こんにちは、リブラです。
今回は、ジェームズ・ドゥティ著「スタンフォードの脳外科医が教わった人生の扉を開く最強のマジック」の解説です。
第4章「自分をどう扱うかを決めるのは自分」のあらすじ
ルースは「心を開くこと」である「他人のことを思いやること」と「自分のことを気にかけること」についてジム(ジェームズ・ドゥティ)に話したとき、
「人が頭の中でする会話は、だいたいは厳しすぎるし、否定的で、それが自分のためにならないような反応を引き起こす。
だから『いまここにいること』ができないのだ」と説明しました。
その日からジムがやることになったのは「自分を褒める」練習でした。
「僕はいい子だ。僕のせいじゃない。僕はいい人間だ」と声に出して言うのは、すごく変な感じがしました。
その後ルースは次の10か条を書き出させて、リラクゼーションの練習や頭の中の声を静める練習の後や、思いついたときはいつでも、その言葉を繰り返すことを課しました。
「僕には価値がある。愛されている。大切にされている。
僕は他人を大切にする。他人のためにいいことだけを選ぶ。
僕は自分が大好きだ。僕は心を開く。僕の心は開かれている」
ジムが「嫌いな人にも愛する気持ちを送るのは難しい」と感じていると、
ルースは「他人を傷つける人こそ、1番傷ついているのよ」といいました。
その言葉にジムはハッとして、
「自分の傷を癒すことができれば、痛みはなくなるし、他人を傷つけることもない。
そうだったんだ。
ルースといることで、僕は癒されてたってこと?」と気づきました。
あるとき、母は「ドラッグをやっているのか」とジムに尋ねました。
向精神薬のオーバードーズで自殺未遂をしたことのある母は、ジムが幸せそうで、以前のように追い詰められている感じがしないのを見て、ドラッグでそうなっているのではないかと勘違いしたのです。
「心を開くこと」の練習を積んだジムは、母のそんな言葉に怒りも嘆きもせず、ルースのマジックの成果の現れと受け止めて、感情をコントロールする力や、共感する気持ちが世界の見方を楽観的に変えると確信しました。
*ルースのマジック3
①身体をリラックスさせます。
②呼吸に集中して頭を空っぽの状態にします。
③考えが浮かんだら、呼吸に意識を引き戻しましょう。
④呼吸を続けながら、何も考えないようにします。
⑤人生の中で無条件の愛を与えてくれた人を思い浮かべてください。
無条件の愛は完璧な愛ではありません。痛みや傷を伴うこともあります。
かつて1度でも見返りを求めず愛を与えてくれた人を思い浮かべてください。
思いつかなければ、人生であなたが無条件の愛を与えた誰かを頭に浮かべてください。
⑥その無条件の愛がもたらすあたたかさと満ち足りた感覚に浸りながら、ゆっくりと呼吸しましょう。
無条件の愛の力を感じ、過ちと欠点も含めた自分のすべてが受け入れられて大切にされていることを感じてください。
⑦あなたの大切な人を想い、無条件の愛を送りましょう。
その人への贈り物は、誰かがあなたにくれたのと同じ贈り物です。
それを受け取ることによって、大切にされているという気持ちになります。
⑧あなたの大切な人に無条件の愛を送りながら、あなたが無条件の愛に愛され、受け入れられたときの感じをもう1度思い出してください。
⑨不完全な自分が、大切にされ、守られ、愛されている感じをもう1度思い出し、知り合いのひとりを思い浮かべましょう。
その人に無条件の愛を送ります。
その人の幸福な人生を願い、苦しみが少ないことを願いましょう。
心の中で抱きしめ、その人の未来を見ます。幸福を見ます。
そのあたたかい感覚に浸りましょう。
⑩仲の悪い人や、嫌いな人を思い浮かべます。
人の行動は痛みの表れだと理解しましょう。
その人たちを自分に置き換えて考えてみましょう。
欠点だらけの不完全な存在として見るのです。
あなたに無条件の愛をくれた人を思い浮かべてください。
その愛と受容があなたにどんな影響を与えたかを考えてみてください。
それと同じ無条件の愛を、仲の悪い人や嫌な人に送りましょう。
⑪あなたが出会うすべての人を、あなたと同じように欠点のある不完全な存在として見ましょう。
あなたと同じように失敗し、間違った道を選び、ときには他人を傷つけたりするけれども、愛されることを求めている、愛されるに値する存在として見ましょう。
気持ちを込めて、かれらに無条件の愛を送ります。
心の中で、かれらを愛とあたたかさをもって受け入れるのです。
かれらの反応を気にする必要はありません。
「スタンフォードの脳外科医が教わった人生の扉を開く最強のマジック」より引用。
30代半ばぐらいのとき、チャック・スペザーノ博士のワークショップで1つだけ質問に答えてもらえるチャンスがあり、わたしは考えた末に「ミラクルを起こすにはどうしたらいいでしょうか?」と尋ねました。
チャックの回答は、「あなたの両親を許すことです!」でした。
当時のわたしは「ミラクルは無理だ。諦めよう」と思いました。
でも、ヴィジョン心理学を深く学んでいくうちに、それは避けて通れないことに気がつきました。
両親を許さないことには、いつまで経っても被害者意識を手放せません。
そして、被害者意識を持ったままではけしてほんとうの幸せを感じられないのです。
人を許したくない思いの根底には、相手を悪に見立てて、自身を正義にし立て、受動攻撃で復讐したい思いが隠れています。
でも、それをする限り過去の嫌な記憶に縛られ、「いまこここの瞬間」に居られないのです。
「いまこここの瞬間」の自由を手にしている自分が最もパワフルな存在です。
未来の可能性を切り拓くのは「いまこここの瞬間」に居る自分の選択です。
だからわたしは自分のために両親を許し、ネガティブな過去の記憶と決別し、自由になりました。
ヒプノセラピーやヴィジョン心理学を学ぶうち、自分自身を癒すプロセスで、<許し>が1番重要な局面となりました。
許し難い人が許せると、大概のことに寛大になり、小さなことが気にならなくなります。
そうしてみると、それまで許さないことで背負ってきたネガティブな感情がいかに重かったのか、わかります。
「自分の傷を癒すことができれば、痛みはなくなるし、他人を傷つけることもない」というのはほんとうです。
すべては自身の内側から癒すことから始まります。
自身が愛の欠乏感や痛みを抱えていなければ、人を思いやることは容易で、傷つける方が難しいでしょう。
世の常識では、人を思いやることは善で、自分を後回しにすると謙虚で良い人と評価されます。
しかし、それを優先する度に自身の顕在意識と潜在意識のつながりに亀裂が入ります。
すると、人への思いやりは義務になり、内から湧いてくる自然な行為ではなくなります。
義務で思いやる方も、思いやりを受ける方も苦しくなります。
そこに愛が通わないからです。
だから、自分を思いやることを最優先するのが幸せな道です。
自分を癒し、大切にすることは、他者への思いやりを向ける余裕につながります。
ルースがジムに繰り返すように課した10か条を、ネガティブな考えが浮かぶ度置き換えると、しまいにはネガティブな考えが駆逐され、幸せなセルフイメージにとって変わり、そのセルフイメージに相応しい世界線を引き寄せるでしょう。
「わたしには価値がある。愛されている。大切にされている。
わたしは他人を大切にする。他人のためにいいことだけを選ぶ。
わたしは自分が大好きだ。わたしは心を開く。わたしの心は開かれている」
自己否定が激しかったり、セルフイメージが萎縮している人ほど、ジムのように始めは自分を褒める言葉に違和感を感じるでしょう。
でも、褒め言葉を切望しているインナーチャイルドは、たったそれだけでも愛を感じ、癒されるのです。
なぜなら、インナーチャイルドは未熟で不完全でトラウマの記憶から発生した副人格なので、誰からも褒めてもらえず、存在すら認めてもらえないからです。
だけど、インナーチャイルドはすべての感情を握っているので、インナーチャイルドのご機嫌次第で、わたしたちの感情を乱高下させるほどの影響力があります。
嫌いな人や許し難い人の欠点や不完全さを許すとき、インナーチャイルドも自分が許されたように感じて安心します。
そうすると、インナーチャイルドは味方につき、怖れや不安などのネガティブな感情に苛まれる心配はなくなります。
そして、明るい未来に相応しいセルフイメージが容易に描けるようになり、望む現実が向こうからやって来る展開になります。
次回は「エリクソンの心理療法<レジリエンスを育てる>」の解説を予定しています。
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新メニュー(月の欲求・土星の制限の観念書き換えワーク、キローンの苦手意識を強味に変えるワーク)が加わりました。
最後まで読んでくださり、ありがとうございます。