こんにちは、リブラです。
今回は、ジェームズ・ドゥティ著「スタンフォードの脳外科医が教わった人生の扉を開く最強のマジック」の解説です。
第1章「消えそうな火を大きな炎に」のあらすじ
中学2年の夏のある朝、ジム(ジェームズ・ドゥティ)は、プラスチック製の「親指(手品の小道具)」がなくなっていることに気づいて慌てました。
カーネギーの「人を動かす」の本と手品の小道具は、ジムの宝物でした。
なぜなら、それは父からのプレゼントだったからです。
ジムは兄が「親指」を持ち出したのかもしれないと思い、自転車に乗り、ショッピングモールまで探しに行きました。
そこで見知らぬ「サボテンうさぎのマジックショップ」が目に止まり、店の中に入ってみました。
店番の茶髪の中年女性がいきなり、「わたしはルース。あなたは?」とまっすぐ目を見て名前を尋ねてきました。
ジムは反射的に笑って名前を告げ、「マジック用の親指ありますか?」と訊きました。
するとルースは「ここは息子の店でただ店番しているだけ。わたしは全然マジックのことわからないの。ごめんなさい」といい、
「マジックはどこが好きなの?」と尋ねました。
ジムはかっこよくておもしろいからと答えるつもりが、
「何かを練習して上手になるのが好きなんだ。自分でコントロールできる感じが好き。
トリックが成功するのも失敗するのも自分次第だから、他の人が何を言おうが、しようが、考えようが、関係ないから」といっていました。
ルースが「親指の手品のトリックを教えて!」と頼むので、ジムは親指の手品のトリックやコツを夢中になって説明しました。
ジムにとって、大人が真剣に自分に説明を求め、「教えて!」と頼むのは初めてだったからです。
「偽物の親指なのに、どうしてみんなトリックに騙されちゃうのかしら。わかる?」とルースが質問したので、
「マジシャンが器用に手の動きを見せないようにするから。観客の気を散らさないといけない」とジムは答えました。
すると、ルースは「気を散らす。そのとおりね。あなた賢いわ。わたしの答えを聞きたい?」といって、続けました。
「マジックがバレないのは、人が本当にそこにあるものではなく、あるはずのないものを見るからじゃないのかしら。
人は、あるだろうと思っているものしか見ないからよ。
親指がそこにあるはずだと思うから、本物に見えてしまうの。
脳って忙しく働いているように見えて、案外怠け者なのよ。
わたしもマジックは好きよ。
でも、ごまかしたり、トリックを使ったりしないのがいいわ。火を使ったトリックはやったことある?」
「僕はやったことがない。でも、そういうのかっこいい」ジムはこれが大物の会話ってやつだと思いました。
「消えそうな火を、大きな火の玉みたいなすごい炎に変える力があると想像してみて!」
「すごいね。どうやるの?」
「それがマジックなの。あるものを使えば、ほんの小さな炎をすごく大きな火の玉に変えることができるの。それは心よ」
ルースは手を叩いて「ジム、わたしあなたのことを気に入ったわ。
この町には6週間しかいないけれど、毎日会いに来てくれたならマジックを教えてあげる。
何でもほしいものを出せるマジックよ、本物のね」
「どうして僕に教えてくれるの?」
「消えそうな炎を大きな炎に変えるやり方を知っているからよ。わたしも教えてもらったから、今度は教える番。
努力しないとできるようにならないけれど、これからわたしが教えることは、あなたの人生を変えると請け合うわ」
ルースは孫がいそうなおばあちゃんっぽい外見でしたが、目だけは違いました。
その目が謎と秘密と冒険を約束していました。
そして、ルースとの出会いをきっかけに、ジムの人生の道筋と、彼の運命は、ガラリと変わることになったのでした。
「スタンフォードの脳外科医が教わった人生の扉を開く最強のマジック」より引用。
「何でもほしいものが出せる本物のマジックレッスンが始まる!」とこのときのジムは、ワクワクしたことでしょう。
そして、この日のルースとの出会いがまさに、ジムを絶望から救い、自分の力で望む人生を創造する扉を開けることになったのです。
こういう運命的な出会いは、偶然なのか?必然なのか?
わたしは必然だと思います。
「神話の力」の著者ジョセフ・キャンベルは、教え子たちから進路相談を受けると必ず「至福を追え!」といったそうです。
ホロスコープのハウスもそんなしくみになっています。
5室(至福と創造性のハウス)で自由に好きなことを追求するから、個性が芽生え創造性が引き出され才能が開花します。
だからこそ、次の6室(貢献のハウス)で人や社会に自身の才能を役立てることができるのです。
まず、自分が至福に感じること・夢中になれることがないと、自分らしい貢献活動は始まりません。
そして、それは探し求めないと見つからないのではなく、既にその種火は自分の内に持っているのです。
ジムの場合、父親からのプレゼントの手品道具とカーネギーの本が宝物でした。
プラスチック製の親指を1つ失くしても、必死で探し回ったほどに。
彼の至福の種火はそこにあったのです。
5室(至福と創造性のハウス)=「自由に好きなことを追求する」を後回しにしていると、この種火を見落としてしまうのです。
ジムもルースに出会うまで、なぜマジックが好きなのか、なぜ失くした偽の親指探しに奔走しているのか、わかっていませんでした。
ルースに求められて、マジックについて熱く語っている最中、そこに気づき始めるのです。
自分が好きなことを夢中になって話すのを、真剣に聞いてくれる人がいる喜びや、その至福が自分にとってかけがえのないものであったことに初めて気づくのです。
アルコール依存症の父や情緒不安定で自殺未遂を繰り返す母や家賃の支払いも滞る貧困家庭で、ジムを唯一幸せな気分にしてくれたのがその手品道具でした。
でも、手品道具の至福の種火だけでは、未来の可能性を希望で照らすことはできません。
ジムも手品道具を大事にしていても、それがまさか人生を180度変える出会いに引き寄せるとは思いもよらなかったのです。
多くの人が自身の至福を「取るに足らないこと」・「単なるお遊び」・「暇つぶし」と思い込み、自身の至福の種火が未来の可能性を照らす松明に変わることを見落とします。
わたしもその一人でした。
10歳のときからホロスコープを眺めてきたけれど、それが天職に発展するなど夢にも思っていませんでした。
ただ、何か大切なことがそこに示されているはずなのにどうやってもうまく読めないから、諦めきれず、自分が人生の岐路に立つたびに改良を加え、オリジナルの読み方にたどり着き、魂の意図を知るに至ったのです。
そこに到達するまで30年近くもウロウロと人生の目的を探し彷徨したものです。
至福を蔑ろにしていたからです。
わたしの5室(至福と創造性のハウス)は天体はありませんが、ルーラーはふたご座です。
ふたご座は好奇心が原動力です。
「知りたい!」ことを知ることに無上の喜びを感じます。
ちんぷんかんぷんの暗号にしか見えなかったホロスコープに自分の人生の設計が浮き彫りになっていることに気づいたとき、ハードアスペクトの葛藤を統合して星のエネルギーシステムをちゃんと使いこなせば、望む人生になるように配置されているのだなと感動しました。
わたしのさそり座海王星は真実の直感を9室(探求のハウス)に降ろしてくれますが、理論的に筋道通さないと納得しないみずがめ座土星が1室(本人のハウス)で反発するので、スピリチュアルな叡智に真実があるとわかっていても、現実の人生に採用することに抵抗を感じていたのです。
ホロスコープの葛藤が現実に反映されていることを知り、「なんだ、さそり座海王星が掴む直感をみずがめ座土星が納得するように理論構築すればいいだけのことではないか」と気づいたら、ホロスコープの情報を現実に採用することに抵抗はなくなりました。
だから、トランシットの木星と天王星が2室(所有のハウス)のおひつじ座木星に重なるときを狙って、25年間務めた臨床検査技師を辞めて占い師起業することをためらわなかったのです。
2室おひつじ座木星に占い師起業のチャレンジをさせて、その対向でハードアスペクトを取るてんびん座太陽と月と水星に8室(共感のハウス)でホロスコープリーディングセッションに働いてもらえば共同創造せざるを得なくなり、セッションが収入になる循環を創るだろうと魂の意図を読み、実行したのです。
起業の決断から既に13年経ちますが、今ではすっかり、星の情報を読んで与える側になっています。
自分のホロスコープさえちんぷんかんぷんの10歳のわたしがタイムスリップして見たら、驚いたことでしょう。
ジムがあの日宝物の親指を探しに行かなかったら、ルースに出会うことはなかったでしょう。
たとえ、ルースに出会うことがあったとしても、ジムがマジックについて熱く語ることができなければ、彼女は単に店番をしていた中年女性に過ぎなかったでしょう。
また、ジムがどんなにマジック好きであったとしても、
「何かを練習して上手になるのが好きなんだ。
自分でコントロールできる感じが好き。
トリックが成功するのも失敗するのも自分次第だから、
他の人が何を言おうが、しようが、考えようが、関係ないから」
と答えず、「マジックはかっこよくておもしろいから好き」と答えていたら、ルースはジムに「何でもほしいものを出せるマジック」を6週間かけて教えようとは思わなかったでしょう。
「ほんの小さな炎をすごく大きな火の玉に変えることができるマジック」は心の力を使うので、自分の心をコントロールしたり、他人が何を言おうが気にしない強い意思が必要です。
これらの条件が全部揃った状態になったとき、ジムの人生を変える6週間のレッスンがスタートするのです。
ジムにとっての人生の危機もこのレッスンの成果を試すように訪れます。
そして、ルースに教わったマジックによって危機を乗り越え、奇跡を体験するプロセスで、心と脳の神秘に魅せられてジムは脳外科医になるのです。
苦しい現実の中の種火のような小さな至福がトリックのマジックで、それがルースのマジックを習うきっかけになり、本物のマジックが招いた奇跡がジムを脳外科医に導いたのですから、至福が望む人生を引き寄せるのは偶然ではなく必然だといえるでしょう。
次回も「人生の扉を開く最強のマジック」の解説を予定しています。
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新メニュー(月の欲求・土星の制限の観念書き換えワーク、キローンの苦手意識を強味に変えるワーク)が加わりました。
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