係をないがしろにしたため、1番誰かを必要とするとき、誰もそばにいない状態になっていました。

 

ジムは大学時代以来、1度も開けなかった「ルースの教え」のノートを開き、「欲しいものが必ずしも自分にとって1番いいものとは限らない」という書き込みの後に「???」があるのを見つけます。

 

そして、3回深呼吸して、身体を隅々までリラックスさせて呼吸に集中し、気持ちを落ち着かせて心を開くことに意識を集中させました。

 

少年だった自分に愛を送り、大人になった自分に愛を送り、何か失ったのは自分だけでないこと、衣食住に困る人たちや子どもを養うことに困る人たちにも、すべてに向けて心を開きました。

 

そして、心の窓を思い浮かべると、それは曇っていました。

 

どれほど目を凝らしてみても、窓の向こうに見えるはずの望む未来は見えませんでした。

 

自分が何になりたいのか、全く思い浮かべられなくなっていたことにジムは気づきました。

 

ジムは1台だけ手元に残した車(ポルシェ)に乗って、ルースがマジックを教えてくれた場所ランカスターに戻っていきました。

 

「スタンフォードの脳外科医が教わった人生の扉を開く最強のマジック」より引用。

 

わたしたちが危機を感じるときというのは、残念なことに病気や失業や破産や別れが現象化したときです。

 

ほんとうは、そうなる前に魂意識はサインを出して知らせています。

 

ジムの場合、「心を開く」ことが苦手で、脳外科医の仕事を大義名分に、妻や娘という絶好のキャストに向き合うことを回避してしまったのでしょう。

 

こんなとき、トランシットの冥王星が出生の太陽を通過するのと重なると、「一回死んで蘇る」くらいの変容を体験します。

 

ジム(ジェームズ・ドゥティ博士)は、1955年12月1日生まれなので、いて座の太陽(本来の自己)と水星(思考)が合で存在します。それに加えてドラゴンヘッド(魂の目的)もいて座です。

 

そして、ジムがサイバーナイフの会社(アキュレイ社)の最初の投資家のひとりになり、CEOに就任して会社再建に成功し、株バブルで巨万の富を得た後破産した時期は、ちょうどトランシットの冥王星がいて座運行中の出来事でした。

 

ジムが44歳の1999年は、運行中の冥王星はいて座9度で、彼のいて座8度の太陽といて座6度の太陽に重なる上に、彼のしし座2度の天王星とも120度で協調するアスペクトをとっていました。

 

いて座としし座の火エレメントの饗宴に、ジムは衝動と直感を受けて行動し、破竹の勢いで投資家→経営者→株バブル長者になったのだと思います。

 

冥王星はそれまでの自分を脱却させて潜在能力や底力を引き出して、別人のように復活させる天体です。

 

脳外科医として成功し、地位や名誉を手に入れたジムは、いて座冥王星が彼の太陽と水星に重なる頃、サイバーナイフの投資がきっかけでアキュレイ社のCEOに就任することになり、会社再建に奔走することになったのです。

 

脳外科医とは全く違う能力を引き出されて、ジム自身驚くのです。

 

彼がサイバーナイフのことを情熱的に語ると、耳を傾けてくれた人の多くは出資してくれます。

 

経営のアイディアを相談者に語れば、その相談者の会社の株が譲渡され、その株価は並外れて上がるのです。

 

冥王星は「惜しみなく与え、惜しみなく奪い」ます。

それは眠った能力を覚醒させるためです。

 

未だ見ぬ自分の能力・底力を噴出するためにだったら、冥王星は惜しみなくすべてを与えてくれます。

 

しかし、与えられたものにあぐらをかいて、新しい能力の目覚めを怠るならば、しがみついているものを容赦なく奪います。

 

ジムは脳外科医として医療に貢献する夢を叶えるだけでなく、自身の人生の扉を開いた「ルースのマジック」を広める夢もルースと約束したはずでした。

 

けれども、株バブルで巨万の富を手にすると、高級車や邸宅や別荘や島を買うことに意識を奪われ、「頭も心も使わなくなった」のです。

 

ジムは「欲しいものが必ずしも自分にとって1番いいものとは限らない」というルースの教えの真意がわからなかったのです。

 

だから、トランシットのいて座冥王星は、ジムの心の窓を曇らせた富をすべて奪ったのでしょう。

 

いて座は明るい未来の希望を見つけて、まっしぐらそこに向かうとき、最もパワフルになります。

 

それなのに、富に心を奪われたジムの心は、次に何を買うのか、節税はどうするのかしかなく、空っぽだったのです。

 

富を全部失くして、ジムは「なりたい自分の未来が描けない」状態にやっと気づいたのです。

 

エゴは富を失ったことにショックを受けますが、魂意識はこれで心の曇りが取り除けて、本来の人生に導くことができます。

 

人は欲望なしでは動きませんし、進化・成長もありません。

しかし、欲望に翻弄されると、本来の人生を見失います。

 

内観や瞑想の習慣は、「ありのままの自分」の心地よさやニュートラルな意識状態の安定感を約束するので、エゴが物質界の欲望に偏るを防ぐ効果があります。

 

次回は「エリクソンの心理療法<レジリエンスを育てる>」の解説を予定しています。

 

わたしのサロン、リブラライブラリーではあなたの心のしくみをホロスコープで解説し、心の制限、葛藤が引き寄せる現実問題にセルフヘルプで立ち向かえるようサポートします。

 

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新メニュー(月の欲求・土星の制限の観念書き換えワーク、キローンの苦手意識を強味に変えるワーク)が加わりました。

 

最後まで読んでくださり、ありがとうございます。