こんにちは、リブラです。

今回は、ジェームズ・ドゥティ著「スタンフォードの脳外科医が教わった人生の扉を開く最強のマジック」の解説です。

 

第3章「考えることについて考える」のあらすじ

 

ジム(ジェームズ・ドゥティ)は、ルースのマジックを習い始め、自分をリラックス状態にすることを覚えました。

 

ルースは次の新しいトリックは、頭の中を空っぽにすることが必要なため、『考えることについて考える』のをやめないといけない」といいました。

 

ルースは、リラックス状態になるための誘導をジムが『頭の中のルースの声』で行っているのを1例に挙げて説明しました。

 

「人はみんな頭の中でずっとノンストップでしゃべり続ける、モノマネ上手のナレーターがいるの。誰の声も真似できるけれど、それは本人の頭の中の声が演じているの。

 

朝起きたときから夜寝るまで、頭の中でひっきりなしにDJがしゃべり続けるのを想像してみて。

 

心のラジオにあまりに慣れ過ぎて、それが大音量で流れっぱなしになっていることさえ気がつかないの。

 

その頭の声は、あなたの人生の一瞬一瞬を、いいとか悪いとか決めつけるの。

 

その声の言うことに、心は反応する、まるであなたのことを本当に知っているみたいにね。

 

問題は、その反応があなたにとっていいものじゃない場合が多いってこと。

 

今回練習するのは、その音量を下げて、最後にスィッチを切るトリックよ。

いま、(頭の中の)DJはなんていっている?

 

「チンプンカンプンで、うまくいかないといっている」とジムは答えました。

 

ルースは、「ほら、いま考えていたことについて考えられたでしょ?」といいましたが、このとき、リラックス状態は作れても、ジムは、頭の中の声も、あれこれと次々に浮上する考えも、少しも制御できませんでした。

 

挙句の果てに、何日も帰ってこないアルコール依存症の父親が帰ってきたら・・・、母とけんかをしたら・・・、また、警察沙汰や病院沙汰になったら・・・と、悪い妄想で頭がいっぱいになりました。

 

次の回でルースは、ろうそくの火に意識を集中させる方法を教えてくれました。

心がどこかに行ったら、ろうそくの炎に集中し直すの」

 

ジムは目を閉じるよりも、目を開けてろうそくの炎を見つめて心を静める方が、簡単であることに気づきました。

 

さらにその次の回では、3つ目方法としてマントラを使うことを教えてくれました。

 

「自分にとって大切な言葉だったり、何か魔法のような意味のあるフレーズだったり、人によって違うし、なんでもいいの。

言葉はあまり重要じゃなくて、音が大切なの」

 

ジムが最初に思いついた言葉は、同じアパートの上の階に住んでいる好きな女の子の名前「クリス」で、そのときドアの取っ手が思い浮かんだので、「クリィースゥー 取っ手ぇ」とゆっくり呟いてみました。

 

ひとつひとつの言葉の音に意識を向けて、自分に向けて15分間唱えるのよ」というルースの指示に従うと、ジムは、「これは効いた」と感じました。

 

適当なマントラを唱えているとほかのことは何も考えられなくなっていたのです。

 

「スタンフォードの脳外科医が教わった人生の扉を開く最強のマジック」より引用。

 

頭の中でしゃべり続ける声は、常に流れるラジオのように自然に同居しているので気づきません。

このおしゃべりがなくなれば、どんなに静かで冴えた頭になることでしょう。

 

脳は1日の全消費カロリーの5分の1も使うそうです。

筋肉のような活動はしませんが、脳はかなりのエネルギーの浪費家なのです。

 

起きているときの脳波を測定すると大半を占めるのがβ波(14~30Hz)です。

不規則で凄く速い波です。

 

振幅の多いその波の動きを見ているだけでも、脳が大したことを考えていなくてもかなりのエネルギーを消費しているのがわかる感じがします。

 

おそらくそのエネルギー消費量のほとんどが、「頭の中のおしゃべり」に費やされていると思われます。

 

わたしの30代頃の病院勤務時代は、眠ることが1番のご褒美になっていて、休日は好きなだけ眠るのを自分に許していました。

 

でも、いくら眠むっても、なぜか、頭の疲れだけは取れなくて不思議に思ったことがありました。

 

40代頃に心理学やスピリチュアルな叡智をいろいろ学ぶようになって瞑想の大切さに気づき、夜の寝入り前に10分間の瞑想をするようになると、いつの間にか、一晩眠れば頭の疲れはすべて回復するようになっていました。

 

瞑想している時間は10分間だけなのですが、その間だけでも「頭の中のおしゃべり」を止めることができると、頭は安らぐことができるのでしょう。

 

そして、この10分間の穏やかさと静けさの心地良さに慣れてくると、瞑想していないときも「頭の中のおしゃべり」が雑音に聞こえるようになり、意識がそのおしゃべりに引き込まれそうになる度に、我に返ってその声に「それほんとうかな?」と問いかける習慣が着きました。

 

わたしはさそり座に海王星(直感、イマジネーション)と金星(喜び)と火星(モチベーション)を持っているので、真実と本質の追求は、喜びであり、モチベーションが上がり、直感が働きます。しかもそれらの天体は9室(探求のハウス)にあります。

 

真実と本質を執念深く探求する性質がありますから、「それほんとうかな?」と問いかけたときには、おしゃべりの声の主は真剣に返答しなければなりません。

 

でも、その問いかけに、「頭の中のおしゃべり」は沈黙します。その問いに答えられないのです。

その程度のものなのです。頭の中のナレーターは。

 

だからそれは真実にも本質にもつながらない戯言かと、あっさり切って捨てることができます。

 

「頭の中のおしゃべりぐらい、たいした害はない」あるいは、「それって、自分の心の声だよね。本音だから大事」と思っている方は、1度、おしゃべりの内容を書き出してみて、客観的に(他人の発言として)眺めてみるとよいでしょう。

 

ふだんよく聞くフレーズや子どもとき、親から、周囲から指摘された言葉だったり、人と自分を比較して一喜一憂するエゴの呟きだったり、置かれた身の上の嘆きだったり、まだ起きていない未来の不安だったり・・・など、雑多なノイズのオンパレードですから。

 

書き出してみると啞然としますが、こんな言葉を1日中頭の中で流し続けいたら、そのノイズに洗脳されてしまうし、自分の頭なのに外界のとりとめのない情報を詰め込まれていっぱいになってしまいます。

 

マインドフルネス(内観や瞑想)をしていると、流れていて当然だった頭の中のノイズが、自分に要らないものだったとはじめて気づき、「頭の中のおしゃべり」がない状態のときがほんとうの自分なのだとわかります。

 

「人生の扉を開く最強のマジック」を習得するには、まず、「ほんとうの自分(自分が中心にいる状態)」であらねばなりません。自分の人生に不可能を可能にする魔法をかけるのですから。

 

そして、リラックス状態から意識の集中への段階が、ジムも今回経験したようになかり難しいのです。

 

目を閉じた状態で1つのことに集中すると、安らぎの脳波であるα波(8~13Hz)が出ます。

瞬間的にだったら、誰でもこの状態でα波を出すことができます。

 

実際、脳波測定中に「α波ブロッキング」というテストをするのですが、これは目の開閉眼させるだけで簡単にα波を

出したり、β波を出したりできるのです。

 

「目を閉じて!」という指示に被験者は意識を集中させて、目を閉じたまま何も考えず次の指示を待ちます。

このときは、α波が持続的に出ます。

 

「目を開けて!」という指示をした瞬間、α波は消えβ波だけになります。

これは、目を開けた瞬間から、いろいろな思考が始まっていることを意味します。

 

乳幼児には指示が伝わらないのでこのテストはできませんが、言葉が通じる大人はほぼ100%、この目の開閉眼でα波を出すことができました。

α波は目を閉じたときの方が出やすいのです。

 

でも、目を閉じると、困ったことに「頭の中のナレーター」が勢いづいてあれこれ語り出すので、心はその思考に奪われ、意識が散漫になってしまうのです。ジムがつまづいたのは、この現象です。

 

そこで、ルースはろうそくを一心不乱に見つめて集中する方法を伝授しました。

ジムはこの方法ならば、「頭の中のナレーター」に邪魔されず、集中を保てました。

 

さらに、ルースがマントラを使うことを教えると、ジムは「頭の中のナレーター」を止めることができたのです。

 

マントラならば、いつでもどこでも好きなときに、実際に口で唱えても、心の中で唱えても、それに集中できればいいのですから、1番お手軽な方法と言えるでしょう。

 

音に集中するためにも、あまり意味のわからない言葉の方がマントラ向きだと思います。

 

ディーヴァ・プレマールの歌はサンスクリット語のマントラが繰り返されるので、その中でも耳に残った「オンマニパドメフーム」というマントラを、わたしは瞑想のときよく使います。

 

いずれにしても、「頭の中のナレーター」のおしゃべりが止まれば問題は解決です。

 

「頭の中のナレーター」と闘うではなく、視覚の集中か、音への集中かで意識をおしゃべりの内容に向かわせないことが重要なのです。

 

この集中力が身につくと、もう、「頭の中のナレーター」の言葉に心を翻弄されることはなくなり、自分のマインドを操縦する感覚がつかめてきます。

 

こうして、心の声に影響されない、「自分の頭で考える」基盤が構築されるのです。

もちろん、この基盤が備われば、周囲の言動に流されない人間になれます。

 

ナポレオン・ヒル著「悪魔を出し抜け!」では全人類の2%しかいないと言われている、「流されることのない人間」に食い込めるのです。

 

次回も「人生の扉を開く最強のマジック」の解説を予定しています。

 

わたしのサロン、リブラライブラリーではあなたの心のしくみをホロスコープで解説し、心の制限、葛藤が引き寄せる現実問題にセルフヘルプで立ち向かえるようサポートします。

 

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最後まで読んでくださり、ありがとうございます。